世の中には、多数の会社が存在しており、多くのビジネスモデルプロダクトが存在しています。

しかし、ビジネスモデルとプロダクトの秀逸性だけでは、Product-market-fit(人が欲しがるものを作ること)を達成し、ビジネスをブレークスルー(現状ある障壁を壊して大きく前進すること)することはできません。
  
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ブレークスルー = ビジネスモデル+プロダクト+ 秘伝のレシピ

  
ブレークスルーを達成するには、起業家は秘伝のレシピを発見し、ビジネスに組み込んでいく必要があります。現在注目の企業のトップの方に直撃し、様々な起業家が持つ秘伝のレシピ(Secret Recipe)に焦点を当て解読していく当連載。

第8回目となる今回は、先日、LIFULLの本社にて開催された、起業家と投資家のマッチングイベント「Tokyo Startup Dating Vol.9」の特別講演の内容をご紹介します。

当日は会場に多くの起業家の方や投資家の方などが集まり大盛況。メインイベントとして、"株式会社LIFULL 代表取締役社長 井上高志 氏"、"セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社 代表取締役社長 阪根信一 氏"、"株式会社ベーシック 代表取締役 秋山勝 氏"が登壇した、”先輩起業家に聞く、ビジネスをブレークスルーさせたポイント”というテーマで行われたパネルディスカッションの模様をお送りします。

読者の皆さんに、自分のビジネスをブレークスルーするためのヒントを見付けていただければ幸喜です。今の業務で壁にぶつかっていると感じている方、もう一歩さらなる成長を遂げたいと考えている方に、ぜひともオススメです。
  

目次

1. 登壇者紹介
2. ビジネスをブレイクスルーさせるための秘訣とは
3. 人材採用の秘訣とは
4. 人事戦略の秘訣とは
5. 起業家に対してのメッセージ
6. まとめ
  

登壇者紹介

株式会社LIFULL 代表取締役社長 井上高志 氏
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新卒入社したリクルートコスモス(現コスモスイニシア)勤務時代に"不動産業界の仕組みを変えたい"との強い想いを抱き、1997年独立して株式会社ネクストを設立。インターネットを活用した不動産情報インフラの構築を目指し、不動産・住宅情報サイト「HOME'S(現 LIFULL HOME'S)」を立ち上げ、総掲載物件数No.1のサイトに育て上げる。現在は、国内・海外併せて14社の子会社を擁し、世界57ヵ国にサービス展開している。会社設立20周年となる2017年4月に社名を「株式会社LIFULL(ライフル)」に変更。

  
セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社 代表取締役社長 阪根信一 氏
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理学博士。1999年、アメリカ・デラウエア大学 化学・生物化学科 博士課程修了(Ph.D.)、Glenn Skinner Award 学部最優秀賞受賞。 
卒業後は株式会社I.S.T取締役、CEOを経て、2008年、スーパーレジン工業株式会社社長に就任。2010年、株式会社I.S.TのCEOを退任し、2011年、Seven Dreamers Laboratories, Inc. President & CEOに就任、2014年より現職。

  
株式会社ベーシック 代表取締役 秋山勝 氏
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高校卒業後、商社に入社。その後、営業職、ITソリューション受託会社の物流センター立ち上げ、一部上場企業での新規事業立ち上げを経て、2004年3月に株式会社ベーシックを設立。設立10年で50以上の事業を立ち上げ、上場企業に4件のバイアウトを行い、Webマーケティング、ASEANの成長市場に対して展開中。強みは新規事業企画、立案。現在、年商100億企業達成に向けて鋭意進行中。

  
モデレーター:アドライト代表取締役社長 木村忠昭 氏
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大学院卒業後、大手監査法人に入社。その後、株式公開支援業務・法定監査業務などに従事。2008年に株式会社アドライトを創業して、経営企画・経営管理・ファイナンスなどの分野におけるアドバイザリー業務・コンサルティング業務・人材教育サービスなどの実践的プロフェッショナルサービスを展開。東京大学経済学部経済学科卒、東京大学大学院経済学研究科修士課程卒。公認会計士。

  

