ホームページの運営者であれば、できるだけ多くのユーザーにホームページを訪れ、コンテンツを閲覧してもらいたいものです。

せっかく良いコンテンツを用意しても、しっかりとインデックスできていなければ検索結果に表示されず、ユーザーがホームページを見付けることが困難になります。

そんな問題を解決するためにもサイトマップは重要です。HTMLサイトマップ、XMLサイトマップは、いずれもホームページの目次という役割を担います。特に、SEO面を考えると設置しておきたいのがXMLサイトマップです。

今回は、サイトマップの基礎知識と役割について詳しく紹介します。

ホームページを担当する方であれば誰でも聞いたことがあるサイトマップという言葉ですが、「どのような役割を持っているの?」「HTMLサイトマップ、XMLサイトマップの違いとは?」という方も少なくないはずです。サイトマップについて知りたい方は、本記事を参考にしてみてください。
  

サイトマップとは?役割と、得られる効果

サイトマップとは?役割と、得られる効果.jpg
※画像引用元:pixabay.com

サイトマップには、HTMLサイトマップ、XMLサイトマップの2種類があります。どちらも”ホームページの構成を示した目次”の役目を果たしますが、それぞれ役割が異なります。

・ HTMLサイトマップ:ユーザー用
・ XMLサイトマップ:検索エンジン用

それでは、2種類のサイトマップの役割を詳しく説明します。
  

HTMLサイトマップ

HTMLサイトマップは、ユーザビリティ向上を目的として設置するものです。ホームページを訪れたユーザーが探しているコンテンツを見付けやすいように、コンテンツをリスト形式などで整理して表示します。

一般的には、カテゴリごとにリストわけして一覧表示し、各項目をクリックするとページリンクできるようになっています。そのため、ホームページで目的のページを探すことができなかったユーザーは、HTMLサイトマップの一覧からリンクをクリックすることでページへ移動することが可能です。

HTMLサイトマップがあることにより、ホームページの利便性を高めることができます。
  

XMLサイトマップ

XMLサイトマップは、検索エンジンGoogle、Yahoo!)に向けて設置するサイトマップです。ホームページ上のコンテンツに関する詳細情報を検索エンジンに知らせ、検索エンジンがホームページ内をクロールするのを助け・インデックスを早めます。

ホームページ検索エンジンに掲載してもらうには、クローラー(巡回ロボット)に各ページを巡回してもらい、インデックスしてもらわなければいけません。この時、リンクを辿って各ページを巡回しますが、新しくできたばかりで外部からのリンクがあまりないホームページや階層が複雑なホームページ、規模が大きく巡回が困難なホームページの場合クロールするのに時間がかかることがあります。

しかし、XMLサイトマップを提供することにより、素早く効率的にクロールしてもらい、検索結果への表示も早めることができます。
  

サイトマップの作成方法

サイトマップの作成方法.jpg
※画像引用元:pixabay.com
  

1. サイトマップ作成のメリットを理解しよう

ここからは、サイトマップの作成方法についてご紹介します。HTMLサイトマップの作り方は知っている方も多いでしょうが、XMLサイトマップの作成方法はご存じない方も多いのではないでしょうか。

XMLサイトマップは、プラグインで簡単に生成することもできるため、必ずしも自分で作らないといけないわけではありません。しかし、コンテンツに適したXMLサイトマップを自作することで、より効果的なサイトマップを作ることが可能です。

XMLサイトマップを自作するメリットとして、プラグインには備わってない機能を実装できる点があります。

例えば、常に最新の記事を更新していくニュースサイトや画像・動画コンテンツをメインでアップする場合、最新情報の表示速度や画像検索・動画検索結果への表示にこだわりたいものです。上記のようなホームページの場合、XMLサイトマップを自分で作成するのは有効な手段ですので、作成方法を知っておくことをオススメします。また、上記に該当しないホームページを運用する場合でも、XMLサイトマップの基本構造や仕組みなどは知っておいて損はありません。
  

2. サイトマップの基本構造

XMLサイトマップを作成する前に、まずは基本的な構造を理解しましょう。

XMLサイトマップは、*ホームページに含まれるページ情報を記述した「子ファイル」と、子ファイルの情報をまとめて記述した「親ファイル」*でできています。XMLサイトマップで設定するファイルは様々ですが、具体的には以下のようなものがあります。

