カスタマーサクセスのKPIはどうすべき?顧客満足を高めるKPIの考え方と設定方法を解説
カスタマーサクセスは、顧客の目的達成(成功)を自社の商品やサービスで後押しすることをいいます。
カスタマーサクセスを目指すには、顧客の最終的な満足に結び付いているかを把握するKPIを設定し、顧客の状態を把握することが重要です。そこでこの記事では、カスタマーサクセスにおけるKPI設定の考え方や、主要KPIについて解説します。
目次
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各指標の関係性、指標の改善ポイントも解説しているので、すでに指標の意味はご存知の方も、一段と理解を深められます。
カスタマーサクセスのKPI設定の考え方
まずは、カスタマーサクセスを行う際のKPI設定の考え方について解説します。
カスタマーサクセスを目指す上での前提
カスタマーサクセスで最も重要なのは、顧客が何に対して満足を得るかを認識することです。
具体的には、自社の商品やサービスによって、顧客が抱える問題をどのように解決できるのか、あるいはどのように自社の商品やサービスを利用すれば満足度が上がるのかといった、顧客のニーズに応える方策設定が求められます。
そのベースとして、顧客との信頼関係や自社の商品やサービスについての熟知が必要です。
LTVを最大化するための指標をKPIにする
カスタマーサクセスのKPIにどういう指標を設定するかは企業の考え方により異なりますが、自社の商品やサービスの継続的な使用によりLTVを最大化するための指標が設定されることが一般的です。
特にサブスクリプションなど継続的に利用してもらうことを想定したサービスの場合、1ヵ月や数ヵ月で解約となってしまっては成果につながりません。
安定的に利益を生み出すためには、解約率やオンボーディング完了率など、複数の指標をKPIに設定することが重要です。
カスタマーサクセスを達成するための主要KPI5つ
ここでは、カスタマーサクセスを達成するための主要KPIを5つ紹介します。
- 解約率(チャーンレート)
- オンボーディング完了率
- NPS(顧客推奨度)
- アップセル/クロスセル率
- NRR(売上継続率)
1.解約率(チャーンレート)
解約率(チャーンレート)は、顧客が自社の商品やサービスを解約した率です。
顧客数をベースにして計算する「カスタマーチャーンレート」と、収益を基準にして計算する「レベニューチャーンレート」があり、何を評価したいかで使い分けます。
計算方法
解約率は、以下の計算式で求められます。
・カスタマーチャーンレート = 解約した顧客数 ÷ 解約前の顧客数 × 100
・レベニューチャーンレート = 解約によって失われた利益 ÷ 解約前の利益 × 100
さらに詳しく分けると、レベニューチャーンレートは2種類に区分できます。
解約率を改善する具体例
チャーンレートが高くなってしまう原因は、下記のように様々です。
- 顧客に利用価値を提供できていない
- サービスの内容に対して価格が高い
- 魅力的な他社サービスへの乗り換え
- 顧客がサービスを利用する必要がなくなった
まずは、チャーンレートが高い原因を明確にし、改善を目指す必要があります。解約率の改善策は、以下の記事を参考にしてみましょう。
チャーンレート(解約率)はなぜ重要?計算方法や目安、改善方法を解説!
