スマートフォンの金字塔「iPhone」が発売されてから10年が経過し、その爆発的な普及とともにスマートフォンアプリは単なるデジタルツールではなく、生活に欠かせないインフラとして根付き、今もなお進化し続けています。

スマートフォンの普及に伴い、あらゆるサービスのアプリシフトも進んでいます。一部の限られたデベロッパーだけではなく、誰でもアプリを作ってサービスをユーザーに提供する世界がすでに始まっています。

そこで、フラー株式会社のアプリ分析メディア「App Ape Lab」の編集担当(App Ape Lab編集部・日影耕造)が、アプリマーケティングを成功させるために知っておきたい重要指標やアプリ分析から見える新たな世界をご案内します。アプリを見れば世界がわかる!そんな気付きを提供します。
  

アプリマーケティングとは何か?

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フラー株式会社が運営するアプリ分析メディア「App Ape Lab(アップ・エイプ・ラボ)」で編集を担当している日影です。現場で役立つアプリマーケティングのノウハウについて、これから何回かにわけて解説していきます。宜しくお願いします。

そもそも「アプリマーケティングって何?」という方もご安心ください。私も数ヵ月前までは全く異なる分野で新聞記者をしていました。何も知らない初心者が、何がわからないのか、何を知りたいのかはよくわかります。初めての方でも理解できるよう丁寧な解説を心がけていきます。
  

アプリマーケティングの基本の「キ」とは

アプリマーケティングについて語る前に、まず前提となる「マーケティング」とは何なのでしょうか。

マーケティングの定義についてはferretでもいくつか言及があります。

ferretのマーケティング用語辞典「マーケティング」によると、マーケティングとは、「ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ること」です。また、駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「◯◯マーケティング」などと使います。

また、少々古い資料ですが、日本マーケティング協会が1990年に定めた定義によると、マーケティングとは「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」としています。

ちなみに、マーケティングの神様と呼ばれる米国の経営学者、フィリップ・コトラー氏は、マーケティングとは「ニーズの発見と充足」としています。

これらの定義をそのままアプリマーケティングに置き換えるとどうなるでしょうか。

アプリマーケティングは「アプリ市場創造のための総合的活動」であり、「アプリのニーズの発見と充足」となります。アプリの売上につながる認知やプロモーションなどあらゆる活動がアプリマーケティングなのです。

例えば、これからアプリを企画、開発する場合は事前の市場調査が、すでにアプリを持っている場合はアプリの新規インストールや継続利用を促す施策がアプリマーケティングに該当するでしょう。重要なのは、市場と何らかの価値を「つなげる」役割を担うということです。市場ニーズと売上との架け橋となる多様なアプローチこそが、アプリマーケティングなのです。

参考:
マーケティング|ferretマーケティング用語辞典
日本マーケティング協会・マーケティング定義員会資料
フィリップ・コトラー「コトラーの戦略的マーケティング」31P|ダイヤモンド社
  

アプリ市場の規模って誰もわからない?

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アプリマーケティングをする上でぜひ把握しておきたいのが、アプリを取り巻く市場規模です。実は、国内はもちろんのこと、世界のアプリの数や利用動向を全て網羅した統計や資料は現在どこにもありません。

たとえ課金やダウンロード数をストアやアプリのディベロッパー側で把握できたとしても、同時に1ユーザーがどのアプリを所持したり、利用したりしているかなどは把握できないのです。
  

アプリ利用者は現在も上昇トレンドに

とはいえ、市場規模を類推するための手がかりがいくつかあるので、紐解いていきましょう。

まずは、総務省が2017年に実施した総務省通信利用動向調査によると、2016年のスマートフォン個人保有率は56.8%で、2011年に比べて約4倍と急増しています。年齢別にみると、10~40代までは80%以上が保有しており、50代も6割以上が利用しています。スマートフォンは国民に広く浸透しており、現在も伸び続けていることがうかがえます。

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実利用ベースで見ると、アプリ全体のアクティブユーザーを月ごとに合算した合計月間アクティブユーザー(MAU)の成長率は、2016年10月から17年9月までの1年間で3.4%となりました(出典:アプリ分析プラットフォーム「App Ape」)。

16年4月から同年9月の半年間の成長率18.0%に比べて上げ幅が縮まってはいるものの、依然としてスマートフォン利用は上昇トレンドを維持しています。

さらに、1人あたりの所持ベースでアプリ市場を見てみましょう。17年9月の1人当たりの平均所持アプリ数は前年同月比4個増の78.6個でした。そのうち、月に1回以上起動するアプリは同0.8個増の26.7個で、ユーザーが実際に使用するアプリの数はほぼ横ばい傾向であることが明らかになりました(出典:アプリ分析プラットフォーム「App Ape」)。

過去1年間の推移を見ても所持、利用ともに変動が少なく、ユーザーがスマートフォンに入れるアプリ数は頭打ち状態であることがデータから読み取れます。

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所持数が頭打ちということは、アプリ市場の競争が激化しているということ。だからこそ、市場のニーズを捉え、利益を確保するためのアプリマーケティングの重要性も際立つのです。
  

まとめ

以上となります。今回は、アプリマーケティングそのものについての基礎知識について展開してきました。いかがでしたでしょうか。

アプリマーケティングが何かというのはもちろん、市場動向について、スマートフォン利用者に関して様々な情報をおわかりいただけたのではないでしょうか。実際にアプリを導入しようとお考えの方、さらには今後検討するかもしれないという方は、まずは今回の内容は押さえておくべきです。

ぜひアプリに関する情報を通じて、少しでも皆様の業務、さらには企業成長にお役に立てれば幸いです。