アジアの1国である日本。しかし、島国ゆえに、実はほかの国のことを知らないという人も多いのではないでしょうか。ひとくくりにアジアと言っても、インターネットとの付き合い方や通信販売の活用方法は国ごとに様々です。

これまでタイの特徴から通販事情までお伝えしてきましたが、実はFISMがフィールドとする東南アジアの国はタイだけではありません。今回はベトナムのホーチミンで実際に見て、触れて感じたことに、ベトナムのSNS事情をまとめてお届けします。

現在のベトナムのことを知りたいという方は、ぜひ一度、目をとおしてみてください。

*参考:*タイの特徴はこちらから
アクティブユーザーは日本の2倍!タイのSNS/通販事情|爆買いの正体!? 東南アジアで広がるチャットコマース|ferret
  

ベトナムのSNS事情

まずは数字から見てみましょう。ベトナムの人口は約9,500万人で、そのうちSNSのアクティブユーザーが約4,600万人。タイよりも3,000万人近く人口が多いにもかかわらず、SNSのアクティブユーザー数はほぼ同じのため、ベトナムの方がSNSユーザーの割合が少ないと言えるでしょう。

メジャーなSNSはFacebookで、タイ、ベトナムに限らず東南アジア諸国でのシェアの広さを感じます。アジアでこれだけTwitterが盛んなのは日本だけとよく聞きますが、まさにそのとおりだと現地で実感することができます。

  

歴史が色濃く残る、ホーチミンの街並み

インターネット上の話の前に、ベトナムのリアルを少しお伝えします。

新旧が混ざり合い、まさに街が変わっていく瞬間を目の当たりにするホーチミンの街並み。2016年7月には日本の百貨店「高島屋」もオープンし、ますますの賑わいを見せています。

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今回取材に行ったベトナム・ホーチミンは刺繍をはじめとしたクラフトアイテムが有名で、軒先にカラフルな資材が並んでいる店をたくさん見かけることができます。

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まだまだバイク移動が多いホーチミンでは、それぞれがお気に入りの布マスクを愛用しています。2020年にメトロが開通予定で、現在あちらこちらで絶賛工事中です。

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発展目覚しいと言われるベトナムの勢いは、ふと目線をあげた対岸にも感じることができます。まるで西新宿の高層ビル群のようです。

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19世紀に建てられたサイゴン中央郵便局は美しいフランス様式の建築が特徴的で、絶好のフォトスポットにもなっています。ここに限らず、フランス統治時代の名残からホーチミンには素敵なルネサンス建築の建物がたくさんあり、女子旅に人気なのも頷けます。
  

現地の見本市に潜入

突然ですが、海外の見本市はどんな風になっているのか、皆さん気になりませんか。

今回ベトナムまでうかがったのは、見本市「vietbeauty 2017(2017年8月23日〜8月25日開催)」に参加するためです。主に化粧品を扱っており、ベトナム国内でも最大級の規模を誇ります。せっかくの機会ですから、リアルな場の紹介として見本市の様子もお届けします。

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こちらは見本市の会場となったSaigon Exhibition and Convention Center(SECC)。日本でいう「東京国際フォーラム」のようなコンベンションセンターです。

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オープニングセレモニーではベトナムの民族服アオザイを着た男女による舞台が催されました。ベトナムらしい!

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ベトナムの見本市と言っても国内企業ばかりが出展しているわけではなく、区画ごとにタイエリア、韓国エリアなど、ほかの国の美容企業も多く参加していました。

また、まだ少ない印象でしたが、もちろん日本の企業も出展していて、タイと同じくメイク用品よりスキンケア用品のほうが人気がありました。各ブースでは商談が盛んに行われていました。
  

ベトナム女子の、ソーシャルとのつきあい方

リアルな場の報告が続きましたが、ようやく肝心のソーシャル事情をお届けします。

まずは、インフルエンサーのマネジメントを手がけるフンさんに話を聞きました。

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FISM(インタビュアー):
ベトナム女子がよく使っているSNSは何でしょうか。

フンさん(画象左):
FacebookとInstagram(インスタグラム)の2つをみんな登録しています。ベトナム独自のSNSもありますが、それらはあまり流行っていなくて……。SNSには情報源としての強さを感じます。20代の情報の仕入れ先はSNSがメインです。それより上の世代は雑誌、テレビのほうが強いかなという感覚です。

FISM:
ベトナム女子に人気のアプリは何でしょうか。

フンさん:
写真が10秒で消えるSnapchat、面白い動画が撮れるSNOW、フィルターがオシャレなカメラアプリFoodieは人気です。ベトナム女子はセルフィーが大好きで、街のあちこちで撮影している姿を目にするはずです。カメラアプリに関しては、ほかにもAnalog Camera、VSCO 、Afterlightといった、オシャレでキレイな写真を撮れるものが人気です。

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続いてベトナムのチャットコマースを手がけるハウさんに話を聞きます。

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FISM:
今、何のアプリを使って、ハウさんのお店は運営しているのでしょうか。

ハウさん(画象中央):
Facebookとインスタグラムです。

FISM:
一度に、どのくらいの商品を仕入れているのでしょうか。

ハウさん:
シーズンによっても変動しますが、人気のあるものは一気に100個くらい仕入れます。少なくても20〜30個は仕入れます。プレオーダーなどはおこなっていなくて、売れそうなものを見定めて先に買ってきて売ります。日本の商品だとSK-Ⅱがとっても人気なんですよ。

FISM:
情報の参考元は何でしょうか。

ハウさん:
Amazonのレビューやコスメの口コミサイトはとても参考になります! ベトナム発の口コミサイトは正直なところ盛り上がりがいまいちで、あまり参考にしていないのが実情です。
  

まとめ

タイでは国産サービスのレビューサイトPantipが絶大な信頼を得ていましたが、ベトナムは国産サービスでシェアを占めるものがないのが印象的でした。とはいえ、若い世代の情報源はSNSをはじめとするWebが強いとのことで、これからのムーブメントをつくっていくT層、F1層に情報を届けるとなると、既存Webサービスと上手くつきあっていく必要があると言えます。

街はこれから発展していくという活気に溢れていて、巨大な商業施設や高層ビルがあちこち建設中で、街を歩いていると工事していない場所を探すのが難しいほど。鉄道の開通でさらに風景が変わるでしょう。

ベトナムは人口も多く、国民の平均年齢は30.4歳(国際連合データ:World Population Prospects The 2015 Revisionより)と若く元気な国ですから、何かを始めるには面白いタイミングではあります。この活気を、ぜひ自分の肌で感じてみてください。