ファシリテーター(facilitatior)と司会の違い

ファシリテーターと似ている役割のひとつに「司会」があります。ファシリテーターと司会の違いはどこにあるのでしょうか?

この2つの役割の違いとしては、“意見を引き出す”必要があるかないかという点が挙げられます。司会の役割はあくまで「進行」です。会議やイベントを滞りなく進めていくことが求められます。

一方ファシリテーターの場合は、出演者から話を引き出し、その意見を深掘りしたり、意見をまとめたりする役割が求められています。この点が司会と異なる部分だと言えるでしょう。

そのため、司会とファシリテーターを別々に立てるようなイベントもしばしば見られます。
  

ファシリテーター(facilitatior)を上手にこなすコツは?

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出典:http://www.ashinari.com/2009/04/03-016135.php

ファシリテーターの役割を担当していくと、どうしても毎回同じ人ばかりが発言して意見を出さない人がいたり、思いどおりに話が進まないということに遭遇します。できれば様々な考え、立場の人達から意見を聞き出したいのに、時間ばかり使って話が進まないし何も決まらない……。そんな時にはファシリテーターを上手くこなすコツをヒントにして進めてみてください。
  

会議前の準備

ファシリテーターの役目は会議を始める前の、話し合える場を作ることから始まります。会議が効率的で意味のあるものになるよう、話し合う目的や集まる参加者の選定、参加者への説明、資料作成など、必要なことを準備しておきます。
  

アイデアを広げるように話し合いを進める

せっかく人が集まっても、話し合いの場の空気が悪かったり、意見を出しづらかったりすると、周りに合わせた意見しか出てこなくなりアイデアが広がりません。そんな時は、参加者が自由に意見を出しやすくなるよう、ファシリテーターが働きかける必要があります。

「○○のような場合を想定して考えてみるのもいいのでは?」
「○○だったときにはどうしますか?」

上記のように、適切に質問・提案をすることで参加者が意見を出しやすい雰囲気になります。
  

話し合いをまとめる

ただ意見を自由に出してもらいアイデアを広げるのでは、話が議論とは違う方向にいってしまうことになりかねません。

そこでファシリテーターが、参加者の意見を選択・整理しながら、収束の方向に話を進める必要があります。様々な考え、意見から簡単にはまとまらないものですが、もめ事が起きないように調整しながら参加者の合意を形成していきます。

また、予定している時間内で会議を収めるというのも、ファシリテーターの重要な役割の1つです。議論がまとまったら、決定したことや今後の課題などをまとめ明確にしておきます。
  

先入観を持たないようにする

ファシリテーターは会議の進行役という中立的な立場のため、課題に対して「先入観」や「思い込み」を持たないように心がけましょう。初めから先入観を持ってしまうと、発想などの妨げになってしまう恐れがあります。より良い意見交換の場にするために、中立で公平な立場であることを認識しなければいけません。
  

進行役という認識で参加すること

ファシリテーターというのは、あくまで会議の進行役です。無意識のうちに自分の意図する方向に話や結果を進めてしまいがちですが、そうならないように気を付けましょう。会議の参加者達が納得する結果を導き出すためにも、方向性を見失わないように注意しながら、また進行役だということを意識しながら進めていきます。