ビジネスをブレイクスルーするための秘訣は「世の中にないものを創り出す」という気概と「タイミング」

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木村 氏(モデレーター)
まず、今回登壇していただく3名の方それぞれに、どのようにビジネスがブレークスルーしたかをうかがっていきたいと思います。

阪根 氏(セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社 代表取締役社長):
ブレイクスルーというか、奇跡的に切り抜けた的な話はたくさんあります(笑)。

木村 氏:
なるほど。相当苦労されたのですね。具体的に話を聞かせてください。

阪根 氏:
技術的な話をすると、まずは衣類の山から対象となる洗濯物を選択して、ロボットアームで摘まみ上げます。その際、画像認識と人工知能で衣類を識別するのですが、実は衣類をたたむという工程よりも、最初に洗濯物の山から対象物を選択してそれを摘まみ上げて認識するという行為のほうが圧倒的に難しいものでした。ここについては、これまで世界中の誰もが実現できなかった技術でした。

木村 氏:
洗濯物をたたむという行為のほうが難しいのかと思ってました。

阪根 氏:
最終的に若手技術者のアイデアでどうにか突破することができ、製品を世の中に生み出すことができています。会社を推進する意味で、やっぱり他社との差別化というのが必要だと思うのですが、差別化するための技術があるのならば、諦めずに頑張ればブレイクすることが起こると私は確信しています。

井上 氏(株式会社LIFULL代表取締役社長):
今でも覚えてますが、阪根さんから「洗濯物を折りたたむ機械作ってます」って初めて聞いた時はギャグかと思いましたよ(笑)

阪根 氏:
確かに周囲からの反応はそうでしたね。きっと2005年当時はギャグだと思われていたはずです(笑)

井上 氏:
ただ、あの松下幸之助さんも同じことを考えていたかもしれないですね。女性が家事に追われてるのを変えるために洗濯機をつくったり、冷蔵庫つくったり、掃除機つくったり……。昔であれば金たらいと洗濯板でやっていたことを、スイッチ1つで対応してくれるような便利な機械を作って社会進出したわけですから。何か渾身の思いがあったのでしょうか。

阪根 氏:
もちろんです。僕がやりたいのは、本当に世の中にないものをつくり出すことです。イノベーションを起こして、日本で生まれた技術が世界に通用するというのを証明したいんです。要は「こんな物があればいいなというもの」「こんなことができたら絶対売れるはずだというもの」があって、ほかに世界中で誰もやっていないのならば、絶対にそれをやり遂げたら儲かるに決まってるはずですよね。

木村 氏:
シンプルなコンセプトで「こんなものがあればいいな」というのが原点ということですが、特に分野とかは関係ないのですか。

阪根 氏:
分野を絞ってしまうとテーマが選べないですし、テーマがちゃんと選べなかったらイノベーションも絶対起こらないと思っているので、特に「この分野で」というのは考えてません。

"分野を絞る"とか"自分が保有している技術" "得意分野はこれだから"ということを考えてしまうと、テーマなんて絶対見つからないと思うんですよ。とにかく、気にせず、限定せずにテーマをやるようにしています。

木村 氏:
それでは、続いて秋山さんはいかがでしょうか。

秋山 氏:
僕の場合はちょっとベタなんですけれども、結局やっぱりタイミングだなと思っています。2004年の創業時、引越しの一括見積もりを僕1人で始めたんですよ。その時に先行企業でウェブクルーさんがいて、その次にうちがいて、あとからSBIライフリビングさん(現ウェイブダッシュ)、サイバーエージェントさんという順番でリリースされました。

木村 氏:
ベーシックは早いタイミングで市場に参入したのですね。

秋山 氏:
"本当にタイミングって重要なんだ"と思ったのが、僕たちが2社目だったことで(企業が)相手してくれたんです。「もう1社ぐらい良いかな」という話だったと思うのですが、企業の方々もお会いしてくれました。その翌月にSBIライフリビングさんが入ってきて、翌々月にサイバーエージェントさんが参入してきたのですが、僕らのアクションが2ヵ月遅れていたら、もうそこに入り込む余地はなかったはずです。そういう意味でも「タイミング」というのはすごく影響してきますし、当初"引越しの一括見積もりやらない"といっていたアート引越しセンターさんが「情熱に撃ち負けて」という理由でうちのお客様になってくれることもなかったはずですしね。

