ビジネスシーンにおけるコミュニケーションが占める割合は60%以上と言われており、今も昔も重要度は変わっていません。

かつて電話がメインだったビジネスコミュニケーションはすぐにメールが主役になりました。メールの文化が根付いて10年以上が経過した現在は、リアルタイムで即効性があり、より双方向なやり取りが実現できる「ビジネスチャット」に注目が集まっています。

今回のテーマは「ビジネスチャットと会議」です。「ビジネスチャットが変えるワークスタイル」を掲げ、ビジネスチャットがもつ特徴を踏まえつつ、それが既存ビジネスシーンにどのような影響を与えていくのか、またどのようなメリットをもたらすのかを実例を交えてご紹介していきます。
  

ムダ、ムダ、ムダ……”会議”が抱える課題について考える

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会議というものは、皆で同じ時間に集まり腰を据えて方向性を合わせて議論をしていくものです。しかし、様々なデータからすると、日々の会議に対して"満足している"と胸を張って言えるビジネスパーソンはそれほど多くないようです。

そうした状況にビジネスチャットがどのように貢献できるかを実例を交えてご紹介します。
  

会議に対して感じている問題・課題とは

NTTデータ経営研究所によると、会議に対して感じている問題・課題に関しては以下の結果が出ています。

1位「ムダな会議等が多い」(45.0%)
2位「会議等の時間が長い」(44.1%)
3位「会議等の頻度が多い」(36.7%)

株式会社NTTデータ経営研究所「会議の革新とワークスタイル」に関する調査より

また、マイナビニュースが調査するところによると会議が長引いた経験がある人は約半数いるようです。

参考:
会議が長引く原因は? -「社長の武勇伝」「定時後にするから」「進行下手」|マイナビニュース
  

ムダな会議、長い会議をなくすために必要な2つの秘訣

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従来、会議のムダをなくすために必要なことについて、それぞれ会議前と会議後の2つのシチュエーションでの行動がカギになってきます。さらに、ビジネスチャットはその2つのポイントをさらに一歩先へ進めさせるツールと言えるでしょう。詳しく説明します。
  

1. ”会議前” 事前共有だけではなく、事前共有へフィードバックをしよう

「会議の目的が何であるかを共有する」
結局のところ、会議がなぜ建設的な議論にならないのか?を突き詰めれば必ずここに行き着くのではないでしょうか。

「会議に呼ばれたけど、実際はあまり自分が関係ない案件だったので発言しなかった」
このような経験をされた方もきっと少なくはないでしょう。  

会議開催前は会議を開催する人数を決め、なるべく最小限のメンバーに絞り、目的を共有する事が大事です。しかし、これも結構大変です。案件によっては「誰を参加させるのかが解らない」状態になることもありえるでしょう。

そこで重要になるのは開催時の”声がけ”です。

・「何が目的の会議か」
・「開催する経緯は何か」
・「ゴールやアウトプットはどこか」

つまり「どのような文脈でその会議を開催するのか」「方向性として何のために開催するのか」「どのような結論を出せばいいのか」といったことを、参加者全員が事前に共有することが重要だと言われています。しかし、この事前共有ですが実際は一方通行の情報伝達になってしまって、以下の課題が出ることも多いです。

・ 事前共有しても参加者の開催前の理解度について確認できない
・ 会議における参加者の立ち位置がバラバラの場合もあり、各々情報の受け取り方が違う
・ 事前共有そのものの妥当性を評価することが難しい

そこで試していただきたいのが、”参加者による事前の情報共有へのフィードバック”になります。具体的には、会議に関する資料・目的などの共有を受け、それに対して参加者が意見を表明する”チャンス”をつくります。

これは実際には簡単なものでも構いません。「承知しました」「確認しておきます」など、大事なのは会議前にワンクッション置いたコミュニケーションを取ることです。

実例:会議前にあったビジネスチャット上のやり取り

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会議前(事前)にビジネスチャットでコミュニケーションを図るイメージ画面
  
これをすることで参加者は会議に相対する自分の立ち位置を意識できますし、例えば「自分は参加する必要がない」という旨を伝える”チャンス”にもなります。そしてビジネスチャットはこういったコミュニケーションを非常に得意としています。スタンプを返してもいいし、質問をしてもいいと思います。
 
その会議の事柄に対して自分の立ち位置を明確にアピールする、意識的にも効果があるし、何より”自分にとって重要かどうかを判断するためのチャンス”を設ける事が重要です。ビジネスチャットを導入してから、会議の前に資料をチャットに貼って情報共有をするだけではなく、会議前のコミュニケーションで会議そのものが必要なくなるケースもあります。会議前においてはその会議の情報について事前共有するだけでなく、”事前共有に反応する”ことも。そうすれば事前共有自体の価値が向上し、評価されムダがなくなり、会議前に結論がでることもあります。会議自体は同期型のコミュニケーションなので、チャットのような非同期型のコミュニケーションを事前にワンクッション挟むことで最大限のムダを省くことができます。
  

2. ”会議後” 会議のアウトプットは明確に具体的な業務やプロジェクトに紐付けること

会議において最終的な目に見えるアウトプット、例えば”議事録”を取ることはエビデンスや不参加者へのフォローだけではなく、会議したことの目に見える成果として重要な役割を果たしています。特に会議のアウトプットが可視化されていることで、事前に共有されたゴールに対して会議がしっかりと結果と次のTodoをどうすれば良いのかというところまで、迷いなく行動に移せるところがポイントです。

仮にこのアウトプットが曖昧な場合では、実際には会議を開催しても「あの会議って何のためにやったんだっけ?」「結局次に何をすれば良いんだっけ?」と結果として会議自体がムダに感じてしまう原因になってしまいます。しかし、具体的で明確なアウトプットは重要ではありますが、会議の結果が議事録として目に見える形で存在していたとしても、それが実際に自分の業務に紐付いている、関連している実感が無いと活かすことは難しいと言えます。

会議の取り決めに従ってそのアウトプットを業務に活かし行動することこそが実際には求められていることで、あくまで会議はそこにいたるプロセスの1つのはずです。これらの会議のアウトプットにまつわる課題として、ビジネスチャットは業務・プロジェクトへの紐付けという点で大きな貢献をすることができます。例えば、会議体が形成された段階でそれについてのグループを作成し、そこで会議前の情報共有とアウトプットを両方投下します。

当社の場合は会議の決定事項は全て「ノート機能」を使ってそのグループに紐付けた状態で残しています。さらに会議で生まれたTodoはタスク機能でタスク化し、そこで項目に対する細かいコミュニケーションを取れるようにしています。

実例:会議後のアウトプットにビジネスチャットのノート機能を使った運用

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会議後(事後)にビジネスチャットでコミュニケーションを図るイメージ画面
  
こうすることで、例えば参加できなかったメンバーは事前共有されたコンテンツとそれを参考に得られた結論を文脈として理解しやすくなります。この会議はどのようなプロジェクト、タイムライン上で開催されていつどのような結果になり、次にいつまでに何をすればいいのかという点が具体的な案件に紐付いた形で明白になります。

つまり、業務・プロジェクトに対する”話題”と”会議のアウトプット”が明確に関連付けされていることで、会議の結果を意識しやすく活かしやすくするということになります。