親ファイル

sitemap.xml:
検索エンジンが効率よくクロールできるよう設置するものです。ホームページ内のクロールして欲しいページをまとめており、検索エンジンに詳細な情報を伝えるために提供します。

子ファイル

category.xml:
ホームページ内のカテゴリーを伝えるファイルです。

misc.xml:
トップページHTMLサイトマップURLを記述したファイルです。

2017-09.xml:
新たに追加したURLを伝えるためのファイルです。
※以下の3つ(ニュース、動画、画像)については後ほど詳しく解説します

news.xml:
Googleニュースに向けて送信するファイルです。

movie.xml:
動画コンテンツの情報を検索エンジンに提供するファイルです。

image.xml:
画像コンテンツの情報を検索エンジンに提供するファイルです。

※各ファイル名はわかりやすいよう置きかえたものです。また、FTPなどでファイルを見ることはできません
  

3. サイトマップを構成するファイルについて

サイトマップを構成するファイルについて、より詳しく解説します。

親ファイルの構成

親ファイルには、子ファイルの情報を記述します。使用する各種タグは以下のとおりです。

sitemapindex(必須)
ファイルに含まれる全てのサイトマップ関連情報を囲むタグです。

sitemap(必須):
個々のサイトマップのファイル情報を囲むタグです。

loc(必須):
ページURLを記述します。

lastmod(任意)
ファイルの最終更新日を表し、W3C Datetime形式で記述します。時刻の部分を省略することも可能です。

子ファイルの構成

子ファイルには、各ページの場所を記述します。使用する各種タグは以下のとおりです。

urlset(必須):
ほかのタグを囲んで、現在のプロトコル標準を参照するタグです。

url(必須):
URLエントリの親タグのことです。

loc(必須):
ページURLを記述します。

changefreq(任意):
ページの予想更新頻度を記述し、always、hourly、daily、weekly、monthly、yearly、neverという値が使用できます。しかし、記述した場合でも異なる頻度でクロールすることがあります。

priority(任意):
ほかのページと比較した際の優先順位を示します。設定しない場合の優先順位は0.5で、0.0 〜 1.0までの値で重要度の設定が可能です。
  

サイトマップを作成する

サイトマップを作成する.png
※画像引用元:pixabay.com

XMLサイトマップの作成手順を、簡単に紹介します。

初めに、子ファイルに各ページの情報を記述しアップロードし、次に親ファイル(sitemap.xml)を準備します。先にご紹介したとおり、sitemap.xmlは子ファイルの情報をまとめて記述したものですので、子ファイルの情報を記述します。完了したらアップロードします。

なお、XMLサイトマップWordPressGoogle XML Sitemaps」のようなプラグイン、ツールを使うことで自動作成することも可能です。必要に応じて活用してみましょう。

参考:GoogleXMLSitemaps
Google XML Sitemapsプラグイン(XMLサイトマップの自動更新) - WordPressプラグインの一覧
サイトマップを作成、送信する - Search Console ヘルプ
  

サイトマップを作成する(拡張機能)

サイトマップを作成する(拡張機能).jpg
※画像引用元:pixabay.com

続いて、XMLサイトマップの拡張機能についてご紹介します。

拡張機能には、ニュースサイトマップ・動画サイトマップ・画像サイトマップ・モバイルサイトマップの4つがあります 。動画や画像、ニュースコンテンツを扱うホームページにこれらの拡張機能を実装すれば、インデックスを促し、動画・画像検索に表示できる確率が上がるというメリットがあります。

逆にいえば、動画や画像、ニュースを取り扱わないホームページの場合、実装する必要性は高くありません。コンテンツの内容によっては通常のプラグインで実装する方法よりも効果的ですので、ぜひ実践してみてください。

ここからは、特に重要度の高い3つの拡張機能の詳しい説明と設置方法をご紹介します。

1. ニュースサイトマップ

ニュースコンテンツ向けのサイトマップです。

*ニュースサイトマップを送信することで、Googleニュースに検出されやすくなります。*必ずGoogleニュースに掲載してもらえるわけではありませんが、コンテンツによってはニュースサイトマップを導入した方が良いでしょう。

