マーケティング戦略の中で、ポジション戦略は非常に重要な項目の1つです。これはソーシャルメディアを運用する時にも同様で、ポジション戦略を理解した上で運用を行う事が重要となります。”自身の アカウント・情報の独自性” と ”顧客が求めている情報” を上手くキャチボールして、自分のアカウントを価値があるものとして認めてもらう事が大切です。

こうした「3C戦略をもとにしたソーシャルメディア運営が重要だ」という話を前回の記事では紹介し、各「C」の特徴とその具体的な分析方法を中心に話を展開しました。

そして今回の記事では、製品を販売する際にもマーケットのトレンドや規模、購入見込みのあるユーザーの分析を行う事が重要だということを、より深く「C」が持つ意味と戦略を立てる上での役割に関して詳しく解説しながらご紹介します。

参考:
ソーシャルメディアのスコアをビジネスに活かす方法(実践編) 〜ソーシャルメディアのポジションニング戦略〜|ferret
  

ソーシャルメディアの顧客分析戦略について

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3C戦略というのはマーケティング戦略を組み立てて行く上で非常に重要な要素なのですが、それぞれ「C」が持つ意味や役割は大きく異なります。例えば、今回紹介するCustomerの「C」は自社の顧客やユーザーを分析する上でよく活用されます。

市場・マーケット調査などは主にCustomerの「C」に該当するリサーチで、どんな人が自社商品の購入または利用する可能性があるのか、さらにその人たちが潜在的に持っている課題は何なのかというのを明確にしていきます。

ソーシャルメディアを活用して自分のアカウントをブランディングして行く際には、市場・マーケット調査のように実際に自分の発信する情報を求めているユーザーを事前に理解して行く必要があります。

主にソーシャルメディア運営でのCustomerの「C」を理解する上で、以下の項目を明確にしておく必要があります。

1. 自身のアカウントで行うソーシャルメディアの顧客分析とは何?
2. ソーシャルメディア運営において、なぜ顧客分析が必要?
3. 実際にソーシャルメディア上でどのように顧客分析を行えば良い?

参考:
3C分析とは〜マーケティングの基礎を覚えて競合と市場を分析しよう
  

1. 自身のアカウントで行うソーシャルメディアの顧客分析とは何?

企業活動を行う上でマーケットや顧客のニーズをリサーチする理由はわかりますが、何故ソーシャルメディアでもその必要があるのかという事に疑問を持った方もいるかもしれません。その答えとして、「自分のアカウントを適切なポジションでフォロワーから評価してもらう必要がある」という事が挙げられます。

ソーシャルメディアを活用する際に、自分の思った事やイベント・記事の紹介などをよく投稿される方をよく見かける事があります。もちろん、情報を発信する1つの個人メディアなので、情報を発信する事自体は大切な事です。ただ、その投稿を見る側の視点に立って今まで投稿した事はあるのでしょうか。

ビジネスの現場では情報は重要な資産の1つです。特にリアルタイムの情報を中心にアドバイスを行うコンサルタントやマーケティングなどの仕事では、如何に新規性があり、かつクライアントの事業に貢献できる情報を提供できるかどうかが良好な関係を築く上でも重要な要素の1つとなります。

自分アカウントという1つのメディアを通じて発信される情報は、今や友だちだけではなくソーシャルメディアをとおしてつながっているビジネス関連の人や、「いいね」や「リツイート」、「シェア」などのアクションがあればその先にあるさらなるつながりにも影響してくる可能性があります。

ですので、事前に自分の発信する情報がフォロワーやつながりにとってどのような影響があり、有益かどうかという事を分析しておく事は非常に重要で、ここで呼ばれる顧客というのは自分自身の発信する情報の受け手という事になります。
  

2. ソーシャルメディアで顧客分析が必要な理由

ソーシャルメディア上で顧客分析を行うという事は、自身の将来のフォロワーを事前に分析する事と同じ事を指します。最近はボットフォロワーというのも広まったため、フォロワーの数が多いだけでは本来のソーシャルメディアの持つ価値を定量的に評価する事は難しいです。そこで、自分の発信している情報を事前に好む可能性が高くファンになりやすいフォロワーの特性を事前に分析し、その人の趣向に合った情報発信が重要になります。

マーケティング、特にソーシャルメディアを専門的に扱う領域であればソーシャルメディアを軸にしたマーケティング情報や事例などを定期的に発信し続ける事によって、その情報を求めている人たちが自分のフォロワーになる可能性が考えられます。

まずは、情報を発信する以前に自分のアカウントを将来フォローしてくれる可能性のある人たちが求めている情報は何かを定義する事で、より自分が狙った層の人たちをフォロワーとして惹き付ける確率を上げる事ができます。
  

3. ソーシャルメディアでの顧客分析方法

ソーシャルメディア上で顧客分析をする際には、主に以下の点に着目します。

・ターゲットとするソーシャルメディアアカウントのプロフィール
・ターゲットとするソーシャルメディアアカウントが発信している情報
・ターゲットとするソーシャルメディアアカウントのつながり

以上の情報をもとに、自分のソーシャルメディアアカウントからターゲットとする人に情報を見てもらう、さらにつながりを作る方法を考えます。

もちろん、自らアクションを起こさなければ相手は自分の存在に気付かない、もしくは気付いていてもアクションを起こさないという事が多いので、ファーストコンタクトは自分から行うようにします。

セールス用語でプッシュ型営業とプル型営業という言葉がありますがこちら側から起こすアクションと、相手方から起こすアクションを上手く使いわけてつながりを作っていく事が重要です。

参考:
プル型営業とプッシュ型営業の違いを正しく理解する|リードプラス株式会社
  

まとめ

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今回はソーシャルメディアを活用した顧客分析に関して紹介しました。製品を販売する際にもマーケットのトレンドや規模、購入見込みのあるユーザーの分析を行う事は非常に重要です。

特に製品(ここでは自分自身のソーシャルアカウント)がすでに市場で出回っている際には、競合を含めて分析を行い、その情報をもとにしたポジションが非常に重要になってきます。

自身のポジションニング戦略だけではなく、フォロワーとの良好な関係を築く上でも発信する情報をフォロワーのニーズに合わせていく事はとても重要な事です。一度切りの関係ではなく、実際にビジネスを一緒に作ったり、新しい事を始めたりする上で相手がどのような情報の発信者なのか、お互いに理解していると話もスムーズに進んでいきます。

また、単にソーシャルマーケティングの枠だけに捉われるのでは無く、プル型営業とプッシュ型営業の理論も組み合わせる事でよりフォロワーとの関係を親密に構築していく事もできます。これも顧客分析を十分に行って始めてできる事なので、まずはターゲットとなるアカウント像を明確にする事が大切です。