日本の情報はインターネットで収集する層がほとんど

訪日前の旅行情報源.png
訪日中の旅行情報源.png

引用:
JNTO訪日旅行データハンドブック2016(世界20市場)|日本政府観光局

上図は、訪日外国人が旅行前と旅行中、それぞれで役に立ったと感じた情報源です。インターネットが情報源のものを、赤枠で囲んでいます。旅行前はインターネットを主に利用していたものの、旅行中は案内所やガイドブックを利用していたことが分かります。

訪日外国人がどのようなホームページを見ているか知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。

参考:
国ごとのニーズの違いがすぐわかる!インバウンド向けWebメディア14選|ferret[フェレット]

日本国内ではインターネットが使いづらい

なぜ訪日外国人は、旅行前には積極的に利用していたインターネットを、旅行中には利用しないのでしょうか。

旅行中困ったこと.png

引用:
平成28年「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関する現状調査」結果|総務省|観光庁

総務省と観光庁の調査によると、訪日外国人が旅行中に困ったこととして最も多かったのが、「無料公衆無線LAN環境」でした。旅行中もインターネットで手早く情報収集をしたいものの、無線LAN環境がなく、利用できない機会が多かったのではないかと推測できます。

2017年、「WAmazing」というアプリが、無料SIMカードを関西国際空港で配布するサービスを開始しました。旅行中にインターネット環境に困る訪日外国人にとって、画期的なサービスです。ちなみに、「SIMカードの入手、利用手続」も旅行中に困ったこととして上図に挙げられています。

参考:
15日間、日本でインターネットが無料になる「WAmazing」アプリ無料SIMカードを関西国際空港にて配布開始|PR TIMES

訪日外国人が何に困っているかに注目し、その不安を払拭するためのサービスを考案することで、新しい戦略に繋がるかもしれません。

日本滞在中の支出額は増加

滞在中の支出額.png

引用:
JNTO訪日旅行データハンドブック2016(世界20市場)|日本政府観光局

海外旅行の市場拡大に伴い、訪日外国人の1人当たりの支出額も増加しています。

滞在日数推移.png

引用:
JNTO訪日旅行データハンドブック2016(世界20市場)|日本政府観光局

上図から分かる通り、平均滞在日数は微減していることを考えると、1日の支出額が増加しているといえるでしょう。

モノ消費からコト消費へのサービス転換

訪日外国人の消費意欲はまだ健在ですが、今後は消費の中身が変わっていくことが予想されています。

「爆買い」の言葉に代表される*モノ消費(商品など有形のサービス消費)*は、流通網の普及までの限定的なものです。今後も消費を促していくには、*コト消費(経験など無形のサービス消費)*の伸長が求められます。

参考:
最近の訪日外国人消費~旅行者増で消費額増。中国人の「爆買い」は中身が変わるも消費意欲は変わらず。今後はコト消費拡大が鍵。1泊増で+0.4兆円。|ニッセイ基礎研究所

前述したとおり、訪日外国人は日本特有の文化に触れることを期待しています。今後は日本文化を体験できるサービスなどを積極的に展開していくことも良案でしょう。