今回の記事では、チャーンレートの基礎概要を紹介します。計算方法や平均的な数値を説明するので、チャーンレートを分析する際の参考にしてください。
2.オンボーディング完了率
そもそも顧客が商品・サービスを十分に利活用できていない場合は、継続利用につなげることは困難です。
顧客が商品・サービスを使いこなせるようになるまで支援する「オンボーディング」が終わっているかを、オンボーディング完了率で把握しましょう。
オンボーディングが完了し、顧客が商品・サービスを理解した上で使用開始することで初めて、「導入」から「運用」フェーズへ進むことができます。オンボーディング完了までに長期間かかる場合は解約率が高い傾向があるため、導入後のKPIとして重要です。
計算方法
オンボーディング完了率は、以下の計算式で求めます。
オンボーディング完了率 = 完了した顧客 ÷ オンボーディング期間の全顧客
オンボーディング完了率を改善する具体例
オンボーディングが完了しない理由を、商品やサービス側と顧客側に分けて理由を分析します。まず顧客側の環境や状況を把握することが大切です。
利用開始までの平均期間を算出し、それ以上利用開始されていない顧客については、カスタマーサポート等で利用開始を促すなどの対応します。
その際に商品やサービスへの不満がある場合はスピーディに対応することが求められます。オンボーディング完了率の改善には、顧客の状況分析と顧客に寄り添った素早い対応が重要です。
3.NPS(顧客推奨度)
NPSは顧客推奨度のことで、Net Promoter Scoreの略称です。利用している商品やサービスを、顧客がどれくらい他者に勧めたいかを数値で表したものです。
自分が使用している商品やサービスを他者に勧めるには、顧客自身が商品やサービスに満足している必要があります。NPSが高いことは自社サービス全般の評価が高いことの表れです。
計算方法
NPSの算出方法は定型化されています。顧客に、他者に勧めたい度合いを0~10の11段階で評価してもらいます。それを「批判者(0〜6)」「中立者(7、8)」「推奨者(9、10)」の3つに分類し、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値がNPSです。
NPSを改善する具体例
顧客の評価は商品やサービスだけではなく、不具合や問題があった場合の問い合わせ対応にいたるまでが対象となります。
顧客の評価は、長い道のりを経てNPSへとつながるわけですが、その過程でNPSが下がってしまうことも少なくありません。そのような場合の改善施策として、以下のようなものが挙げられます。
- 評価アンケート時に、要望や改善点をフリーコメント欄に記載してもらう
- アップセル・クロスセルのアウトバウンド時に顧客の要望をヒヤリングする
- 拡散力のある優良顧客やインフルエンサーに製品・関連サービスを理解してもらう
4.アップセル/クロスセル率
アップセル/クロスセル率は、売上(セル:Sell)の向上を示す指標です。
アップセルは顧客により単価の高い商品やサービスを利用してもらうこと、クロスセルはすでに契約している商品やサービスと関連する商品やサービスを勧め、顧客単価を引き上げることをいいます。サービスによっては、クロスセル対象になる追加サービスがない場合もあります。
LTV(顧客生涯価値)の観点からも、アップセル/クロスセル率を見ることは重要です。
計算方法
アップセル/クロスセル率の計算は、自社の定義で設定する場合が多いため、一般的な式として紹介します。
アップセル率 =アップセルをした顧客数 ÷ 全顧客数
クロスセル率 =クロスセルをした顧客数 ÷ 全顧客数
アップセル/クロスセル率を改善する具体例
アップセルの場合、商品やサービスの利用回数・頻度が高い顧客に対して提案を行うと、受け入れてくれる可能性があります。
クロスセルの場合は現状顧客が利用している商品やサービスと関連性があり、より満足度を高められる商品やサービスに関心がある顧客に対し提案を行うとよいでしょう。
5.NRR(売上継続率)
NRRはNet Revenue Retentionの略称で、売上継続率と訳されます。商品やサービスを購入した顧客の売上が維持、あるいは向上しているかの判断に使用されている指標で、サブスクリプションビジネスでは特に重要なKPIとなります。
指標判断では、NRRが100%を上回っていれば向上しており、月次や半期など、タームでNRRが伸びていれば、アップセルやクロスセルが奏功していると言えます。
計算方法
NRRの計算には、MRR(月次経常収益)の各指標を用います。
NRR = 当月の月次経常収益値 ÷ 前月の月次経常収益値× 100
細かく示すと、下記のような計算式になります。
NRR = ( 月初のMRR + Expansion MRR + Upgrade MRR – Contraction MRR – Churn MRR ) ÷ 月初のMRR × 100
Expansion MRR:
前月よりも購入額が増えた既存顧客から得られるMRR
Contraction MRR:
前月よりも購入額が減った既存顧客から得られるMRR
Churn MRR:
その月にサービスを解約した既存顧客のMRR
参考:MRR(月次経常収益)とは?種類・計算方法・改善方法まで徹底解説
NRRを改善する具体例
前述した通り、NRRの判断基準は100%となります。100%以下の場合はアップセルやクロスセルを強化し、売上の向上に働きかける必要があります。