木村 氏:
大手企業に採択されたのは大きなブレークスルーですね。

秋山 氏:
1社だけ決めてやろうという中で、うちがその当時選ばれたんです。大手引越し会社さんはみんな横並びの考え方を持っていて、サカイさんに聞きに行くと「アートさんやるんですか?」とか、日通さん聞きに行くと「残りの2社はやるんですか?」って聞かれました。

ラッキーなことにアートさんが「じゃあやってみよう」となったことで、僕が口説いていた他2社の担当者の方も驚いてました。それがきっかけで結果的には大手3社が全部並んでスタートすることになったのですが、その翌日からお申込み(見積り依頼)が、従来1日20件ぐらいだったのに対し、一気に1日500件ぐらいに増えたんです。

木村 氏:
いきなり20倍近くにまで伸びたのですね。

秋山 氏:
これこそ大きなブレイクスルーだと今にして思いますね。この経験からも、やはり結局はタイミングが重要なんだというのが僕の中にはあります。

井上 氏:
今の話を聞いてて僕も思い出しました。昔、リクルート時代に営業やっていた時のことです。業界トップの企業を訪問する際、「ここだけの話、採用してくれたら諸々タダでいいですから」という話をすると、"業界のトップリーダーがやるのだから"という理由で他企業が一気に連なって採用してくれるんですよね。

「〇〇社さんが採用するんだったら弊社でも!」というように。この手法は私がよく使ってた営業商法で、多分全ての皆さんの業界に通用すると思うので、やったらいいかなと思います。取れるところからじゃなくて、最も押さえたい、業界トップの企業から獲りにいくっていうのはセオリーですよね。
  

「人は簡単には変えられない」ことを前提に採用する

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木村 氏:
皆さんの会社が大きくなるにあたって、やはり重要となるのが「人」なのではないでしょうか。"どんな人と事業を進めていくか"ということです。皆さんは、どんな人と今まで歩まれてきたのか、採用面等で何かポリシーのようなものがあったりするのでしょうか。

井上 氏:
きっと、今日のこのイベントに参加されている起業家の皆さんにとっても興味深い内容ですよね。今日参加している起業家の皆さんも、組織の仲たがいとか、必ず経験することだと思います。実際、私自身も会社つくって2、3年目ぐらいの時に痛い目を見ました。何となく事業プランが良さそうで「おお一緒にやろう」みたいに志を共にした同志が現れたのですが、実はそれは表面的なことでした。

蓋をあけてみると、価値観が違ったり、一方は理念経営をしようとしてるのに、一方はお金に対する執着が強かったり……と細かい点でズレがありました。ただ、それでも表面的には「俺たちいいパートナーだよな」なんてやってたら、やっぱり数年で崩壊して空中分解してしまいました。

木村 氏:
実際、そのような経験を通じ、人の採用において意識されているのはどのようなポイントでしょうか。

井上 氏:
今採用する時に必ず一番最初に見てるのは、その人のビジョンとか志とか価値観とかですね。つまり、会社でいえばミッション・ビジョン・バリューが本当に同じかどうかっていうところです。ここはものすごくしつこく詰めますね。ここがズレていたら、どんなにトラックレコード(過去の実績や履歴)がすごくても、どんなにSPIの点が良くても、どんなに有名大学出てても採用しないようにしているぐらいです。

木村 氏:
その理由を、もう少し詳しく教えてください。

井上 氏:
それは何故かというと、人の価値観を変えることは至難の業だからです。その後に見るのは(会社の)カルチャーフィットしてるのか、ビジョンフィットしているかですね。その次にポテンシャルがあって伸びしろがあるか否か、という点です。そして最後にスキルを見ます。

木村 氏:
ビジョン、ミッション、バリューが最初で、スキルが最後なんですね。

井上 氏:
普通、どの企業も、特に中途採用とかだと結構スキル採用しがちだと思いますが、「猫の手でも借りたい。今事業乗り始めたけど、ファイナンスできる人がいないから、できる人誰でも来て!」みたいに入れて任せっきりにしてると、そのうちに大変なことになりがちです。だから、そこのビジョンとか価値観とかがズレていない人が1番好ましいですよね。

