自社ホームページの新任Web担当者になった方であれば、まずどのような業務から取り組んだらいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか?

もし、中小企業のWeb担当者であれば、ホームページドメイン管理やコンテンツの更新、マーケティング業務、Web制作を外注しているのであれば制作会社へのディレクションなど複数の業務を一挙に担うこともあるでしょう。

中でもホームページドメイン管理業務は専門性が高い分野であるため、ボトルネックになりやすい業務の1つです。
Web上に公開しているホームページドメイン以外にも複数のドメインを管理している企業も多く、定期的な更新作業も発生します。

今回は、新任Web担当者向けに自社ホームページドメイン管理について解説します。また、ドメインとはそもそもどういうものなのかという基礎知識もあわせてご紹介します。

ドメインとは?

ドメインとは、インターネット上に無数にあるホームページやメールなどの情報を区別するための名前を指します。
ホームページを家や会社に例えると、ドメインは住所に値するものです。

ホームページの場合、「https://ferret-plus.com」にある「ferret-plus.com」がドメイン名にあたります。メールアドレスの場合、「test-example@gmail.com」にある「gmail.com」がドメイン名です。

ドメインは任意のものを取得できますが、既に存在しているドメインと同一のものは取得できません。ドメインはNICという任意団体が管理しており、日本国内においてはJPNICという団体が管理しています。

ドメインの販売・登録業務自体は「お名前.com」のような民間団体が取り次いでいます。

また、「.com」「.jp」「.net」「.go.jp」「.ac.jp」などピリオドの後に就く文字列には意味や用途があります。企業向け、国別、日本国の政府機関用、研究機関(大学)用などの用途に分けられており、個人が利用できないドメインもあります。

参考:
日本ネットワークインフォメーションセンター - JPNIC
ドメインとは - Webマーケティング用語|ferret

ドメインの種類 - トップレベルドメイン(TLD)とは

先にも述べたように、ドメインには「.com」「.net」「.jp」のように複数の種類があります。
これを*トップレベルドメイン(TLD)*と言い、以下の2つに分類されます。

ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)

「ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)」とは、企業や非営利団体、情報サイトなど一般的に広く使われているトップレベルドメインのことを指します。

主に「.com(商業組織)」「.net(ネットワーク向け)」「.org(非営利団体)」「.info(制限なし)」「.biz(ビジネス利用者)」などがあり、それぞれ用途があります。過去に用途があったものの現在制限なく利用できるドメインもあれば、厳密に規定されているドメインも存在します。

国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)

「国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)」とは、国や地域に割り当てられたトップレベルドメインのことを指します。のように、ISO(国際標準化機構)のISO3166で規定されている文字コードが原則として利用されています。

誰でも利用できる「.com」のようなドメインとことなり、該当する国や地域に存在する個人や団体でないとドメインを取得できないという特徴があります。「.jp(日本)」「.us(アメリカ合衆国)」「.cn(中国)」などが存在します。

参考:
ドメイン名の種類 \ JPNIC

ドメイン管理者の業務

ドメインの大まかな仕組みを確認しました。次に、自社ホームページのWeb担当者がドメイン管理を行う際の業務についてご紹介していきます。

ドメインの取得と管理

主に行うのがドメインの取得と管理です。自社ホームページに利用するドメインは、ドメイン販売を行うサービスから購入します。自社名、ブランド名などが取得できるかを確認してから取得します。

また、後述するブランドの保護のためにも、「.com」「.net」など複数のトップレベルドメインで取得することが基本です。そして、ドメインは毎年もしくは数年おきに更新料が発生するため、自社が保有しているドメインを把握しておきましょう。

複数のドメインを管理し自社の商標を保護

ドメインの複数取得する目的は、複数のサイトを立ち上げる場合はもちろんですが、自社の商標を保護するためにも行います。ホームページドメインを自社商標を使って「http://abcd-example.com」と取得したと仮定します。

.com」のみ取得していた場合、無関係の第三者が「http://abcd-example.net」を取得し、異なるホームページを立ち上げる可能性が考えられるでしょう。

商標を悪用して社会的に問題のあるホームページへ誘導する危険性があるため、こういった危険性を回避するためにも複数のドメインを管理する必要があります。

また、ICANNという非営利団体によるTMCHという商標保護プログラムがあります。商標を用いたドメインをTMCHに申請することで、他者が取得しようとした際に登録者に警告通知を受け取ることができ、ドメイン名の検証が行われます。商標保護に関する仕組みなので、ぜひ申請しておきましょう。

参考:
インターネット用語1分解説~Trademark Clearinghouse|JPNIC

ドメインの引き継ぎ

ホームページを新たにリニューアルする際、いままで使っていたドメインをそのまま利用することが殆どでしょう。新たなWeb制作サービスなどを利用する場合に、いままで使っていたドメインを新たなサービスに引き継ぐ必要があります。

レンタルホームページサービスからCMSへ、ブログサービスからネットショップへ、など引き継ぎ先は複数考えられるため、事前に利用中のサービスへ確認を行うようにしましょう。

まとめ

近年、企業がホームページを運用するのが一般的になりました。それに伴い、ホームページドメイン管理業務の役割も重要です。自社ホームページの社名や商標、ブランド名を他者に悪用されないためにも複数のドメインを取得し、保護する必要があります。

また、自社が他者の商標を毀損しないためにもドメインを取得する前にドメイン調査サービスを利用して確認することも大切です。また、ドメイン管理業務は社内サーバーの管理、メールやデータベースの管理にも密接に関わるため情報システム部門と連携することも多いでしょう。

業務を円滑に進めるためにも、ぜひドメインの基礎知識を学んでみてはいかがでしょうか。