カスタマーサポート(以下、CS)が日々こなす業務の多くは、電話あるいは対面での顧客対応です。そして「顧客対応」と聞くと多くの方が "クレーム" を連想するのではないでしょうか。

このようなイメージから "ストレスの溜まる仕事" と思われがちなCSですが、常にお客様とのフロントに立ち続け、最前線で直接お客様1人ひとりとコミュニケーションを図ることで、味わうことができる醍醐味も存在します。

これまでにも寄稿してきた計14本の記事の中で、「CSの仕事内容や業務を通じて身につくスキル、キャリア」についてご紹介してきました。

今回は、CSとして商材・サービスの最前線に立って、直接お客様とやり取りをすることで感じるやりがいに焦点を当て、EC事業者向けにBtoBでシステムを提供している当社(テモナ株式会社)のCS担当が「CSをやっていて良かった」と感じた瞬間をご紹介していきます。

参考:
テモナ株式会社の執筆一覧|ferret
  

CSをやっていて良かったと感じた瞬間

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現在、弊社でCSとして業務に従事しているのは11名で、新卒入社も、中途採用で入社したメンバーも所属し、過去の経歴もバラバラです。ただ、現在の業務を通じては各自がコミットしている目標に向かって走っています。その各メンバーとヒアリングを行い、そこから聞こえてきた「やりがい」を4つにまとめました。
  

1. 問題を解決できた時

CSに連絡するお客様は、「相談したいこと」や「どうにか解決させたい課題」があり、それを1つひとつクリアにしていくことを求められています。

お客様の事情を汲み取って真摯に向き合い、解決の手助けをすることで「あなたのおかげで助かりました、ありがとう」と喜んでもらえる結果につながります。「困ってる人を助けて喜んでもらう」というのは非常に重要で、内容が大変であればあるほど、この言葉を聞いた時の嬉しさは格別です。
  

2. 「あなたに相談したい」と指名を頂き、信頼関係を築けた時

日常的に扱うサービスに関するお問い合わせなど、一度きりではなく、度々やりとりが発生する環境では、互いに名前を覚えることも少なくありません。

背景を理解している、相談しやすい、言っていることがわかりやすい……など理由は様々で、日々のやり取りにおいて信頼を得ることで「あなたに相談したい」と言って指名を頂けるようになります。

指名の上、様々なことを相談してもらえるような関係を築けた時は、自分が必要とされていることを強く実感します。
  

3. 提案が採用され、成果がでた時

お客様と継続的にコミュニケーションをとって信頼関係を築いていくと、どのような考え方をされているのか、どのような運用を行っているのかといったお客様の背景を理解した上での対応ができるようになります。そのような関係になると、システム利用方法の質問はもちろん、事業全般についてなど、相談内容もより踏み込んだ相談を頂くようになっていきます。

ネットショップ向けのシステムを扱っている当社での例をあげると、ネットショップを大きくするためにも「顧客満足度を上げたい」「サイトに来てくれた人の購入率を上げたい」「ファンを増やすためのフォローを行いたい」といった事業施策に関する相談等です。

CSを「信頼できる専門家」とみなし、期待を込めて相談してくれたことに対して、力になりたいという気持ちで一生懸命考えて、施策を提案します。その後、その提案が採用され、お客様のネットショップ内で実行してもらい、「成果が出ました」と報告のご連絡をいただいた時の気持ちは格別です。

単に聞かれたことに答えるだけではなく、お客様の期待を超える「応え」を提示できた瞬間となります。そんな時は、思わずガッツポーズを取ってしまいます。
  

4. CSという役割を超えた個人としてのお付き合いができた時

「2. ”あなたに相談したい”と指名を頂き、信頼関係を築けた時」の信頼関係をさらに超越すると、「CSと顧客」という立場ではなく「人と人」としてのお付き合いができるようになります。

当社では、そのような関係を築いたお客様から直筆で感謝のお手紙を頂いたこともありますし、お客様の会社で開いているイベントに毎年招待されることもあります。また、事業運用やマネジメントについてこちらから相談をしたり、意見交換することもあります。「CSと顧客」から「人と人」の関係へ昇華することで、本当に困った時にお互い助け合えるパートナーになり、そのつながりは一生の財産となります。