全社的な課題解決に有効な「クロス・ファンクショナル・チーム」とは?縦割り組織から卒業しよう
日産リバイバルプランでCFT結成、業績の回復を実現
CFTの成功事例として代表的な企業が、日産自動車です。日産自動車は1990年代、深刻な業績不振に陥りました。そこで、当時日産自動車のCOO(最高執行責任者)だったカルロス・ゴーンが、再建計画として「日産リバイバルプラン(NRP)」の策定を行いました。
カルロス・ゴーンは、顧客のニーズ自体がクロス・ファンクショナル(組織横断的)であり、企業の中の1つの事業部や職能で完結できることではないとし、10個のテーマに分けてそれぞれのCFTを立ち上げました。
1:「事業の発展」
2:「購買」
3:「製造・物流」
4:「研究開発」
5:「マーケティング・販売」
6:「一般管理費」
7:「財務コスト」
8:「車種削減」
9:「組織と意志決定プロセス」
10:「設備投資」
これらのCFTでは3ヵ月の活動期間中に2,000件ものアイデアが検討され、無事業績回復に成功しました。
まとめ
クロス・ファンクショナル・チームの運用では、立場が違う複数の意見をまとめたり、本業ではない付加業務へのモチベーションを維持したりと、参加する社員の力量が求められます。
しかしその分、それぞれの事業部、役職からの多様な視点からの意見を交わしていくことで、これまでにはなかった発想や戦略が生まれ、全社的な課題の解決に近づけることができます。自分の事業部にはなかった考え方を学ぶことで、取り上げている課題以外の別の問題にも応用できるかもしれません。
自社でも重要かつ全社的な課題を認識している方は、ぜひ働きかけてみてはいかがでしょうか。
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