*「ゲーミフィケーション」*という言葉が流行したのは数年前に遡ります。
最近はあまり「ゲーミフィケーション」という言葉自体聞かなくなったかもしれませんが、それはより普遍的な概念になってきたからかもしれません。

ゲーミフィケーションは、「日常のさまざまな要素をゲームの形にする」という意味の「ゲーム化(gamefy)」から派生した言葉で、概念自体はポイントカードのようなプログラムの形で以前から存在していました。

インターネットが普及し、スマートフォンが登場、さらにはソーシャルメディアが流行した今は、ゲーミフィケーションがより実践しやすくなりつつあります。
今回は、ゲーミフィケーションでユーザーエンゲージメントを高める4つの原則をご紹介します。

ゲーミフィケーションでユーザーエンゲージメントを高める4つの原則

1. ストーリー性を持たせる

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※ Source: pexels.com

ゲーミフィケーションを採用する場合によくやってしまいがちなことは、ゲームの要素を「取り入れる」ことです。
しかし、本気でユーザーに楽しんでもらって強いエンゲージメントを構築したいのであれば、「取り入れる」というレベルではなく、*「すべてをゲームのように考える」*必要があります。

そこで、そもそもゲームがどういう構成かを考えることにしましょう。

ゲームをプレイしている最中、プレイヤーは通常操作方法をチュートリアルで学んだ後、何日かかけて最初のミッションを与えられ、それがクリアできれば徐々に難しいミッションを与えられます。

このミッションをクリアしてはもうワンランク上のミッションを与えるというサイクルは非常に重要で、このサイクルによって一貫性のあるストーリーが出来上がり、プレイヤーはゲームを進めるのが楽しくなります。

このミッションは、簡単すぎても、難しすぎてもいけません。
徐々にステップアップさせるバランスが重要になります。

こうしたステップアップをうまく採用しているプロダクトの一つがLinkedInです。
LinkedInでは、ユーザーにプロフィールを埋める際に「進捗状況」が表示されるようになっています。

初期のLinkedInでは、ユーザーはプロフィールをひとまず作り上げて、他のユーザーとのコネクションを構築することに重きが置かれていました。
現在のLinkedInでは、プロフィールを完成させることで、よりプロフィールに合ったグループに参加したり、自分に合った求人に応募したり、前職の同僚とも繋がりが持てるようになっています。

2. ランクが上がるごとに利用できるリソースを増やしていく

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再度、ゲームについて考えてみましょう。
例えば、RPGの場合について考えてみると、初期の主人公は、比較的簡単なミッションが与えられる代わりに、装備が少ないはずです。
いきなり強力な武器が与えられてしまえば、あっという間にゲームを解き終えてしまうので、面白いストーリーだとしてもつまらなく感じてしまうでしょう。

同じように、ゲーミフィケーションを取り入れたいサービスやプロダクトについて、ゲームに参加したてのプレイヤーは、ある程度のリソースを制限して、ゲームのベテランプレイヤーとの待遇を差別化するべきです。

ステーキ専門店の「いきなりステーキ」では「肉マイレージカード」というポイントサービスを採用しており、ここにもゲーミフィケーションの要素が取り入れられています。

初期は何の優遇はありませんが、ポイントを貯めてゴールドメンバーにランクアップすれば、来店1回につきソフトドリンクが1杯無料でプレゼントされます。
さらに、プラチナメンバーは来店1回につきアルコールも含めた好きなドリンクを選べるようになるなど、ランクアップするごとに制限されていたリソースが解放されていきます。

3. オーナーシップを育てる

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以前日本では、「たまごっち」や「どこでもいっしょ」といった、動物のアバターを自分流に育てるゲームが流行しました。
こうしたゲームが流行したのは、同じアバターを育てていてもゲームのアクションによって全くことなる色のアバターになるので、いわゆるオーナーシップが育っていくという点にあります。

プレイヤーがゲームに対して好意や愛情を抱くようになれば、ゲームへのエンゲージメントはかなり高いものになります。
ポケモンGOのように、集めたポケモンをジムで戦わせるようなソーシャル性も、オーナーシップを高めるひとつのきっかけになります。

Forestという生産性向上アプリでは、ユーザーが入力した時間に合わせて、ユーザーが木を植えていくというアクションをとります。
木が多ければ多いほど、よりパーソナルな森が完成するので、続けるきっかけになるのです。

4. ソーシャルと統合する

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現代のゲーミフィケーションにおいて、最も重要だといえるのは*「ソーシャルとの統合」*です。
ここでいうソーシャルとは、SNSだけでなく、自身が抱えているサービス内での他のプレイヤーとの交流も指します。

iOSのゲームアプリランキングで毎回上位に入っている「クラッシュオブクラン」というゲームがあります。
クラン(「一族・氏族」の意味)を自分で構成し、ライバルに戦いを挑むというシンプルな構造ですが、他のユーザーとの交流がなければこのゲームの特性は失われてしまうでしょう。

こうしたソーシャルとの統合は、ゲームに限らず、フィットネスアプリやToDoアプリなどでも取り入れることが可能です。
例えばフィットネスアプリであれば、走った距離を競い合ったり、走った時間でランキングを形成できたりします。
単に一人で走るだけではつまらなくとも、みんなで競い合うことで頑張ろうとも思えるのです。