ニュースサイトマップ作成で使用するタグは以下のとおりです。

使用タグ

publication(必須):
記事が掲載されているパブリケーションを記述します。

genres(必須):
コンテンツ内容の特徴を示すプロパティを指定します。

publication_date(必須):
記事を公開した日付を指定します。

title(必須):
ニュース記事のタイトルを記述します。

ニュースサイトマップ作成の詳細は 「Googleニュースサイトマップ」でガイドラインを確認しましょう。

参考:
Googleニュースサイトマップ
  

2. 動画サイトマップ

動画サイトマップの導入について、Google公式は以下のように語っています。

動画コンテンツが見つかりやすくなれば、サイトが Google 動画検索の結果に表示される可能性も高くなります。

動画情報を含むサイトマップGoogle に送信されると、サイトマップで指定された動画の URLGoogle 動画検索の対象となります。検索結果には、動画コンテンツサムネイル画像(サイトマップで指定した画像か Google で自動生成した画像)とサイトマップに含まれる情報(タイトルなど)が表示されます。

引用元:動画サイトマップ - Search Console ヘルプ

つまり動画サイトマップを活用し、サムネイル画像やタイトル情報を伝えることで検索結果に表示することができます。結果的に、動画を検索した際の表示回数が増えクリックしてもらえる可能性が高くなります。動画コンテンツをメインに扱うサービスであれば、動画サイトマップの作成を検討すると良いでしょう。

先にご紹介したニュースサイトマップでは新たにファイルを作成する必要がありましたが、動画サイトマップ・画像サイトマップではその必要はありません。代わりに既存ファイル内のURLリストに、タグを使用して動画に関する情報を付け加える必要があります。

使用タグ

loc(必須):
動画のリンクページを指定します。

video:video(必須):
動画に関する全ての情報を含めます。

video:thumbnail_loc (必須):
動画のサムネイル画像のURLを指定します。

video:title (必須):
動画のタイトルを指定します。

video:description(必須):
動画の説明を記述します。

video:content_loc(場合による):
メディアファイルを示すURLです。

vodeo:player_loc(場合による):
特定の動画のプレーヤーを示すURLです。

video:duration(推奨)
動画の再生時間を指定します。

参考:
動画サイトマップ - Search Console ヘルプ
Video sitemaps | Webmasters | Google Developers
  

3. 画像サイトマップ

動画コンテンツ向け同様、画像コンテンツ向けにもサイトマップがあります。

画像サイトマップを使ってタイトルなど画像に関する追加情報を提供することにより 、検出しにくい画像も検出できるようになり、適切なインデックスと画像からの流入増加が見込めます。画像コンテンツを重視しているホームページであれば導入しておきたいサイトマップといえるでしょう。

なお、動画サイトマップ同様、画像サイトマップも新しいファイルを用意する必要はなく、子ファイルに画像コンテンツの情報を追加するだけで作成することができます。

画像サイトマップ作成で使用するタグは以下のとおりです。

使用タグ

image:image(必須):
各画像に関するすべての情報を示します。

image:loc(必須):
画像のURLを記述します。

image:caption(任意):
画像のキャプションを記述します。

image:tilte(任意):
画像のタイトルを記述します。

画像サイトマップで使用可能なタグは上記以外にもありますので、実際にサイトマップを実装する際には下記URLを参照してみてください 。

参考:画像サイトマップ - Search Console ヘルプ
  

サイトマップの理解を深めてより適切にインデックスしてもらう

以上、今回はサイトマップの基礎知識と役割についてご紹介しました。「いまいちサイトマップとは何なのかわからなかった」という方も、本記事をご覧いただいたことで理解が深まったのではないでしょうか。

2種類あるサイトマップの中でも特にXMLサイトマップは、SEO対策に欠かせない存在です。XMLサイトマップ検索エンジンに提供すれば、スピーディーなクロールを促し、コンテンツを早くインデックスしてもらえるようになります。

中でも、動画や画像を扱うホームページ、ニュースサイトの場合、拡張機能を活用することでより適切にインデックスしてもらうことが可能です。今現在XMLサイトマップを導入していないという場合には、この機会にぜひサイトマップの送信を検討してみてはいかがでしょうか。
  

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