企業でSNS運用を担当している方にとって、他社の事例からは積極的に学んでいきたいところです。
ですが、メディアで取り上げられる活用事例は独自の商品を持ったメーカーやサービス業が多く、商社や問屋のような卸売業や小売業の事例はあまり見かけません。

*商品をメーカーから仕入れ、小売店に販売する卸売業は基本的に自社独自の商品を持ちません。*他社の製品を紹介するだけでは個性も出しづらく、オウンドメディアの運営やSNSで発信する内容に悩んでいる担当者の方も多いでしょう。

今回は、商社・問屋・小売に絞ってSNSの活用事例を紹介します。
独自の商品がなくても、切り口によってはSNSを通じて自社の魅力を伝えられます。しらす問屋から化粧品の商社まで取り上げるので、現在の運用方法に悩んでいる方は参考にしてみてください。

卸売業・小売業のSNS活用事例

1.株式会社井田両国堂

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https://www.facebook.com/C.BEAUTE.official

化粧品の卸売及び輸入代理店事業を展開している株式会社井田両国堂では、自社で仕入れた商品を販売するネットショップ「チョモットボーテ(Chomotto Beaute)」を運営しています。

「チョモットボーテ(Chomotto Beaute)」では、Facebookページで商品の情報や活用情報を発信しており、49,781人ものユーザーにフォローされています。
担当者が実際に使用した商品を取り上げており、季節で感じる悩みなどユーザーと近い視点での投稿が特徴でしょう。

上記の投稿では他社の製品を取り扱いながらも、担当者自身の感情や使用方法が取り上げられています。

また、Facebookの運営はネットショップの売り上げにも貢献しています。
例えば、クリスマスに合わせてギフト商品を積極的に紹介した際には、通常であれば月3〜4件のコンバージョンが、Facebook経由だけで98件以上となりました。

参考:
【企業担当者に聞くSMM最前線】株式会社井田両国堂 安部 明日夏氏~ライフスタイル提案型Facebookページで製品理解を商機に(1/2)| SMMLab
株式会社 井田両国堂|IDA Ryogokudo Co., Ltd.

2.有限会社大〆商店

元京都中央卸売市場113号大〆__red2red2red2_さん___Twitter.png
https://twitter.com/red2red2red2

「有限会社大〆商店」は京都中央卸売市場の仲卸を行っている従業員10名規模の企業です。
大〆商店では2010年7月からTwitterを運用しており、2017年9月現在50万人を超えるユーザーにフォローされています。

仕入れた魚や市場での生活で取り上げており、投稿文もユニークです。更新頻度も高く、ほぼ毎日投稿しているのもポイントでしょう。
また、以下のツイートのようにユーザーに問いかける内容を投稿をしているのも特徴的です。このツイートには20以上のコメントがついており、ユーザーとのコミュニケーションに繋がっています。

参考:
B to B企業のためのTwitter活用法【実例あり】 | 顧客管理・育成ツールの最新情報や基礎知識 | 知る・学ぶ | Marketing Bank

3.有限会社 とびっちょ

しらす問屋 とびっちょ__tobiccho_さん___Twitter.png
https://twitter.com/tobiccho

生しらすの仕入れ・加工・販売を行っている「有限会社 とびっちょ」では、2010年3月よりTwitterを運営しており、2017年9月現在7,000人を超えるユーザーにフォローされています。

自社が運営するアンテナショップに仕入れたしらすの情報を写真付きで毎日ツイートしており、ショップ内で販売しているメニューについても紹介しています。
しらすは鮮度が落ちやすい魚です。そのため、仕入れた内容をすぐにユーザーに伝えることができるTwitterは相性のいいツールでしょう。

参考:
会社案内 | しらす問屋 とびっちょ 新鮮な海の幸とワンランク上の美味しいしらすを使ったお料理が楽しめるしらす料理専門店

4.Circles

circlesさん__circles_jp__•_Instagram写真と動画.png
https://www.instagram.com/circles_jp/

「Circles」は愛知県名古屋市に所在する自転車専門ショップです。
Facebook・インスタグラム・Twitterのほか公式ホームページではブログも運営しています。

中でも2017年9月現在、インスタグラムでは9,031人、Facebookでは3,842人のユーザーにフォローされています。
インスタグラムではアルバイトも含め全社員が投稿できるようになっており、入荷した商品の情報だけでなく、気になった商品や店舗運営の裏側など個性を反映した内容が特徴です。

また、2015に愛知県豊田市で行われた食とサイクリングを楽しむためのイベント「グルメセンチュリーライド足助2015」ではインスタグラムで「#gcrasuke」とハッシュタグをつけて投稿するよう促すキャンペーンも実施しました。
結果として1,800を超える写真が投稿され、インスタグラム上での話題作りに成功しました。

まとめ

問屋や商社では独自の商品が用意できないため、他社との差別化がはかりにくいという問題があります。
ですが、「なぜその商品を仕入れたのか」「この商品の優れている部分は何か」といった仕入れの際に感じた従業員の思いや目線を伝えることで他社のアカウントとは異なる魅力を出せるでしょう。
また、小売までを取り扱っている場合は、店舗で行うキャンペーンやセールの様子を伝えたり、店を訪れた顧客とのやり取りを投稿する方法もあります。

SNSでは投稿を通してユーザーと気軽にコメントをやり取りできるのもポイントです。
商品そのものの機能をを紹介するだけでなく、ユーザーとコミュニケーションをとって企業の魅力を伝えられるようになりましょう。