SNS動画広告は、商品やサービスの認知拡大や、新規顧客の獲得に役立ちます。ただし、やみくもに動画広告を出稿するだけでは、効果を最大化することができません。動画広告の特徴やSNSによるユーザー層の違いなどを理解した上で運用することが大切です。

この記事では、SNS動画広告の基本的な運用方法やかかる費用の目安SNS動画広告の事例などを紹介します。SNS動画広告で成果を上げたいマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. SNS動画広告を運用するメリット
  2. SNS動画広告の基本的な運用方法
  3. SNS動画広告にかかる費用の目安
  4. SNS動画広告の事例を紹介
  5. SNS動画広告の基本を押さえて販促やブランディングに取り組もう

▼SNS動画広告のポイントについて今すぐ知りたい方はこちら

SNS動画広告の効果的な活用ポイント

SNS動画広告の効果的な活用ポイント

マーケティング担当者が押さえておきたいSNS動画広告の効果的な活用ポイントについて解説致します。

SNS動画広告を運用するメリット

SNS動画広告には、リスティング広告バナー広告など他のWeb広告にはないメリットがあります。SNS動画広告を運用する主なメリットは次の通りです。

  • 新たなターゲット層にリーチできる
  • ユーザーによる拡散が期待できる
  • 商品の使い方やブランドイメージを伝えやすい

それぞれ解説します。

新たなターゲット層にリーチできる

SNS動画広告は、FacebookやInstagram、Twitter、YouTubeなどのSNSで配信できます。SNSを利用している数多くのユーザーにリーチできることが、SNS動画広告のメリットです。

検索エンジンの結果画面に表示されるリスティング広告では、すでにニーズが顕在化しているユーザーにしか広告を表示できません。

一方、SNS動画広告なら、潜在的なニーズはあるものの検索には至っていないユーザーをターゲティングできます。そのため、新たな顧客層を発掘したい場合に、SNS動画広告が効果的です。

ユーザーによる拡散が期待できる

SNS動画広告の種類によっては、ユーザーによる拡散が期待できます。一部のSNS動画広告は、ユーザーが投稿する一般的なコンテンツと同じようにタイムラインに表示され、いいねやシェアなどのアクションが可能です。シェアしてもらえるようなSNS動画広告を作れば、多くのユーザーに短期間でリーチできます。

また、Twitterの動画広告の場合、ユーザーからリツイートされたあとに発生した動画再生や広告クリックは課金対象外です。そのため、動画広告がリツイートで拡散されるほど、費用対効果が高まります。

商品の使い方やブランドイメージを伝えやすい

テキストバナー画像だけの広告と比べて、伝えられる情報量が多いこともSNS動画広告のメリットです。動画を利用すると、商品の使い方を分かりやすく伝えられます。また、映像や音楽を使った演出で、ブランドイメージをよりよく伝えることが可能です。

まだあまり認知されていないサービスや、静止画だけでは使い方が伝わりにくい商品も、SNS動画広告なら効果的に魅力をアピールできます。

SNS動画広告で成果を上げるコツについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

効果的なSNS動画広告とは?マーケターが押さえたい活用ポイントを解説

効果的なSNS動画広告とは?マーケターが押さえたい活用ポイントを解説

SNS動画広告を実施してみたが効果が出ていない、効果的な動画広告の作成の仕方を知りたいなどマーケターの悩みは尽きません。本記事では、SNS動画広告を効果的に活用するために知っておきたい媒体の特徴、動画作成のポイント、広告評価指標について解説します。

SNS動画広告の基本的な運用方法

SNS動画広告で成果を上げるには、目的やターゲットを明確化した上で、適切な媒体を選んで広告を出稿することが重要です。ここでは、SNS動画広告を運用する基本的な方法について解説します。

目的とターゲットを明確化する

まずは、SNS動画広告を出稿する目的と、リーチしたいターゲットを明確化しましょう。

SNS動画広告では動画の再生だけでなく、リンクページへのアクセスやアプリのインストールなど、目的に応じて様々な行動を促すことが可能です。

例えば、商品やサービスの認知拡大が目的の場合、動画広告再生回数を増やすキャンペーンが適しています。商品購入や資料請求を増やしたい場合は、SNS動画広告リンクページへのアクセスを促し、コンバージョンを獲得する施策が効果的です。

また、SNS動画広告では地域や年齢層興味関心などによる細かなターゲティングができます。どのような属性のユーザーに対して、自社のSNS動画広告を表示させたいか明確にしておくことが大切です。

 ▼ポイント目的は何のために広告を出向するのか、目標は成果をチェックする指針として設定するターゲットは年齢や性別だけではく、どのようなことに関心がありそうかまで仮説を立てる

