皆さん、こんにちは。テモナ株式会社の事業推進部エグゼクティブマネージャーの栄です。

部署名は様々ですが、商材・サービス提供している企業であれば必ず設置している「カスタマーサポート(以下、CS)」が、お客様(クライアント、ユーザー)とより良い関係を築くためには「対等に本音で話す」「人対人の対応」が重要だという話を以前しました(下記参照)。

そこで今回は、その点について当社カスタマーサポートチームの事例をご紹介します。

人対人の対応を実践する際、どのような効果が現れるのか、お客様とサービス提供元の関係を超えた個人対個人の関係を築くとどのようになるのか、という点について具体的にご説明していきます。実際にお客様とのやり取りで課題を抱えている企業、担当者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
  
参考:
「お客様と良好な関係を築く上で注意したい3つのポイントと4つのメリット」
  

お客様と良い関係性を築いたCS事例3選

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事例1:「お客様の課題に本気で向き合う」ことで新人でもファンができる!

誰でも自分のファンを増やせることがCSの楽しいところです。知識が少なく、対応もおぼつかない部分のある新人でも、お客様の課題に本気で向き合い、誠心誠意対応することで、その姿勢はお客様に伝わります。

1年前、当初まだ新入社員だったCSメンバーと、あるお客様のお問い合わせを例にご紹介します。

当時はお客様が話している内容を理解するのに時間がかかり、「わかる人に代わってください」とお叱りを頂くこともありました。

それでも「私の理解が遅く大変恐れ入りますが、再度教えて頂くことは可能でしょうか?」とお客様の課題理解・解決に向き合いました。最終的に、そのCSメンバーはお客様の課題を解決へと導き、担当者の方からも「◯◯さんはどんなに時間がかかったとしても最後まで頑張って対応してくださるので安心できます。今後は指名させて頂きますね」と、その新人のファン第1号になってくださったのです。

このように最初は叱られていたとしても、その後の"姿勢"や"本気でお客様の課題に向き合う"ことで、その思いは伝わり、必ずお客様の心を動かすことができます。
  

事例2:サービスを超えて信頼しあえる関係に

ある日、お客様から「このような機能が欲しい」という要望を頂きました。ご要望頂いた機能は現状のシステムには組み込まれておらず、お客様独自の運用でしか利用ができない機能でした。当社のサービスはASP型で個別でのカスタマイズは受けておらず、通常であればお断りするほかない状態でした。

もちろんお断りすることは簡単ですが、私たちCSはこの企業の課題を解決しなければなりません。

そこで担当のCSメンバーは、お客様のやりたい目的を全てヒアリングし、以下の3つに分類して検討しました。

・ 自社サービスでできること/できないこと
・ 他社サービスでできること/できないこと
・ その運用は果たして目的に対して最短距離であるのか

上記の中で一番重要なポイントは3点目の「その運用は果たして目的に対して最短距離であるのか」です。この目的に対しての最短距離を見ず、目の前の課題しか見ていなければお客様の課題を解決することはできません。お客様の要望を100%そのまま叶えることは難しいため会話の中で衝突もしましたが、目的に対して手段を変更しご提案した結果、「◯◯さんが提案してくださった内容でいきます。そのやり方を教えてください」と私たちが提案した内容で運用を進めることになり、最終的にその課題は解決に至りました。

このお客様からは二進も三進もいかない状態になった際、今でもご相談を頂いてます。その時は「この機能を作って欲しい」という要望ではなく、「こういったことをしたいんだけど、どうやったらできますか?今の運用を変更しても構わないのでアドバイスください」と運用変更も視野に入れたご相談を頂きます。

以前の経験が互いにあったからこそ、今ではやりたいことの根本や細部まで会話し、意見を突き合わせ、その事業を一緒に作り上げていく関係になっています。
  

事例3:「CS担当者」から互いに成長しあえる関係に

当社では、複数社のお客様と1つのグループを作って毎月ディスカッションする場をCSが主体となって提供しています。そこでは、それぞれの企業が課題を持ち寄り、互いに相談しあい、CS担当者自身も「こうした方が良いのでは?」「こういった事例もあるので参考にしましょう」等とファシリテートしながら進行します。

このグループワークの最後には必ず懇親会も開催していて、そこでは「最近のコンシェルは一部個性が出てない人がいるんですよね」「もっと他人行儀じゃない方がお客さんも相談しやすいですよ」など、CSチーム全体に対しての本音を伺うことも可能で、それ自体が改善活動のきっかけにもなっています。

また、事業やチームのことだけに止まらず、「採用はどうしているのか」「社員育成について」等、会社全体の課題や悩みについて相談しあうこともあります。

このように本音で話し合えるお客様とは個別に1対1で食事にいくこともあり、そこでは会社のことだけではなく個人が成長するための課題についてもディスカッションし、お互いに刺激しあえる、成長しあえる関係を築くことができています。
  

まとめ

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皆さん、いかがでしたでしょうか。今回は3つの事例をお伝えしました。

CSとお客様の関係構築が培われていることにより、発生する付加価値はほかにも様々です。その中には転職された先の会社で当社サービスをご利用頂いていないにもかかわらず、改めて事業のご相談を受けたり、サービスを導入いただくこともあります。

自社サービスのサポートに留まらず、課題の本質に向き合いお客様1人ひとりと向き合って対応をすることで、個人としてもより成長することが可能です。また、そのような関係が築けていると自社が提供しているサービス以外の部分で本当に困った時にご相談いただけるようになります。それは「CS」という肩書きを持っているからではなく、"◯◯さんだからこそ相談したい"という「個人」に対してのご相談に変化しているからこそです。