ホームページを運営する際、SEO対策という側面からサブドメインの利用を検討することがありますが、「効果があるって何となく聞いたことがある」というの程度の理解で、実はあまり具体的な部分までわかっていないという方も多いのではないでしょうか。

また、似た用語も多く「独自ドメイン」「サブディレクトリ」と混同してしまう方も少なくないはずです。

そこで今回は "サブドメインとはどのようなものなのか" といった基礎知識から、サブドメインを使う上で知っておくべきメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

目次

  1. サブドメインとは?
  2. サブディレクトリの違い
  3. サブドメインとサブディレクトリの使いわけ
  4. サブドメインのメリット・デメリット
  5. サブドメインのメリットを生かして導入

1. サブドメインとは?

サブドメインとは、サブドメインは「独自ドメイン」を分割するために任意で設定するドメイン名のことを言います。そもそもドメイン(domain)とは、インターネット上でコンピューターやネットワークを特定することを目的に使用する文字列のことで、簡単にいえば”インターネット上の住所”のようなものです。ドメインにはいくつかの種類があり「.(ピリオド)」以降に位置する「org」「jp」「com」といった文字列のことをトップレベルドメイン(TLD)といいます。

ホームページを公開する際のURLももちろんドメインですが、オプションでドメインを設置できることがあります。

まず「独自ドメイン」とは、独自で名前を設定し利用できるドメインのことです。次にサブドメインは先ほども触れたように「独自ドメイン」を分割するために任意で設定するドメイン名です。

「○○○.com」を本体とした時に、「□□□.○○○.com」のように独自ドメインの先頭に文字列を挿入してドメインを区分けするというもので、1つのドメインを用途別に分割したい時に使用します。

サブドメインの例として、身近なところでは「Yahoo!」などがあります。

・Yahoo!JAPAN : https://www.yahoo.co.jp/
・Yahoo!ショッピング : https://shopping.yahoo.co.jp/
・Yahoo!プレミアム : https://premium.yahoo.co.jp/
・ヤフオク : https://auctions.yahoo.co.jp/
・Yahoo!ニュース : https://news.yahoo.co.jp/

上記のように、Yahoo!ではサブドメインを利用して複数サービスを展開しています。

参考:
ドメインとは?をわかりやすく解説します | カゴヤのサーバー研究室
  

2. サブディレクトリの違い

サブドメインに似た言葉で「サブディレクトリ」というものがありますが、サブドメインとは全く異なるものです。

サブディレクトリはサブドメインと同じく、独自ドメインを分割して使用するためのものです。しかし、サブドメインではサーバーを別にするなど、独立したホームページを作るのに対し、サブディレクトリはメインサイトの下層ページのような扱いとなり独立したページではありません。

サブディレクトリは、独自ドメインを「/(スラッシュ)」で区切り、文字列を表記します。例えば、「◯◯◯.com」独自ドメインの場合、「◯◯◯.com/abc/」がサブディレクトリです。

前述のとおり、サブディレクトリは”ホームページの下層ページのような扱い”ですので、評価はメインサイトに依存します。サブディレクトリのクオリティ次第で、メインサイトの評価を上げることも、下げることもできるということです。

参考:
サブドメインとサブディレクトリの意味・違いとSEOメリット|SEOラボ
  

3. サブドメインとサブディレクトリの使いわけ

では、サブドメインとサブディレクトリの使いわけはどのようにしたらいいでしょうか。

基本としては「メインサイトに対して、テーマが異なる場合はサブドメイン」「メインサイトに対して、同じテーマのコンテンツならばサブディレクトリ」を利用します。

例えば、先程サブドメインの例として取り上げたYahoo!の場合、同じYahoo!のサービスであっても「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!プレミアム」「ヤフオク」では取り扱う内容が異なります。そのため、サブドメインとして各サービスを独立させて展開しています。