木村 氏:
価値観が合ってるかどうかを確認する際、質問だったり、何かこれまでの経験だったり、どのあたりをチェックされてますか。

井上 氏:
今まで述べたことが、最も外しちゃいけないところだなっていうのが自分の失敗から学んだことです。起業したての頃は、もう僕自身が居酒屋にその人誘って生ビール飲みながら世界語って「お前どうなんだよ」みたいな話を散々朝までやって、という感じでした。でも、今はさずがにそれはできませんが経験則が付いているので、1時間ぐらいお話をするとわかるようになってきました。会話をしてる中で、ものすごい共感してる人は、実際には物理的には浮いてはいませんが、腰が5センチぐらい椅子から浮いてる感覚なんですよ。

木村 氏:
阪根さんの会社はいかがでしょうか。何かすごい技術力が集まってるじゃないですか。結果的に人を惹きつけるには、どうしたらよいのでしょうか。

阪根 氏:
奇跡的な部類に入るものだと思っているのですが、正直、私たちは世界的に見ても変わったことをやってる部類なので、そういうところに飛びついてくれる救世主たちがこの世にはいると。そういうありがたいお話なんですよ。

井上 氏:
人類史上誰もやってないことが、ここでならできるかも、みたいな。

阪根 氏:
本当にそうなんですよ。特に、日本って優秀な方が非常に多いじゃないですか。例えば、ランドロイドが今一番吸引力が大きいんですけど、家電メーカーでイノベーションをしたいとか、当時のソニーのウォークマンのようなものをつくりたいと思って入った方が、ここ2、30年でほとんどそういう経験ができなくて、もっといい製品を作れみたいな開発しかしてなくて、このままキャリアを終えるのは嫌だと思っていたら「なんじゃこのバカみたいな商品は」ということで、そこに来てくれる方々がいるという。

井上 氏:
素晴らしい。じゃあ皆さんちょっとエッジを立てた方がいいってことですね。

阪根 氏:
そうです。

木村 氏:
秋山さん、人材採用のポイントはいかがでしょう。

秋山 氏:
僕ちょうど今14年目なんですけど、本当に最初の10年はいろいろ苦労しまして、特に一緒に働くっていう意味では問題ないんですけども、事業をやっていくっていうことになると推進力っていうのはすごく重要で、そういう観点ではその人自身が一緒にやる事業に対して理想をどれだけ持ってるかっていうのが推進力にすごく影響してくるんですよ。というのは、簡単じゃないので、諦めようと思ったらすぐ諦められるけど、理想があったらなかなか諦められないから頑張ろうって気になれるんですけど、そこの見極めが難しいです。

木村 氏:
どういうチーム構成が理想なんですかね?

井上 氏:
僕はゴレンジャーを早く作れって言われるんです。要は、アカレンジャーって情熱的なリーダーで、暑苦しくって正義感たっぷりでみんな率いていくみたいな感じで、それに「ちょっとお前先走り過ぎだぞ」みたいに言う沈着冷静なアオレンジャーがいたりとか、平和や緑を愛するミドレンジャーがいたりとか、かわいいモモレンジャーがいたりとか、これみんなケミストリー違うんですよね。でも、ケミストリー違うやつ揃えた方がいいと。

ただし、さっき僕が言ったビジョン・理念って言ってるのは、この5人に共通してるのは「世界の平和を守るため」これ共通だっていうことなんですね。ここは外しちゃいけない。でも、その上に乗っかるケミストリーは、逆にバラバラな方が付加がかかったりするので、チームとしてはいいですよね。アカレンジャーが5人いたら、それはもう会社潰れそうな感じするじゃないですか、いくら資金調達しても。

そういう感じですよね。アオレンジャーばっかりだと、何かいつまでもブレイクしない感じするじゃないですか。そういうことですよね。

秋山 氏:
そこまでは僕は多分いってなかったと思う。自分自身がいいところを見ようとしてるというか、何か無駄に粘っちゃうんですよね。変えられない部分も変えられるんじゃないかみたいな気持ちで無駄に粘って、多くの仲間からアドバイスをもらうんですけど「いや、そんなことない」「あいつはまだいける」とかやって、僕がトラブルをたくさん起こしちゃってたんですよ。

なので、井上さんが言ってたような「世界平和だ」っていうような部分も、時には「世界平和かも」みたいな人も、他にいいとこあるからと言う理由で取っちゃってたんで、そういう意味では、これ僕の本当ミスなんだと。

井上 氏:
すごく興味あるんですけど、そういうある意味、わくわく動物ランド的にいろんな人のいいとこ見つけて採用した結果どうだったんですか?

