企業が永続的に売上を上げ続けるために知っておきたい「良い売上」「悪い売上」

「全体の2割の要素が、全体の8割の数値を作る」というパレートの法則をご存知の方は多いでしょう。

例えば、上位13%の顧客が打ち上げの67%を占めているモデルを考えてみましょう。上位から外れた顧客は特売の時にしか買わない顧客と言えます。メーカーが数十億、数百億の販売促進予算を組んで割引やプレゼントキャンペーンを行っても、こういった顧客が使い潰してしまうだけです。

世の中には「良い売上」と「悪い売上」の二つしかありません。

キャンペーンや割引を理由にして得た売上は悪い売上です。一方で、好きだから・夢中だから・ゾッコンだからという理由で得た売上は良い売上でしょう。

では、こうした「良い売上」を上げていくにはどうしたら良いのでしょうか。

「今年、どの程度売上がでたのか」という短期的な視点では悪い売上ばかりを追い求めてしまい、良い売上を得るためのマーケティング戦略は取れません。

実際、池田氏が今まで話を聞いてきた企業のうち、中長期的な利益を得ている企業の方からは例外なく*「売上は後から付いてきました。その代わり、3年以上は我慢しています」*という言葉がでてくるそうです。

そうした中長期的な視点を持つためには、経営そのものから変えていく必要があるでしょう。社員自体が商品に対して熱狂的な愛をもち、会社全体に熱狂的な愛が溢れることで、熱狂的な顧客が増えていくという企業のあり方がこれからの時代には求められているのかもしれません。
  

まとめ

以上となります。皆様、いかがでしたでしょうか。
講演内容は、多くの企業のマーケティング支援に関わってきた池田紀行氏が感じてきたメーカーの実情が伝わる内容でした。

メーカーの場合、新しい顧客をつかむための技術競争や価格競争に陥りがちです。特に成熟が進む国内市場で成長していくためには、そういった視点から抜け出して、現在の顧客を魅了する仕組み作りに目を向ける必要があるでしょう。

最後に、池田氏は「マーケティングに愛を取り戻したい」という言葉で締めくくりました。
こういったユーザーへの真摯な姿勢が、これからのマーケティングおいて求められるものなのかもしれません。