一方、サブディレクトリの例としては価格比較サイトの「価格.com」を挙げることができます。パソコン・家電・自動車・ファッション・本……と多彩なジャンルの商品を扱う価格.comでは、下記のような形でカテゴリわけしています。

・パソコン : http://kakaku.com/pc/
・家電 : http://kakaku.com/kaden/
・カメラ : http://kakaku.com/camera/
・自動車・バイク : http://kakaku.com/kuruma/
・ファッション : http://kakaku.com/fashion/
・本・CD・DVD : http://kakaku.com/book_cd_dvd/

一見全く異なるテーマのものを取り扱っているようですが、全て同じ「価格比較」という内容で扱っている商品カテゴリですので、サブディレクトリで展開するのが自然です。
  

4. サブドメインのメリット・デメリット

先述までの内容で、"サブドメインとはどういうものか" が理解できましたでしょうか。

ここからは、サブドメインに "どういったメリット・デメリット" があるかをご紹介します。

4-1.サブドメインのメリット

通常、ホームページを運営する数が増えると、その分ドメイン取得のコストや管理の手間がかかります。しかし、サブドメイン1つの独自ドメインを目的別に分割して使うことができるため、コストを抑えることができるというメリットがあります。

コスト面から考えると、独自ドメインよりもサブドメイン、サブディレクトリが手軽です。テーマが異なるホームページの場合や各ホームページをブランディングしたい場合などには独自ドメインを検討する必要がありますが、そうでない場合にはサブドメイン、サブディレクトリの導入を検討するといいでしょう。また、独自ドメインの評価をそのまま引き継げるため、メインサイトの評価を初めから受けることができるのもポイントです。

4-2.サブドメインのデメリット

メインサイトの評価が悪ければサブドメインのほうもその影響を受ける恐れがあります。また、検索エンジンがサブドメインを評価する際に各サブドメインをバラバラに評価するため、評価が分散してしまい、検索エンジン上での順位が上がりづらいとも言われています。

また、サブドメインに分けられている1つのWebサイトがペナルティを受けた場合、別のサブドメインSEOペナルティの影響が及ぶことがあります。

SSL証明書の費用がかかるのもデメリットです。近年当たり前になったSSL証明書ですが、サブドメインの場合はドメインによる費用が発生しません。しかし、ドメインよりも高額なSSL証明書の費用はサブドメイン単位で発生します。アメリカのプロバイダであるGeoTrust(ジオトラスト)などは全てのサブドメインをカバーするワイルドカードというSSL証明書を提供してはいるのですが、かなり高価です(2020年9月現在約14万円/年)。

メリットだけではありませんので、デメリットも含めて導入するべきか検討する必要があります。

参考:サブドメインとは|ドメインの基礎知識|名づけてねっと
参考:別ドメイン・サブドメイン・サブディレクトリのメリットとデメリット
  

サブドメインのメリットを生かして導入

以上となります。皆さん、いかがだったでしょうか。サブドメインの基礎知識とメリット・デメリットについて、ご理解いただけましたでしょうか。

似た用語が多いイメージもありますが、サブドメインとは何か、独自ドメインやサブディレクトリとの違い、メリットについておわかりいただけたことと存じます。

ホームページを作成する際には「独自ドメイン」「サブドメイン」「サブディレクトリ」と3つの選択肢があります。分野、内容が全く違うホームページの場合には独自ドメインを使うのが自然ですが、コスト面を考えればサブディレクトリ、サブドメインがお手頃です。

サブディレクトリ、サブドメインを検討する場合、メインホームページとは分野・テーマが違うのであればサブドメイン、メインホームページのテーマ内のコンテンツならばサブディレクトリを導入するのが自然でしょう。しかし、ドメインをどうするかはホームページの展開、運用をどうするかで最適な方法は異なります。

どのようなホームページにするのか、どんなテーマにするのか、コンテンツのボリュームはどのくらいあるのか……など、様々な点を考慮した上でホームページにぴったりのドメインを選択しましょう。

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