伝わる文章が書けるようになるための6つのポイント
Web担当者の方は、ホームページ掲載用、SNS投稿用、社内報告用と、あらゆる場面で文章を書く機会があると思います。
文章作成があまり得意でない方は、なんとか文章をひねり出すものの時間も労力も消費してしまってはいないでしょうか。
さらにチェック担当の人間もいないから書いた文章が正しいのかどうかわからないまま世に出てしまって、不安があるという方もいます。
それらの問題を解決するために改めて考えていただきたいのが、文章を作成する目的です。何のために文章を書いていますか。
文章は他者に何かを伝えるための手段です。
つまり、相手にこちらの意図が伝わればそれだけで文章の役目を果たしたことになります。
ビジネス用の文章においては名文を書く必要はなく、要所要所でポイントをおさえればある程度「伝わる」文章を作成することができます。
では伝わる文章はどのように書けばいいのでしょうか。
今回は、伝わる文章を作成するうえで最低限おさえておくべきポイントを、文章例を交えながらご紹介します。
文章に不安がある方は是非確認してみてください。
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伝わる文章とは?
文章の役割は何かを伝えることです。
相手が理解しやすい文章構成、文章表現を踏襲しており、結果、それを読んだユーザーがこちらの期待通りの行動を起こしたなら、「伝わる文章」として成立しているといっていいでしょう。
伝わったかどうかを判断するのは、文章を読んだ相手の反応を見るしかありません。
こちらの意図が正しく伝わり、想定した通りの行動や心境の変化を起こしてもらえれば「伝わる文章」が書けています。
ランディンページで例えてみると、文章を読んだユーザーが、こちらが狙っている行動(資料請求や商品の購入等)を再現すれば意図が伝わっていると判断できます。
伝わる文章に必要な要素 【1】情報を過不足なく効率良く伝える文章構成は?
最低限必要な項目のみを記載した文章であれば、相手に余計な疑問を抱かせることなく一度で情報を伝えることができます。
情報が多すぎるとごちゃごちゃした文章になり結局何が言いたいのかわからなくなってしまったり、逆に少なすぎると相手に疑問を抱かせてしまい、その疑問を解消するために無駄なコミュニケーションコストが発生してしまいます。
情報を効率よく伝えるためには、3つのポイントをおさえる必要があります。
1.「5W1H」よりも「6W3H」
文章作成や報告、プレゼンなど、あらゆる場面で意識するべきと言われている「5W1H」です。
【5W1H】
・ WHO(誰が)
・ WHEN(いつ)
・ WHERE(どこで)
・ WHAT(なにを)
・ WHY(なぜ)
・ HOW(どのように)
5W1Hでも十分なのですが、ビジネス用の文章であれば「5W1H」に「WHOM(誰に対して)」「HOW MUCH(いくら)」「HOW MANY(いくつ)」を加えた「6W3H」を意識すると良いでしょう。
【6W3H】
・WHO(誰が)
・WHENあ(いつ)
・WHERE(どこで)
・WHAT(なにを)
・WHY(なぜ)
・WHOM(誰に対して)
・HOW(どのように)
・HOW MUCH(いくら)
・HOW MANY(いくつ)
2.伝わりやすい語順を覚える
6W3Hを踏まえたうえで、どのような順番で情報を羅列すれば最も伝わりやすいかも覚えておきましょう。
【伝わりやすい語順】
1.いつ
2.どこで
3.誰が
4.誰に
5.何を
6.どうした
例文で検証してみましょう。以下の2つの文章のうちどちらのほうが理解しやすいでしょうか。
1.昨日、渋谷の貸会議室で、株式会社ベーシックがFerret会員に向けて特別セミナーを行った。
2.特別セミナーを、株式会社ベーシックが渋谷の貸会議室でFerret会員に向けて、昨日行った。
個々人により多少の感覚の違いはあるのかもしれませんが、1つ目の文章の方が理解しやすいと感じるのではないでしょうか。
情報の内容によってはあえて順序を入れ替えてある1つの項目を強調させる場合もありますが、新聞やテレビなどほとんどのメディアは上記の順序を踏襲して情報を伝えています。
3.「てにをは」は文脈によって使い分ける
伝わりやすい語順を理解したら、今度はそれぞれの情報の繋がりをわかりやすくするための「てにをは」の使い方を理解しましょう。
「てにをは」はなんとなくの感覚で流してしまいがちですが、少し使い方が違うだけで文章に違和感が生じてしまう場合があります。違和感があるかどうかは、その文章単体ではなく文脈のなかで読み取るようにしましょう。
例えば
「私は鈴木です」
「私が鈴木です」
の2つの文は、それぞれ単体で見れば特におかしくはありません。
しかし、
「鈴木さんはどなたですか」
という問いかけに対して、
「私は鈴木です」
と返答すると少し違和感があります。
「私が鈴木です」
であれば、質問に対しての返答だとすんなり認識できます。
逆に、
「あなたのお名前を教えてください」
という質問に対してであれば、
「私は鈴木です」
と返答すると自然です。
(「鈴木です」と返答した方が自然ですが便宜上このような表記にしました。)
ただ、最低限、同じ助詞を連続で使用するのは極力避けましょう。
「鈴木さんが、Ferretが開催した特別セミナーに参加した」
だと少し読みづらい文章になってしまいます。
「鈴木さんは、Ferretが開催した特別セミナーに参加した」
という風に、できるだけ助詞は分散させるようにしましょう。
いずれにせよ文章を作成したあとは一度読み直し、前後の文章の繋がりがおかしくないかを確認しましょう。
伝わる文章に必要な要素 【2】伝わりやすい表現方法は?