秋山 氏:
いや、本当にいろんなところで喧嘩が起きましたね。当時よく「動物園だな」なんてみんな揶揄して言ってたんですけど、組織としてやっぱりまとまらないんですよね。一本筋が通っていかないので「それぞれが思ってることをやろうよ」っていう、僕がそれを発信しちゃったので、その人たちの問題というよりも、そこちゃんと分かってなかったですね。

井上 氏:
まあでもね、リーダーシップの正解はないですからね。むしろ、これからの正解を自分でつくると思って自由にやればいいかなと思うんですけれども。お聞きしてて思いましたのが、まだ10年経つ前の時に僕も同じような感じでしたね。

「自分が苦手だけど重要な分野には思い切って投資して良い人材を入れるべき」

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木村 氏:
会場の方からも、ぜひいろいろご質問いただければと思います。

参加者:
うちの会社、今ちょうど正社員が7名ぐらいで、これから資金調達をして人を増やしていこうと思ってるんですけど、皆さんの会社で人事担当者及び財務責任者を何名ぐらいの組織の規模で採用されたのか、なぜそのタイミングだったのかっていうところを教えていただけたらなと思います。

井上 氏:
僕らも7名ぐらいの時に、CFOじゃなくて管理本部長みたいな感じで、会計も人事も総務も兼ねる人をおきました。そのぐらいの人数だと一人何役ですよね。それから、30人、40人ぐらいになった時に今の人事担当役員を採用するまでは、20代の人事全く未経験のやつと二人三脚でやって来たんですよ。

「どうしたら人間って働き甲斐を持つように嬉々として働くのか」っていうのをずっと二人で勉強しながら組織を作ったんです。その結果、従業員のモチベーションが日本一高い会社という評価をいただきました。

技術的に知ってるっていうよりは、本気でそこを目指してるって人を採用して、まっさらなキャンバスで一緒に作って行くほうがいいなと思います。
人事組織の場合には、3年後にどうなるかっていうのを想像しながら逆算して手打っとかないと。組織ってすぐにはできないですからね。

阪根 氏:
当社の場合、ちょっと近しいところとしては、専門家を雇ってくというよりは一緒にやってきた仲間の中でそういうことができる人を育てていったって感じです。資金調達はすごいCFOを雇うのではなくて、自分でした感じなんです。でもグループで300人を超えてそれなりの規模の会社になったときに、それをすごく後悔してるんですよ。
特にCFO。管理本部長のところは、本当に専門家を入れておくべきだったと。

最近とんでもない人材をびっくりするぐらいの金額で引き入れたんです。そしたら、たった一カ月で目まぐるしく全てが回り始めました。僕は遅すぎたと。もっと早くすごい才能に対してちゃんと投資をすべきだったというのを痛く感じているところです。

井上 氏:
それって採用しなければやっぱ駄目ですかね。それとも、外注するっていう考え方もあるじゃないですか。

阪根 氏:
それもありだと思います、特に、技術とビジネスになる販売と技術開発に全力投球したいので。

木村 氏:
ありがとうございます。秋山さん、いかがですか。

秋山 氏:
元々、経理担当を創業の3人目の社員が担ってくれてたっていうのもあり、明確に人事って決めて動いたのが7年目ぐらいで、だいぶ後ですね。うちも財務経理の責任者入れたのが2年半前。本当変わりますよね。ソニーグループにいた方が来てくれてですね、勢いよく来てくれたんですけど「話が違う」と言われました(笑)

あまりにもうちがひどかったのですが、今でもすごくしっかりいろいろ全部整えてくれて。どこに何があるっていうのが分かんない状態が10年目過ぎぐらいまでありました。今では欲しい情報、頼めばすぐに出てくるような状態です。

