【単独インタビュー】「良いプレゼンをするには“良い生き方”をしなければならない」マイクロソフト澤円氏のプレゼン論
「アドリブ」は究極的な「型」を身に着けて初めてできる
ferret:
そうだったんですね。澤さんは、テーマとなる「核」を決めた上で、通常どのようにプレゼンを行うのですか?アドリブの割合が大きいのでしょうか?
澤氏:
アドリブというのは、基本が伴わないとアドリブと言わないと思っているんですよね。たとえば、「私アドリブでやるから大丈夫です」という方がいるとします。しかし、*それは僕からすると「思い上がり」だなと思うんです。アドリブというのは、究極的に「型」を身に着けないとできないものです。*それが、僕の中で明確な線引としてあって、「その場の思いつき」は、よっぽどの天才でないと無理。僕もアドリブはやらないです。
ただ、その場のオーディエンスの反応を見ながら少しずつ内容を変えていくことは行っています。でもこれは、*思いつきではなく膨大なストックがあって成り立っている。*あるいは、オーディエンスの反応をみて「この人たちなら、このプレゼンが良いかも」と、すぐに出せるとか。これは、広い意味ではアドリブと言えるかなと思います。でも、アドリブというのはあくまでも、自分自身の引き出しにストックされたものから出しているので、「スタンダードメニュー」に過ぎないわけです。
きちんとベースラインがあって、軸がぶれない状態で、それが初めて保証されて機能する。あくまでも、オーディエンスの満足度を上げるための「足し算」の部分ですね。決められたことしかやらないと、上振れが無くなってしまうので「更に提案する」イメージです。
それが、どんなテーマの依頼でも受けるというところにつながってきます。マーケッターではないけれど、マーケティングに関する話をしたり。あくまで、「マーケッターではないのですが、僕の考えとして」というエクスキューズは付きますが、聞きたいことがあるから依頼していただけます。なので、自分との関連性がなかったらとりあえず作ればいいやと依頼を受けるんです。そうすると、コンテンツとして成り立ち、それが次のストックになります。
ferret:
ストックといえば、澤さんは「共感を生む例え」が豊富ですよね。
澤氏:
こういったストックは、普段から考えているんです。1つの事象に対して、「これってどうなのかな?」と疑問を持って、調べるんです。インターネットで調べることも多いです。でも、その情報を鵜呑みにしないことが大切です。きっと違う見方があると考えると、また新たに調べるモチベーションになります。
これを、「思考を飛ばす」と言っているんですが、別の視点に飛ばして考えるんです。すると、多面的な物の見方ができる。そして、固定されない考え方になるので、多面性とか言葉の厚みが生まれる。結果的に、誰もが納得できる話ができるのだと思います。
自分の役割や強みは「人に決めてもらう」のではない
ferret:
澤さんは、プレゼンを行う上で「自分の役割」や「強み」を持つことも大切だとおっしゃっていますが、自分の役割はどのようにして見つけたら良いと思いますか?
澤氏:
そこに関して、日頃から僕は「自分の頭で考えましょう」と言っています。いまの質問がまさに近いことで、役割や強みはマーケットが決めるんじゃないんです。結果的にマーケットに認められることになるのですが、まずは自分で決める。「自分は何を語りたいのか」「どうなりたいのか」という自発的なものです。
こういったものがないと、「やらされている状態」になります。自分の人生を生きていない状態です。まずは、「自分の人生を生きる」という考え方からスタートし、それだけだと独りよがりになってしまうので、そこで初めてマーケットを見る。何を語りたいのか、どういったことで成功を実感できるのかを考えて、その上でマーケットに対して適用できるのかを考えてマッチングを掛ける。
ニーズがあるかどうか。また、マーケットが広くなくとも自分が喜ばせたい人に必ず響くと思ったら、そこから磨いていけば良いんです。すると、非常に強力な持続可能なモチベーションが生まれるので、続けることで右肩上がりにできるという考え方です。
もちろん、人から言われたことがキッカケになることもなくなないです。でも、やってみようと考えた時点で、それは「自分ごと」なので、モチベーションは自分の中にある。
ferret:
誰かにとっての「自分ごと」を目指す前に、自分自身が「自分ごと」にするということですね。
澤氏:
そうです。完全に自分ごとにならないとやりたくないじゃないですか。仕事でもやらされている内は楽しくないし。やりたいことだけやったら、世の中うまく回らないと思いますが、やりたいことをやるために「必要なこと」をやる。
日本のビジネスシーンでプレゼンが上手くいかないのって、解雇が非常に少ない国だからだと思うんです。一方で、外資にいると限られた時間で結果を出さなければ居場所がなくなるので、早い段階で人を巻きこんでマネージメントしなきゃというモチベーションが高い。人を巻き込むためには、プレゼンというのが非常に重要な位置づけになっていて、時間と空間を共有して何かを決めなければならない。あるいは、自分より偉い人に何かを決めさせないといけない。
日本の大企業はなんとなく決まっていくし、派手にプレゼンをすると目立っていちゃもんをつけられることもあります。肩書があれば守りに入ってしまう。結局は、自分の人生をいかに生きるのかということが大切なのですが、その1つの手段がプレゼンなんです。自分が考えることや、価値のあるものを伝えることです。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
おすすめ記事
おすすめエントリー
同じカテゴリから記事を探す
カテゴリから記事をさがす
●Webマーケティング手法
- SEO(検索エンジン最適化)
- Web広告・広告効果測定
- SNSマーケティング
- 動画マーケティング
- メールマーケティング
- コンテンツマーケティング
- BtoBマーケティング
- リサーチ・市場調査
- 広報・PR
- アフィリエイト広告・ASP
●ステップ
●ツール・素材
- CMS・サイト制作
- フォーム作成
- LP制作・LPO
- ABテスト・EFO・CRO
- Web接客・チャットボット
- 動画・映像制作
- アクセス解析
- マーケティングオートメーション(MA)
- メールマーケティング
- データ分析・BI
- CRM(顧客管理)
- SFA(商談管理)
- Web会議
- 営業支援
- EC・通販・ネットショップ
- 口コミ分析・ソーシャルリスニング
- フォント
- 素材サイト
●目的・施策
- Google広告
- Facebook広告
- Twitter広告
- Instagram広告
- LINE運用
- LINE広告
- YouTube運用
- YouTube広告
- TikTok広告
- テレビCM
- サイト制作・サイトリニューアル
- LP制作・LPO
- UI
- UX
- オウンドメディア運営
- 記事制作・ライティング
- コピーライティング
- ホワイトペーパー制作
- デザイン
- セミナー・展示会
- 動画・映像制作
- データ分析・BI
- EC・通販・ネットショップ
- 口コミ分析・ソーシャルリスニング