フォロワーが増えない理由は「面白くないから」 政治家のSNS利用はどうあるべき?

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ferret:
政治家のSNS利用について、今後こうなったらいいという理想はありますか。

熊谷氏:

私は、自分の政治理念としてやらなければいけないからやっているわけであって、このような思いを持っていない人はSNSをやらなくていいと思います。リスクでしかないから。
メリットがあるかと言ったら、政治家としては、そこまでメリットはありません。
私は行政や市民からくる情報をつなぐハブにならなくてはいけないという思いでやってるから、必要というだけです。

ferret:
政治家の広報活動としての意味ではないということですね。

熊谷氏:
それだとこんなにフォロワー増えないですよ。
政治家のフォロワーがなぜ増えないのかというと、面白くないから、価値がないからです。
人がなぜ話を聞いてくれるのかというと、それは自分の話を聞いてくれるから、あるいは話に答えてくれるからなんです。一方的な発信でも聞いてもらえるのは、トランプさんや橋下徹さんのような芸能人的な要素も持つ人だけです。

芸能人からの情報は知りたいと思うかもしれないけども、普通の政治や行政の情報のようなエンターテイメント性がないものを知りたいとは思わない。だから、逆に政治がエンターテイメント化してしまっているのかもしれません。

それに対して私の価値はエンターテイメント的な面白さではなく、「フォローしておくと、千葉市をめぐるあらゆる情報と、それに対する反応も含めた言論渦が見える」というものです。自分が双方向のコミュニケーションをぐるぐる回しているのが興味深くて面白いからフォロワーが増えてるんだと思ってます。
私自身はフォロワーを増やそうとは意識していないし、発信の範囲を広げたいわけじゃない。

ferret:
熊谷氏のようなTwitterの使い方をされている方はとても珍しいと思うんですが、自分と似たような使い方をしているアカウントや、今注目しているアカウントはありますか?

熊谷氏:
*ないです。特に何も参考にしてないので。*よく「政治家で誰を参考にしていますか?」と聞かれるんですが、考えたこともないのでわからないです。

ferret:
タイムラインもご覧にならないんでしょうか。

熊谷氏:
全く見ないですね。ただ、千葉市政や自分に関することの情報の渦は見るようにしています。花火大会が終わった後に「幕張 花火」で検索してみたり、自分のツイートをリツイートしている人を追ってどんな人なのか調べたりというのはしています。
だから、言論空間のテリトリー図はわかっています。

例えば、反響が大きいからってそれがいいこととは限らないんです。リツイートが多いように見えても、閉じた空間で盛り上がっているだけでは、あまりいいこととは言えません。
ただ、ごく普通の市民の方がどういう反応をしているのかはかなり見ています。

SNSが社会のマッチングを実現するツールになる?

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ferret:
今後の市政でSNSが果たして行くだろう役割をお聞かせください。

熊谷氏:
市民の皆さんが自分の町のあらゆる情報を手に取ることができて、かつそこでコンタクトができて、情報が取れてコミュニケーションが取れるという社会のマッチングを実現するツールとしてのSNSはありえるかと。

例えば、町を歩いていた時に「ここの道路ってなんでこうなんだろう」と思って、スマートフォンをかざすと道路ができた年や目的、現状の課題が表示される。さらに、議会での議論の様子や、地域の人からの意見、現在のステータスっていうのがわかるというシステムです。

その全ての情報を見た中で、自分はこう思うと投稿すると、地域の人がまた意見を出します。その中で、今度議会で行われる意見聴取の案内が表示されると、それなら自分も参加しようとなるでしょう。
もしくはネット上で対話会があるから参加してみませんか?と表示されるのもいいですね。
そういう理想の町を実現するためには、SNSはツールとして1つありえますよね。

ferret:
もしTwitterやFacebookで実現するとしたら、どういう形になると思いますか?

熊谷氏:
まだ今の機能では、できないです。SNSの進化に伴って、より情報のマッチングができるようなツールが出てくれば実現するかもしれません。
私みたいなSNSの使い方を、議員の方がさらに小さいエリアの中でやられるのが一番早い方法です。でも、基本的には自分のPRかマーケティング手段であって、こう言う形でSNSを使ってる人は、かなり少ないです。多分、言論プラットフォームと思うか、マーケティング手段と思うかで全く違うんじゃないかと。

ferret:
SNSを通じて、今後どのような政治を実現したいと思っていますか。

熊谷氏:
*理想は、市民全員と千葉市に関わる全ての人の話を聞きたい。全部もらった上で意思決定したい。全ての意思をもらいたいわけです。その上で全ての意思決定なり、コミュニケーションをしたい。この意思は多ければ多いほどいいと思っています。
ただ注意してほしいことは、
Twitterはご意見頂戴ツールではない”*ということです。
もちろん必要なものは反応しますが、基本的には目安箱ではないと思ってます。
あくまで市民の皆さんの考えを把握するためのプラットフォームです。