伝わる文章の構成要素がある程度理解できたら、次は表現方法についての理解を深めましょう。
4.二重否定や曖昧な表現はできるだけ避ける
「嫌だと思わないわけではありません」
「このプロジェクトに参加するのはやぶさかではない」
このように、二重否定(「ないわけではない」)による肯定や、「やぶさかではない」というようなパッと聞いてすぐに意味が処理できないような言葉遣いはできるだけ使わないようにしましょう。
上記の例のように、「~ではない」と否定の形で終わっていると、人によっては肯定ではなく否定文として捉え、発信者側の意図とは真逆の意味のメッセージとして受け取ってしまう可能性もあります。
あえて表現を濁したい場合もあるとは思いますが、少なくともビジネス用の文章には使わないほうが賢明です。
5.読み手にとってわかりやすい例えを使う
身の回りの広告コピーを見てみると、何かしらの数値をアピールする場合は必ずと言っていいほど例えが使われているのに気がつくはずです。
サプリメントや化粧品であれば「レモン1000個分のビタミンC配合」、テーマパークであれば「東京ドーム20個分の面積」というように、単純に商品の効果を表す数値を出すのではなく、読み手がイメージしやすい例えを添えてあげると一気に訴求力があがります。
ターゲットが明確な場合は、それほど一般的でなくても彼らが理解できる例えを使うのもいいでしょう。
6.誤読を防ぐための読点ルール
皆様は、読点(文章を区切る「、」のこと)はどのような基準で付けられているでしょうか。
これも感覚に頼る要素が多いと思うのですが、読点は文章を正しく読み進めてもらうためのガイドとしての役割を果たすため、最低限、下記3つのルールを守った使い方を心がけましょう。
1.接続詞の後につける
接続詞とは「しかし」「だから」「つまり」など、前後の文を繋げる役割をもつ品詞のことです。基本的には接続詞の後ろに読点をつけておくと自然に読みやすい文章になります。
2.修飾語がどこにかかっているかが理解できるようにつける
修飾語とは、名詞や動詞を修飾する語句を指し、「美しい花」であれば「美しい」の部分が、「友人に会った」であれば「友人に」が「会った」を修飾する語句となります。
修飾語がかかる部分を明確にするために読点を活用します。
「鈴木は怒りながら黙々と作業する田中を見ていた」
という文章であれば、「怒りながら」と「黙々と」という修飾語がどこにかかるのか曖昧です。
「鈴木は、怒りながら黙々と作業する田中を見ていた」
「鈴木は怒りながら、黙々と作業する田中を見ていた」
という風に、1つ読点をつけることで誤読を防ぐことができます。
3.音読時に息継ぎするポイントにつける
読点は文章のリズム感を決定づける要素です。リズムの良い文章にするためには、一旦音読してみて自分が息継ぎしたポイントに読点をつけましょう。
まとめ
文章作成に関する情報は、書籍やWebコンテンツ、セミナーなど世の中に無数に出回っています。
ノウハウやルールは無数に存在していますが、冒頭にも記載したとおり、文章の役割は「相手に意図が伝わること」です。
極端な話、相手に意図が伝われば一般的な文章ルールは無視しても良いぐらいです。ルールやテクニックを覚えると、どうしてもそれらを遵守することに傾倒しがちです。
しかしそれらはあくまでユーザーに伝わりやすい文章を作成するための手段の1つであるということを常に念頭におきましょう。
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