メルマガ配信に関する法律の存在は知っているものの、具体的な内容までは把握できていない方もいるのではないでしょうか。

広告宣伝のメールを配信する際は、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)」で定められた事項を遵守する必要があります。

この記事では、法律の内容を改めて確認しながら、メールで広告宣伝を行う際に注意すべきポイントについて、法律事務所ZeLo・外国法共同事業の塚本菜那子弁護士に伺いました。

プロフィール

塚本 菜那子 弁護士
2010年東京大学教養学部卒業、2013年東京大学法科大学院修了。2014年司法試験合格。2015年弁護士登録(現在は第二東京弁護士会所属)、同年弁護士法人名古屋総合法律事務所入所。2018年カシオ計算機株式会社入社。カシオ計算機では法務部において、契約審査、競争法コンプライアンス業務、新規事業立ち上げ等を担当。2021年法律事務所ZeLo参画。主な取扱分野はジェネラル・コーポレート、訴訟・紛争解決、データ保護、ベンチャー・スタートアップ法務など。

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【特集】マーケ担当者が知っておきたい法律知識

マーケティング業務において必要な法律知識を、専門家の視点で解説します

目次

  1. 特定電子メール法とは
  2. オプトイン方式に関する注意点
  3. 特定の事項の表記に関する注意点
  4. 特定電子メール法に違反した場合の罰則
  5. SNSやLINEなどメール以外のツールに適用される法律

特定電子メール法とは

ferret:
特定電子メール法において、メルマガ配信などを行うマーケティング担当者の方が注意すべき点にはどのようなものがあるでしょうか。

塚本弁護士:
大きく分けて、「オプトイン」に関することと、「特定の事項の表記」に関することの2つが挙げられます。

●オプトイン

オプトインとは、事前に相手の承諾を得ることです。広告宣伝のメールは、原則として承諾があった場合にのみ送れる「オプトイン方式」を導入しています。

●特定の事項の表記

また、承諾を得た相手にメールを送る場合に、どういった事項を表示するべきかという表示義務に関する内容も特定電子メール法で定められています。それぞれ、解説していきます。

オプトイン方式に関する注意点

塚本弁護士:
特定電子メール法によると、承諾を得ていない相手に対しては広告宣伝のメールを送ることはできません

オプトイン方式に関する注意点

出典:総務省ほか「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」(2018年7月公開)

メルマガへの申し込み時にオプトインの承諾を得ることが一般的です。また、サービスの申し込み時や商品の購入時にあわせて、メール配信についても承諾を得る方法もあります。

企業によっては、利用規約の中にメール配信を承諾する旨を記載しているケースもあります。

ただし、利用規約は情報量が多く、ユーザーがメール配信についてすぐに理解できない可能性があるため、望ましくはありません。基本的には、ユーザーにとってわかりやすい方法でオプトインの承諾を得たほうが無難です。

名刺に記載されたメールアドレスへの連絡について

ferret:
名刺交換をした企業から、名刺に記載されたメールアドレス宛広告宣伝が送られてくることがありますが、これについては問題ないのでしょうか。

塚本弁護士:
名刺交換をした場合は、相手からビジネスに関する何らかの連絡が来ることは一定の予測可能性があるため、改めて承諾を取らずにメールを配信しても特定電子メール法上は問題ありません

ただし、法


特定電子メール法と特定商取引法の主な違い



広告宣伝メールの送信に当たっては、義務づけられている表示






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