井上 氏:
そういう人って、やはりすごく報酬が高いじゃないですか。平気で3千万とかとか言うじゃないですか。それをどうしたら五分の一とか六分の一とか安くできるのでしょか。

阪根 氏:
僕が思うにはですね、その管理業務も幅広いんですけれども、確かに人に関するとこは、やっぱり文化・カルチャーっていうようなもので、本当いい人材集まって来ます。そこからさらにチームを作ってスキルアップしようと思ってますけど、それはいいと思うんですけど、でもお金まわりとか内部統制、この辺りは僕なんかはっきりいってどうでもいいと思ってるんですよ。興味ないんです。

井上 氏:
見た感じそんな感じですよね。

阪根 氏:
ちゃんとやらないといけないことも分かってるし、やろうやろうとしてるんですけども、興味ないんですよ。そこに関しては3000万突っ込んででも、スーパーマンを呼んできて任せきったほうが絶対いいです。あくまで自分が苦手な分野ですけど。自分が苦手でしかも大事な分野には、それなりの方を据えて任せて自分が得意なことに集中できるようにという。
  

起業家に対してのメッセージ

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木村 氏:
今日参加の起業家の皆さんに、3名からぜひ一言熱いメッセージをいただければと思います。

井上 氏:
全然熱いメッセージじゃなくて宣伝です。僕らは8年後の2025年までに子会社を100社にします。世界展開100ヵ国に展開していきます。自社だけでは生み出せないので、ライフをフルにするライフルな事業プランを持ってる人はぜひお声を掛けていただければ出資もしますし、業務提携もします。

次世代をつくるベンチャーを応援していきたいと本気で思っています。世界を変えていきたいと思ってるので、ぜひ一緒にやっていきましょう!よろしくお願いします。

阪根 氏:
今日はありがとうございました。まだ僕たちも道半ばなので、皆さんに何かを伝えるというのはおこがましいですけども、ここまでやってきて思ったのは、他社と差別化ができる、要は勝てる要素、戦える武器ですよね、武器があってそれを何とか成し遂げようと全力でやっていけば、ピンチがいっぱいやって来ますけど、必ずやくぐり抜けることができる。

お金もそうですし、人もそうですし、パートナーもそうですし、必ずどこかからやってきてですね、ギリギリをくぐり抜けさしてくれることの連続ですので、起業した方、これからする方っていうのは、ぜひ信じたものに対して本当全力投球すると、それだけだと思います。ありがとうございました。

秋山 氏:
僕もさっき途中で話したんですけど、やはり結局事業やってて1番大事なことって何かなっていうと、理想をどれだけ追及できるか、本当そこに尽きるなと思ってます。その理想ってその人自身が生み出したものなので、代えがたいものだし、自分自身がふと言われたものだったりもするので、軽んじちゃうようなところも時にはあったりするんですけれども。

そこは本当に信じて、信じて、信じ抜いてやっていただければ、絶対に切り開ける。さっきのお話もそうですけども、切り開ける瞬間って必ず来ると思うので、そこをしっかり信じてやっていただけたらいいんじゃないかなと思います。

木村 氏:
本日はありがとうございました!
  

まとめ

PMF(人が欲しがるものを作る)を達成するにはプロダクトと顧客獲得が焦点になります。そこからさらに大きく成長しようとなると、やはり良い人をどれだけ採用できるかが焦点になるという、今回登壇いただいた3人に共通する考えでした。

特に”早くゴレンジャーを作れ”と井上社長が仰っていたのが印象的でした。自分の得意分野、不得意分野を早いタイミングで認識し、それを補完するようなチームを作ることが重要ということです。

私自身も、これまで1000社以上のスタートアップにあって評価をしてきましたが、やはり、長期的にみて伸びているところは、そういうチームが早いタイミングしっかりできているところです。

プロダクトや事業戦略はピボット(方向転換)できるがビジョンと共同創業メンバーは、事業の土台なのでピボットできないと言われています。事業を大きくブレークスルーさせるには、ビジョンを共感する創業メンバーを組成できるかが、キーになるのだと、改めて考えることができました。