世界でますます広がるシェアオフィス、なぜこれほど人気が集まっているのか?

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WeWork Weihai Lu / スクリーンショット:2017年8月

かつてフランスの経済学者・思想家のジャック・アタリ氏が「21世紀の歴史」で予言したノマドワーキングとは対照的に、コワーキングスペースに集って仕事をしたいと考える人々の数が増えてきています。単に電源やWiFi環境があるだけではなく、人々はそれ以上のものを求めている傾向にあります。

ここでは、人気のシェアオフィスやコワーキングスペースに共通する2017年のコワーキングスペースの4つのトレンドを確認していきましょう。
  

1. グローバルワーキング&ニッチワーキング

近年、WeWorkをはじめとして、世界中で多店舗展開をするグローバルなコワーキングスペースが増えています。こうしたところにメンバーシップを置くと、世界中の系列オフィスで仕事をすることができるので、場所を問わず仕事ができると人気が高まっています。

一方、自分の拠点を持ち、地域の人々とビジネスを拡大していくニッチワーキングも同様に人気です。コワーキングスペースの最大の魅力はコミュニティ性にあり、普段であれば関わりのない職種の人々とコラボレーションできる点にあります。

日本でも、ツクルバが運営するco-ba*(2020年8月6日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)*の会員であれば、全国に17箇所あるco-baオフィスを利用することができるサービスを始めています。
  

2. テナントの増加

フリーランスで働く人の数は、以前と比較すると増加傾向にあります。単純に考えると、そうした人々がシェアオフィスに入居すればするほど、狭くなったり場所がなくなったりするので、新たな場所の需要が生まれます。

日本のWeWorkの展開も早い段階で数カ所にまで広がると言われていますが、テナントの増加により、選べる選択肢が増えていきます。

日本では、日経が月額9,800円で複数個所のシェアオフィスを利用できるOFFICE PASSというサービスを始めました。系列店舗ではなくとも、24箇所のコワーキングスペースを利用することができるので、出張先や外出先でも気軽に立ち寄ることができるようになります。

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WeWork Weihai Lu / スクリーンショット:2017年8月
  

3. コミュニティとサービス

コワーキングスペースは、空間としての利用価値以外の付加価値がないと生き残れない時代になっています。

付加価値の1つはコミュニティです。すでに何度か言及していますが、日頃接点のないフリーランスやビジネスパーソンがシェアオフィスのコミュニティで化学変化を起こすことで、新しいビジネスが生まれることがあります。また、こうした化学変化を積極的に生み出すために、コワーキングスペースの中には定期的に交流会などのイベントを行う方もいます。

もう1つの付加価値は、サービスです。シェアオフィスの中には、ビジネスのコンサルティングを行ったり、ビジネスマッチングを積極的に行うものもあります。
  

4. 様々な職種の入居者

そして、コワーキングスペースをもっとも魅力的にしているのが、*「ひと」*です。もちろん、先ほどご紹介したようなコワーキングスペースは空間的な魅力を大いに出しているのですが、そこに様々な職種の人が集まるからこそ、働くのに多様性が生まれていくのです。