DMPによる効果的な広告リーチ

上記のケースは、あくまでリサーチに協力する調査パネルで構成されたものですが、これに加えて、調査パネルではないシングルソースデータが構築されつつあります。それがDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)です。

狭義のDMPはネット広告をターゲットに表示するためのデータベースですが、これを上手に応用していくことで、広告を配信する側としては、単に競合製品の購入者に向けて自社商品を宣伝するだけでなく、リサーチによって炙り出された潜在的な顧客に対して、効率的に広告をリーチさせていくことができます。

例えば、デリバリーピザの広告であれば、

「最近1カ月間ビザを注文していない会員に50%OFFのクーポン付きバナー広告を配信」 
「夕方に雨が降ったらデリバリー可能な地域のユーザーにピザの広告を配信」 
「今まで注文したことのない人には全商品30%OFFのクーポンを配信」 

このような施策も可能になります。

地道な研究活動と環境に合わせた調査手法の変化

このように、この狭い国土の中、マーケティングリサーチで収集・活用されるデータはどんどん細かくなっています。当社内にもいろいろな研究を行うグループが存在し、その中には表に出ないものも多数あります。

Webの調査画面の構成を変えるとどのように回答が変わるのか、また世の中に存在しない商品を調査画面の中にさりげなく入れたら、一体どれくらいの人が「認知している」と“誤回答”するのかを測定したこともあります。

さらに、独自にとある県の人口推計を毎年行うといったフィールドサイエンス的な研究も地道に行っています。

しかし取得したデータの信頼性についてはいろいろな議論があります。世論調査では慎重を期して、いまだに固定電話や訪問調査でデータを取っていますが、10代のデータを固定電話で収集するというのは絶望的でしょう。

そのため、携帯電話を含めた調査手法に切り替わりつつあり、さらに次回の国勢調査ではインターネット調査で回答できなかった場合にのみ訪問調査が行われるといった方法がとられます。

まとめ

調査の手法は、一時期はそれが正しくても環境が変わると機能しなくなるケースがたくさんあります。

マーケティングリサーチは自然科学ではなく社会科学なので、不変の真理を求めるのではなく、社会の変化に合わせて常に手法を変えていくべきでしょう。