解約の増加や、購入額の減少が発生が目立つ場合は、料金体系の見直しやカスタマーサクセスの取り組みを深化させるなどで改善を図りましょう。
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カスタマーサクセスのKPIを達成するポイント
カスタマーサクセスにおけるKPIを達成するには、いくつか重要視するべきポイントがあります。
KGIを達成するためのKPIを明確に設定する
KPIの達成は、あくまで最終的に目指すべきゴールであるKGIを達成するための通過点です。特にカスタマーサクセスの達成は企業収益を左右する事案であり、企業評価にも直結する重要な取り組みと言えます。
カスタマーサクセスのKPI達成なくしてKGIの達成もありません。そうした意識を常に持ち、カスタマーサクセスのKPIは正しい数値を明確に設定する必要があります。
顧客のニーズを細かく掴む
設定した各KPIに対する取り組みを細かく決め、実行に移ります。取り組み内容を決めるにあたっては、各指標の改善施策を基に、どういうニーズがあるのかを掴んでおくことが重要です。
アップセル/クロスセル率向上では複数価格の提案やまとめ買いなどの促進で顧客の声を聞き、NPSアップの場合は評価アンケートを取り、必要なもの足りないものをヒヤリングします。
オンボーディング完了の向上では、利用が進まない理由を個別に確認するなど、顧客との接点の機会を広げ、つぶさにニーズを掴みます。
マーケティングツールで顧客の動向を分析する
カスタマーサクセスを達成するための各施策を行うには、マーケティングツールを活用すると効果的です。
カスタマーサクセスの向上には、自社顧客への幅広いアプローチが必要になるため、顧客へのコンタクトや問い合わせ履歴などが蓄積されているマーケティングツールの利用は、顧客の動向分析の上でも欠かせません。
カスタマーサクセスに有用なツールは、以下のようなものがあります。
SFA(営業支援システム)
営業部門で管理する情報や業務プロセスを自動化・データ化して、蓄積・分析することができます。
CRM(顧客関係管理システム)
顧客情報や行動履歴、顧客とのコミュニケーション履歴を管理します。顧客との関係性を管理することで、誰が担当してもスムーズな対応ができ、顧客との良好な関係を構築・促進することができます。
これらのツールはカスタマーサクセス部門だけでなく営業やカスタマーサポート部門との共有ができるため、積極的にマーケティングツールとして活用するとよいでしょう。
KPIを設定しカスタマーサクセスを達成しよう
カスタマーサクセスは、企業の安定した経営のために必要となる重要な業務です。顧客に自社商品やサービスを長く利用してもらうためには、商品やサービスの価値をよく知ってもらうのと同時に、成功体験となる満足感も与える必要があります。
明確なKPIを設定し、適切なマーケティングツールを用いながら各KPIを達成する施策を図り、効率的にカスタマーサクセスを実施しましょう。
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各指標の関係性、指標の改善ポイントも解説しているので、すでに指標の意味はご存知の方も、一段と理解を深められます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- SaaS
- SaaSとは、Software as a Serviceの略で、ユーザーにソフトウェアの「機能」をインターネット経由で提供することを言います。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- LTV
- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- 単価
- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
- LTV
- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- SaaS
- SaaSとは、Software as a Serviceの略で、ユーザーにソフトウェアの「機能」をインターネット経由で提供することを言います。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- KGI
- KGIとは、重要目標達成指標のことで、Key Goal Indicatorの略です。プロジェクトや組織などにおいて設定する、数値で計測可能な目標のことをさします。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- KGI
- KGIとは、重要目標達成指標のことで、Key Goal Indicatorの略です。プロジェクトや組織などにおいて設定する、数値で計測可能な目標のことをさします。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- KPI
- KPIとは、目標に対して施策がどの程度達成されているか、を定量的に表す指標のことをKPI(重要業績評価指標)といいます。
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