企業でよく撮ったり使ったりする写真のジャンルの1つに「ポートレート」があります。

しかし、社内でカメラマンをやってる人ならわかると思いますが、このポートレート、室内で撮るのがなかなか難しいですよね。光の角度に気を付けないと、顔に影ができてしまったり、思ってた雰囲気と違う写真ばかりになってしまって撮り直し、何ていうこともしばしば……なかなか思いどおりにいきません。

そこで今回は、ポートレートで大切な光に関して、意外と知られていない”硬さ”と覚えておきたい3つの”光の角度”をご紹介します。
  

写真の”硬さ”とは

実は、光には種類があります。大きく二分すると「硬い光」と「柔らかい光」です。

硬い光とは、光源から直接あたる光で、光が当たる箇所と当たらない箇所の明暗がくっきりします。イメージとしては真夏のカンカン照りの陽気が近く、ポートレートの際に使うと彫りが深くしっかりした印象の写真が撮れますが、影が出るということは肌質や皺がくっきり出てしまうので注意が必要です。

また、柔らかい光とは光源からは直接当たらない光で、何かしらに反射/拡散された光になります。曇り空の時の光などをイメージするとわかりやすく、ふわっとした雰囲気になるというメリットがありますが、使う目的によっては少し印象が弱くなってしまうため、目的に合わせて使いこなしましょう。

以下が、硬い光と柔らかい光で撮影例です。
  

硬い光の場合

硬い光のポートレート_001a.jpg

まずこちらが室外でとった”硬い光”のポートレートになります。肌が照り、頰や鼻の下にしっかりと影が出ていることが見てわかります。
  

柔らかい光の場合

柔らかい光のポートレート_002a.jpg

次が、”柔らかい光”のポートレートです。こちらでは明暗が弱くなり、全体的にふわっとした雰囲気になったことがみてとれます。
  
どちらの光も一長一短あるため、被写体の雰囲気と撮影の目的によって使いわけましょう。
  

順光、逆光、サイド光の違い

次に上記で説明した光を当てる角度の紹介をします。

今回は、主要な3つである”順光””逆光””サイド光”を見てみましょう。
  

順光

順光のポートレート_003a.jpg

順光とはカメラを構えた位置から被写体の方向にあたる光のことです。つまり、光源がカメラマンの後ろにある時の光の角度になります。

順光では光が被写体の目に反射して綺麗な瞳になりやすい一方、光が固すぎると不必要な影が強調され過ぎるため、個人的には曇りでの屋外や直射日光と無駄なライトの光が入らない会議室での柔らかい光でとることをオススメします。
  

逆光

逆光のポートレート_004a.jpg

逆光は順光とは正反対の位置からあたる光のことです。つまり、光源は被写体の後ろにあります。

逆光では被写体の影が前方にでるため背景との境界線がみやすく、例えでいうとパーマをかけている方や女性の髪型をふんわり撮る時などにオススメです。一方、光が強過ぎるとオートフォーカスがしにくくなったり前方に影が出ているため、修正しても色味が出にくいため注意が必要です。
  

サイド光

サイド光のポートレート_005a.jpg

サイド光は、文字どおり被写体の横に光源がある状態です。側光とも呼ばれたりします。

サイド光では被写体の横半分にしっかりと影が出るため立体感が出やすく、目鼻立ちがしっかりしている人などを撮ると簡単にカッコいい写真を撮ることができます。被写体をスマートに写したいような時にオススメです。
  

まとめ

カメラは「光を切り取る機械」と呼ばれるくらい光が重要なポイントです。今回ご紹介したように、光を上手に利用することで、ポートレートをもっとカッコよく撮影できるようになります。もっとあなたがイメージしている画に近付けるはずです。

会社のイベント・行事、ホームページなどの素材として人物撮影など、本記事の内容をもとに、光の”硬さ”と順光、逆光、サイド光を意識して、ぜひ皆さんも実践してみてください。

目的や用途にあわせ光を操り、一歩上のポートレートを目指しましょう!