動画広告を出稿するSNSを選ぶ

次に、自社のターゲット層に応じて、動画広告を出稿するSNSを選びましょう。動画広告が利用できる主なSNSと、各媒体のユーザー属性に見られる傾向は以下の通りです。

●Facebook

Facebookは原則として実名登録が想定されているSNSで、友人同士の近況報告や、ビジネス用途で多く利用されています。40代のユーザーが多く、他のSNSに比べると60代の利用率が高いことが特徴です。

●Instagram

Instagramは画像や動画などを投稿できるSNSで、ファッションやコスメなどのトレンドや新商品に関する情報を知る目的でも利用されます。20代から40代のユーザーが主な利用者層です。

●Twitter

Twitterは140字以内の短いテキストを投稿できるSNSで、共通の趣味を持つ人と繋がったり、情報発信をしたりする目的で利用されます。ユーザーの平均年齢は35歳前後です。年代が上がるほど男性のユーザー比率が高まる傾向があります。

●YouTube

YouTubeは動画コンテンツを視聴・投稿できるSNSです。年代を問わず人気が高く、幅広いユーザーにリーチできます。

●TikTok

TikTokは短尺の動画コンテンツを視聴・投稿できるSNSです。10代~20代が主なユーザー層で、女性のユーザー比率が高くなっています。

▼ポイントSNS媒体ごとにユーザー層や年齢層が異なるため特徴を理解する
・Instagramのリール、TikTok広告など縦型の動画広告が主流になりつつある

動画広告のクリエイティブを作成する

SNS動画広告が表示される場所や再生時間、サイズなどは様々です。SNSごとの仕様に合わせて、動画広告のクリエイティブを作成しましょう。また、動画広告の種類によっては動画だけでなく、見出しや説明文などのテキストも用意する必要があります。

主なSNS動画広告の仕様は以下の通りです。

SNSの種類 動画広告の種類 表示位置 動画の長さ テキスト
Facebook Facebookフィード フィード上 1秒〜241分まで メインテキスト:125文字以内
見出:27文字以内
説明:27文字以内
     Facebookインストリーム動画 知名度の高いクリエイターなどの動画再生後 5秒〜10分 メインテキスト:125文字以内
見出し:40文字以内
     Facebookストーリーズ ストーリーズ上 1秒〜2分 メインテキスト:125文字以内
見出し:40文字以内
Instagram Instagramフィード フィード上 1秒〜60秒 メインテキスト:125文字以内
     Instagramリール リールコンテンツの間 1秒〜60秒 メインテキスト:72文字以内
     Instagramストーリーズ ストーリーズ上 1秒〜60秒 メインテキスト:125文字以内
Twitter 独立した動画広告 タイムライン上 最長2分20秒(15秒以内推奨) ツイート本文:140文字以内
    Webサイトボタン付きの動画広告 タイムライン上 最長2分20秒(15秒以内推奨) ツイート本文:140文字以内
Webサイトタイトル:70文字以内
    アプリボタン付きの動画広告 タイムライン上 最長2分20秒(15秒以内推奨) ツイート本文:140文字以内
アプリタイトル:200文字以内
YouTube スキップ可能なインストリーム広告 メイン動画の再生前後または途中 12秒~3分未満推奨 広告見出し:15文字以内
行動を促すフレーズ:10文字以内
    スキップ不可のインストリーム広告 メイン動画の再生前後または途中 15秒以下 広告見出し:15文字以内
行動を促すフレーズ:10文字以内
    インフィード動画広告 YouTube検索結果、「次のおすすめ」、アプリのホームフィード上 制限なし 広告見出し:100文字以内
説明文:最大2行、1行あたり35文字
TikTok TikTokインフィード広告 フィード上 5秒~60秒(9~15秒以内推奨) アプリ名:4~40文字
ブランド名:2~20文字
広告説明文:1~100文字
 ▼ポイント一つの動画をそのまま流用せずに、媒体ごとに合わせてリサイズ、内容の調整を行う長尺な動画は流される傾向にあるため、開始1〜2秒にインパクトにあるキャッチコピーや映像を表示させる

広告アカウントで運用を行う

広告に使用する動画などのクリエイティブが準備できたら、各SNSの広告サービスアカウントを作成し、入稿作業を行いましょう。主なSNSと広告サービスの対応関係は次の通りです。

SNSの種類 広告出稿に必要な広告サービス
Facebook、Instagram Facebook広告
Twitter Twitter広告
YouTube Google広告
TikTok TikTok for Business

広告アカウントの管理画面では、動画広告表示回数再生回数リンククリック数などを確認できます。成果を定期的に確認し、より良い反応が得られるようにクリエイティブを改善していくことが大切です。

