TwitterやFacebook、インスタグラムなど様々なSNSが普及しています。それに伴い、企業のWebマーケティング施策の一環としてSNSアカウント運用を行うWeb担当者も多いはずです。しかし、SNS上でキャンペーンや告知を行ってもなかなか効果が出ないと感じている方もいるのではないでしょうか。

SNSは、ブログやニュースのようにユーザーが情報を得るだけでなく、コミュニケーションを行う場でもあるため、彼らが自然にシェアしたくなる投稿を行うことが重要です。

今回は、近年マーケティングの手法として注目されている「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」について基礎知識と活用事例を解説します。SNSでの効果に伸び悩みを感じているのであれば、1つの解決手段として参考にしてみてください。

UGC(ユーザー生成コンテンツ)とは

UGC」とは、User Generated Contentsの略で、「ユーザー生成コンテンツ」という意味です。UGCは「UCC(User Created Content ) - ユーザー作成コンテンツ」と表記されることもありますが同義です。

ユーザーが制作した文章や写真、イラスト、動画などのコンテンツを指します。個人ブログやSNSへの投稿や、WebサービスやネットショップのレビューなどがUGCに該当します。

近年ではSNSの普及に伴い、企業によるUGCのWebマーケティング活用が盛んに行われています。次に、UGCの分類をご紹介します。

UGCの分類

UGC」は、大きく分けて3つに分類することができます。また、それぞれのUGCがどのように活用されているのかにも触れますので、参考にしてみてください。

1.ネットショップのレビュー

UGCの中で最もイメージしやすいのが、ネットショップに寄せられるレビュー投稿です。商品の購入者が、その商品に対する感想や使い勝手などを投稿する仕組みです。

楽天市場やAmazonなど大手モールも活用しており、「レビューの評価や数」が売上の決め手になるほど重要な要素となっています。

ネットショップのレビューは、多くの場合、文章や写真の投稿だけでなく、「星マーク」など視覚的に商品の良し悪しを判断できる形で掲載するのが一般的です。

2.レビュー投稿型Webサービス(CGM)

そして、「食べログ」や「@cosme(アットコスメ)」のようなレビューの投稿で成立するWebサービスである「CGM(消費者生成メディア)」もUGCを利用したサービスの1つと言えます。

ネットショップのレビュー同様に、該当商品やサービスに対する「口コミ」によって認知を広げる仕組みです。

複数のレビューが集まることで、ユーザーは商品の良い面、悪い面を総合して判断することができるというメリットがあります。

3.ソーシャルメディア

ブログやSNSなどソーシャルメディア全般のユーザー投稿もUGCです。近年、企業が広告クリエイティブやWebマーケティング施策として活用することが増えています。

「ハッシュタグ」や「返信機能(@マークなど)」を用いた投稿キャンペーンを用いて、自社商材にまつわる投稿を集める他、二次利用許諾を得た上で広告クリエイティブとして活用されています。

CGMと比べ、各種SNSのUGC活用は、タイムラインに表示されることからユーザーとの接触が起こりやすいというメリットがあります。今回は、このソーシャルメディアにおける

UGCをマーケティング施策として活用するメリットとリスク

企業がUGCをWebマーケティング施策として活用する上で、どんなメリットがあるのかをご紹介します。また、利用する際に注意すべきリスクについても併せて解説します。実施する前に確認してみましょう。

UGCをマーケティングに活用するメリット

UGCは、ユーザーの自然発生的な投稿を活用するため、企業側が発信するプレスリリースやブログと比べ、必然的に「消費者視点の情報」を提供できるというメリットがあります。また、実際に使用したユーザーの感想であれば、良い評価や悪い評価問わず「信頼性」を醸成する機会になるでしょう。

ユーザー自身も企業から投稿を強制されているわけではないため、自発的に参加を募れるというメリットもあります。そして、投稿したーユーザーのフォロワーのタイムラインにも表示されるため、自社製品を自然な形で認知させることができるでしょう。

UGC活用時に考えられるリスク

UGCは「ユーザーが制作したコンテンツ」であるため、その取り扱いに注意をする必要があります。まず、投稿に関して「企業はどの範囲まで使用できるのか」についてユーザーと許諾を結ぶ必要があります。特に、キャンペーンで募った投稿を広告クリエイティブへ利用する場合、「投稿の二次利用」になるためです。

また、投稿された写真やテキストの中に商標権や著作権、プライバシーなど権利を侵害していないかについても注意を払いましょう。こちらも二次利用と同様に、投稿時にユーザーへ同意を求めるほか、投稿されたコンテンツのチェックも頻繁に行うことが大切です。

UGCの活用事例

Airbnb

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https://www.airbnb.jp/?logo=1

「Airbnb」はシェアリングエコノミーを代表する宿泊サービスです。Airbnbは、リスティング(宿泊施設情報)から利用ユーザーのレビュー、SNS(インスタグラム)に至るまでUGCを活用しています。

シェアリングエコノミーはCtoCビジネスであることから、非常にUGCと相性が良いと言えるでしょう。

クロックス

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https://www.instagram.com/crocsjp/

樹脂製のサンダルで有名な靴メーカー「クロックス」を提供するクロックス・ジャパン合同会社は、Twitter・Facebook・インスタグラムなど各種SNSを活用したハッシュタグ投稿キャンペーンを行っています。

季節のイベントにちなんだ投稿を一般募集したり、インフルエンサーを活用した投稿などを行っています。SNSを用いたUGC活用の事例として参考になるでしょう。

モスバーガー

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https://ssl.mos.jp/mos45th_campaign/#/boards/45-sns-2017-09-11

「モスバーガー」などフランチャイズチェーンを展開する株式会社モスフードサービスは、クロックスと同じく各種SNSを用いたハッシュタグ投稿キャンペーンを実施しています。

「モスバーガー45周年記念」をテーマに、UGCを活用しています。テーマはモスバーガーに関連した写真ということで幅広く、メニューの写真から店内で過ごすユーザーの写真まで様々な写真を募っています

まとめ

UGC(ユーザー生成コンテンツ)」は、ユーザーの投稿を活用するため、一般的な広告クリエイティブや、精巧な写真よりも自然に受け入れられやすいという特徴があります。その為、SNSとの親和性が高くシェアを生みやすいため、SNSマーケティング施策の手段として活用できるでしょう。

一方で、「ユーザー個人の投稿」を利用することから、あらかじめ二次利用に関する許諾を得た上で、投稿された内容が何らかの盗作ではないかといったチェックも必要です。また、広告のクリエイティブとして利用する際はステルスマーケティングにならないように注意しましょう。