叶姉妹のお二人が考える人生を生きるコツ - 自分の選択肢を自分で選ぶ自由と責任とは? - #cybozudays
叶恭子さんの考える自分自身の活用法とは
叶姉妹のお二人と青野氏のセッションは、叶恭子さんのCybozuDays 2017のテーマ「壁を超える」に対する一言から始まりました。
「こちら様のイベントのテーマは "壁を超える" ですが、私たちに壁はございません。そもそも壁という概念がございません」(叶恭子さん)
恭子さんは、「人と人の間や自分の中にはもともと壁などなく、端に自分の心の中で壁を作ってしまうだけ。パーテーションのような薄いものならいい」とした上で、分厚い壁を作ることでシンプルに見えていたことが見えなくなってしまうこともあるかもしれないと口にしていました。
一方で、美香さんは "壁" を "既成概念" だと訳した上で、姉からの無理難題を提示された時の自分の行動を例に挙げました。
「仮に姉から何かを指示されたとします。その際、時として思わず否定形・ネガティブな言葉を発してしまうことがあるのですが、そういう場合はいつも姉に叱られます。理由はシンプルで、とやかく言う前に取りあえずやってみなさいということなんです」(叶美香さん)
こうした経験から、まずは実際に行動に起こすようにしているという美香さん。すると驚いたことに、できないことよりも圧倒的にできることのほうが多いことがわかったといいます。その積み重ねの甲斐あって、今では自分自身の自信につながっていくことで、美香さんは恭子さんの無理難題にもネガティブな言葉を発しなくなったそうです。
きっと皆さんも "できない" と思っていたことでも、実際にやってみると案外できてしまったという経験があるのではないでしょうか。
楽しむ姿を演じるのではなく、心から楽しめることをすべき
叶姉妹のお二人は、著書だけではなく、インスタグラムを通じてポジティブなメッセージを発信しています。
セッション内では叶恭子さんの著書*「叶恭子 幸せの日めくり31のフィロソフィ たとえ100万人が楽しそうにしていたとしても、そこに楽しめるものがない "この世にたった一人のあなた" は、無理に笑うことはありません。」*から2つの言葉が紹介されました。
1. 私の人生において意味があるのはただ1つ。自分でシンプルに選ぶこと
叶恭子さんは、1つひとつの物事に対して丁寧に選んでいくことが自身の人生を作り上げていくと言います。
「日本人というのは選ぶということがとても下手なんだと思うんです。小学校から会社までに自分で選択しないままにきちゃっているんですよ」(青野氏)
企業のトップとして様々な判断を重ねてきただけではなく、婚約時に妻の姓を名乗ることに決めるなど自身の家庭生活でも思い切った判断をしてきた青野氏。
青野氏は、働き方改革が進む中で、多様性を重んじると出勤時間や会社に出勤すること自体が自分で選択できるようになるとした上で「選ぶからには責任を負わなくてはいけない」と指摘します。
「自由に生きていていいですね、とよく言われるんです」という恭子さんも青野氏同様に、自由の奥にあるのは確固たる覚悟があり、単なる自由ではないと言います。
ちなみに、恭子さん曰く、叶姉妹は美香さんが主導権を握っていて、美香さんがいないと生きていけないそうです。美香さんがリードしてくれているからこそ、叶姉妹が成り立っているのだと。青野氏はこれを「各自で得意分野を持ち寄って役割分担をしているチーム」だと表現しています。
ただ、それに対して叶恭子さんは「責任は自分だけのものでない」と考えることとは違うと明言しています。
「最終的には自分の責任です。自分の人生は自分が選択すること。その中に誰とどう過ごすか、どのように仕事をするかが発生するのです。私が選んだことは私が選んだこと。美香さんが選んだことは美香さんが選んだこと。それが一緒なら、なお嬉しい。それがチームワークということです」(叶恭子さん)
叶恭子さんが言うように、あくまで選択は自己責任であり、選択の積み重ねが人生と言えるのかもしれません。そのためには、チームが前提で選択を行うという考え方にはならないようです。
2. 心から楽しみ、感じることが、人生を後悔なく生きる基本
叶姉妹のお二人はこの言葉を「言葉にするものでもない普通のこと」と表現しています。
しかし、実際には多くの方にとっては仕事や家庭のしがらみなどによって、夢中になっていることを全力で楽しむのは難しいのではないでしょうか。
この言葉に対し、青野氏は次のように述べています。
「働き方改革には楽しさが欠けています。一律に休ませて、一律に残業カットして……と、仕事なんて楽しいものではなく、辛くて当たり前という考え方でいることが影響しています。さらに、会社の社長だと売り上げや利益があって、それが日経新聞に掲載され、ダメ出しされる、というように、売り上げ利益をあげることが会社がやるべきことなんだと考えるようになってしまいます。でも、実際は8時間フルで働くのに楽しくなかったら、きっと辛いですよね。まずは楽しみがあって、その楽しみを続けるためには売り上げと利益が必要で、こういう因果関係の中で物事を考えていかなければなりません」(青野氏)
だからこそ、日本人は "楽しみ" の優先度をあげた方がいいと言われています。
また、科学技術の進化により、人間にとって嫌な仕事は減っていくと指摘しています。
「もし仕事が辛いと思っているなら、その仕事はなくなりますよ。”楽しみ”というのがこれからのキーワードになっていくはずです」(青野氏)
一方で、「仕事を楽しんでほしい。それが働き方改革」と述べる青野氏に対して、叶恭子さんは以下のように話していました。
「わざと楽しんでいる姿を演じることは、もっと楽しくないということを指します。本来であれば、心から楽しめることをすべきですよね。”仕事は楽しい”と押し付けるのは人様によって違うはずです」(叶恭子さん)
叶姉妹のお二人は自身のスタンスとして「人はみんな違う。むしろ同じと思うことこそ可笑しい」ということを常に意識しているそうです。そのため、自分の考えを人に押し付けることをせず、そもそも押し付ける必要がなくなるのだと口にしていました。
「皆さんにはご自身の選択肢があるわけですから "こうする方法がありますよ" と話しますが、こうするすべきだとは絶対にしません。"こういうのが心地いいな" と思うことの選択をすることがヒントになればいいなとは思います」(叶恭子さん)
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