▼ポイント動画広告を出稿して終わりではなく、数値結果に合わせてクリエイティブを改善する効果測定はSNSごとに管理画面があるが、一元化されるツールを使うと便利

▼SNS動画広告の効果的な活用方法をもっと知りたい方はこちら

SNS動画広告の効果的な活用ポイント

SNS動画広告の効果的な活用ポイント

マーケティング担当者が押さえておきたいSNS動画広告の効果的な活用ポイントについて解説致します。

SNS動画広告にかかる費用の目安

多くのSNS動画広告は最低出稿金額などの条件がなく、低コストから運用を始められます。自社の予算に合わせて柔軟に利用できる点がSNS動画広告の特徴です。

SNS動画広告にかかる費用は、課金方式SNSの種類などによって異なります。主な課金方式や費用の目安は次の通りです。

課金方式ごとの費用の目安

SNS動画広告の課金方式には、クリック課金(CPC)インプレッション課金(CPM)動画再生数課金CPV)などがあります。

課金方式 広告費が発生するタイミング 単価の目安
クリック課金(CPC) 広告リンクURLがクリックされるたびに課金 1クリックあたり24~200円
インプレッション課金(CPM) 広告が1,000回表示されるたびに課金 1,000回表示あたり400~650円
動画再生数課金(CPV 動画が一定時間再生されるたびに課金 1再生あたり5~20円

広告費用はSNSの種類や競合の状況によっても変わる

SNS動画広告にかかる費用は課金方式だけでなく、SNSの種類や競合広告主の状況などによっても変わります。

特に、自社と同じターゲットユーザーを狙っている広告主が多い場合は、動画再生や広告クリック1回あたりの単価が高くなることが一般的です。そのため、実際にかかった広告費の定期的なチェックと、入札単価の調整が大切です。

SNS動画広告の参考事例を紹介

SNS動画広告の運用を始める時は、他社の事例をいくつか見ておくと参考になります。ここでは、YouTubeやInstagram、Twitterなどで動画広告を活用した事例を紹介します。

YouTube広告事例|freee株式会社

参考:会社設立freee 〜自分で設立編〜

freee株式会社は、BtoB向けのクラウドサービスなどを提供している企業です。会社設立に必要な手続きを簡単に済ませられる「会社設立freee」のプロモーションに、YouTubeの動画広告を活用しています。

イラストによるアニメーションとナレーションで、サービスのメリットを分かりやすく訴求している点がfreee株式会社の動画広告の特徴です。全体の再生時間は15秒間と短く、ターゲットユーザー悩み解決に役立つ情報がまとめられています。

Instagram動画広告事例|株式会社ワンダーマーク

SNS動画事例-1.jpg

参考:株式会社ワンダーマーク Facebookショップと動画広告で認知度と売上をアップ

株式会社ワンダーマークは、紙製品や雑貨を取り扱う企業です。ECサイトの認知拡大や販促を目的として、Instagramの動画広告を使用しています。

同時に出稿していた写真広告と比べて、動画広告ではリンククリック単価が32%削減できました。また、類似オーディエンスと呼ばれる機能により、既存顧客と類似した特徴を持つターゲットに動画広告を出稿したことも、この事例のポイントです。

Twitter動画広告事例|大阪ガスマーケティング株式会社

SNS動画事例-2.jpg

参考:「15秒再生最適化」配信の活用で動画視聴完了数とリーチの拡大を両立。大阪ガスマーケティング株式会社のTwitter活用術

暮らしのサービスやリフォーム、家庭用エネルギーなどを提供する大阪ガスマーケティング株式会社は、キャンペーン開始前の話題作りや、アプリのインストールなどを目的としてTwitter広告を活用しています。

テレビCM用の動画素材をそのまま使用するのではなく、テロップを入れて音声無しでも情報が伝わるように調整し、Twitterユーザー向けに最適化した点が参考になるポイントです。Twitter動画広告の配信により、指名検索のボリューム増加コンバージョン数の向上などの成果が得られました。

SNS動画広告の基本を押さえて販促やブランディングに取り組もう

SNS動画広告を使うと、商品やサービスの魅力をより多くのユーザーに伝えられます。SNSの種類によって特徴や主なユーザー層が異なるため、自社の目的やターゲットに合わせて動画広告を出稿することが大切です。

SNS動画広告の基本的な運用方法を理解した上で、販促や認知拡大のための施策として取り入れてみてはいかがでしょうか。

▼SNS動画広告の詳しい活用方法はこちら

SNS動画広告の効果的な活用ポイント

SNS動画広告の効果的な活用ポイント

マーケティング担当者が押さえておきたいSNS動画広告の効果的な活用ポイントについて解説致します。