誰でも簡単に3D合成イメージを作成できる「Adobe Dimension」7つの基本操作
PhotoshopやIllustratorなど、Adobe社からはデザインに関する様々なツールが配布されています。
特に、Photoshop・Illustratorについては数多くの専門書が発行されているほど、操作方法が複雑で、使い慣れるまでには少し時間がかかり経験も必要となります。
そんな中、Adobeから物体を立体的に見せることができるツール「Adobe Dimension」の提供開始が発表されました。このツールは、PhotoshopやIllustratorなどのツールに比べて直感的に操作できるため、初見でも使いやすく設計されています。
今回は「Adobe Dimension」を使用するにあたって、知っているとより簡単に、短時間でツールを使いこなすことができる7つの基本操作をご紹介します。
実際の使用画像のスクリーンショットを使用しながら解説していますので、初めてAdobe製品を使用する方でも問題ありません。本記事を参考に、実際にツールを起動しながら操作してみてはいかがでしょうか。
Adobe Dimension CCとは
Adobe Dimension CCとは、2016年の「Adobe MAX」で発表された合成イメージ作成ツールです。Adobe Creative Cloudを利用している方であれば、誰でも無料でインストール可能です。
このツールを使用すれば、専門的な知識や技術などを必要とせず、2Dや3Dのコンテンツを使用して画像を合成して商品写真や様々なシーンを、よりリアルに近い形で視覚化することができます。
直感的な操作感ですがハイクオリティな画像に仕上がり、一度使用すれば手放せなくなること間違いありません。
Adobe Dimensionで知っておきたい7つの基本作業
1. モデルを配置
step1.
アプリを起動したら、まずは「すべてのモデル」からモデルとなるパーツを選択します。
上画像赤枠部分をクリックすると、様々なアイテムモデルが表示されますので、イメージに近いモデルを選択して作業画面の中央にドラッグ&ドロップして配置します。
step2.
配置したモデルの視点を変えます。
画像赤枠アイコンをクリックすると作業画面上に手のアイコンが表示されますので、配置したモデルを見やすいようにドラッグしてください。
step3.
モデルを移動(画像オレンジ枠)、拡大・縮小(画像赤枠アイコン)、回転(画像青枠アイコン)などを行います。
移動メニューでは、モデルをドラッグすることでX・Y・Z軸上の好きな位置に移動させることができます。拡大・縮小メニューでは3D空間の作業スペース内でモデルを拡大・縮小することが可能で、回転メニューでは様々な方向にモデルを回転させることができます。
上画像は回転メニューを選択している様子です。画像のようにモデル付近に補助線が表示されますので、特に初心者の型など慣れない場合は補助線を参考に作業を行うことをオススメします。
2. マテリアルの設定
モデルのマテリアル(質感など)の設定を行います。
まず上画像赤枠部分のアイコンをクリックし、「すべてのマテリアル」から使用したい質感を選択します。選択しているモデルにもよりますが、上画像で使用しているモデルのように「ボトル」と「ふた」にわかれているようなモデルであれば、それぞれで質感を変更することも可能です。
例えば、上画像ではモデルの「ふた」をクリックして選択状態にして「メタル」のマテリアルを選択。その後、「ボトル」をクリックして選択状態にして「ガラス」のマテリアルを選択しています。
選択したマテリアルによっては、上画像青枠部分のように屈折率や内部カラー、密度などを調節することも可能です。また、上画像オレンジ枠部分のスポイトアイコンをクリックすると、マテリアルをサンプリングして使用することもできます。
3. ライトの当て方
モデルに当てるライトの設定を行います。
上画像赤枠部分のアイコンをクリックし「すべてのライト」から使用したいライトを選択します。
続いて、上画像青枠部分の「プロパティ」で、背景色やライトの強度、当てる方向などを設定します。
4. モデルにロゴなどのデカールをペーストする
step1.
モデルに企業や商品名のロゴ、画像などをペーストすることができます。ペーストする画像はあらかじめ作成し、PNG形式で用意しておいてください。
背景が透明の画像を用意しておくと、モデルにペーストした際により違和感なく見せることができます。
step2.
作成した画像を、作業画面のモデル上にドラッグ&ドロップします。
step3.
画像をドラッグ&ドロップしたら、傾きや大きさなどの調節を行います。
拡大・縮小を行う場合は、PhotoshopやIllustratorを作業する時と同様に、「Shift」キーを押しながら上画像の緑枠のアイコンをドラッグして画像の拡大・縮小を行うと、もとの比率のまま作業を行うことができます。または「プロパティ」の緑枠部分でも作業可能です。
傾きの調節は、上画像オレンジ枠部分を左右に動かすか「プロパティ」のオレンジ枠部分で数値指定をして行います。配置した画像のレイヤーは、上画像の赤枠部分で確認可能です。不透明度や粗さなどは、上画像の青枠部分で調節してください。
5. モデルを複数配置する
1〜4と同じ操作を行うことで、1つの作業画面上にモデルを複数配置し、より奥行きのある空間演出を行うこともできます。
これで作業画面上での基本的な作業は終了です。
6. 書き出しサイズを指定する
作業画面上では、画像として書き出す際のサイズは特に設定されていません(デフォルトでは1,024ピクセル✕768ピクセルに設定されています)。そのため、デフォルトサイズ以外のサイズで書き出す際は、あらかじめサイズ設定を行っておく必要があります。
Adobe Dimensionで書き出した画像はpsd形式、またはPNG形式で書き出されます。JPEG形式など、ほかのファイル形式で書き出したい場合は、一度書き出した後に別名保存する必要があります。
まず、上画像の赤枠部分で「環境」をクリックします。
下に表示される「プロパティ」に「サイズ」という項目が表示されますので、ここでサイズを指定してください(青枠部分)。指定できるサイズの単位は「ピクセル」で、オレンジ枠のアイコンをクリックすると比率を固定することも可能です。
7. レンダリングする
サイズ指定を行ったら、画像として書き出すためにレンダリングを行います。
まず、画面上部の「レンダリング」をクリックします。
画面右側のメニューで、画質や書き出し形式、書き出し先の指定を行います。指定を行ったら「レンダリング」をクリックしてください。
使用しているPCのスペックにもよりますが、レンダリングにはある程度時間がかかります。画質を上げればあげるほどより時間が必要となりますので、焦らず待ってください。
上画像はレンダリングが終了したあとにPNG形式で書き出した画像です。立体的な画像に仕上がっています。
まとめ
Adobe関連のツールは、使いこなせるようになるまでには少し時間がかかるものが多く高性能で、多機能なものが大半を占めます。その際、大いに役立つのが、今回ご紹介した「Adobe Dimension」であり、高性能かつ多機能にも関わらず誰でも簡単に使いこなせる画期的なツールです。
立体的に商品紹介などの画像を提示することで、ユーザーも使用イメージが湧きやすくなり、より高いコンバージョンへつながることも期待できます。
まずはインストールして、実際に操作することから始めることをオススメします。
- コンテンツ
- コンテンツ(content)とは、日本語に直訳すると「中身」のことです。インターネットでは、ホームページ内の文章や画像、動画や音声などを指します。ホームページがメディアとして重要視されている現在、その内容やクオリティは非常に重要だと言えるでしょう。 なお、かつてはCD-ROMなどのディスクメディアに記録する内容をコンテンツと呼んでいました。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
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