新しく追加された設定

ここまでは、背景的な部分に触れました。ここからは、具体的にどのような設定が追加され、必要になったのかを見ていきましょう。

「データ保持期間」の設定

1つが、「データ保持期間」の設定です。Googleアナリティクスのサーバーから、ユーザー単位、イベント単位のデータが自動的に削除されるまでの期間を変更できます。

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値は、以下の5つから設定が可能です。

  • 14ヶ月
  • 26ヶ月(デフォルト値
  • 38ヶ月
  • 50ヶ月
  • 自動的に期限切れにならない

誤解しないように注意したいのが、この設定がすべてのデータに関して適用されるわけではないということです。

Googleアナリティクスのヘルプでは、以下のように説明されています。

保持期間は、Cookie、ユーザーの識別子(例: ユーザー ID)、広告 ID(DoubleClick Cookie、Android広告 ID、Apple 広告主向け識別子など)に関連付けられたユーザー単位やイベント単位のデータに適用されます。

集約されたデータは影響を受けません。”
引用元:データの保持 - アナリティクス ヘルプ

上記のように、「データ保持期間」が適用されるのは、ユーザー単位のデータとイベント単位のデータということになります。

これは、ユーザー1人ひとりが何回サイトにアクセスしたか、どのようにページを遷移したか、ページのどのリンクをクリックしたか、といった情報を指します。

Webサイト全体のデータや、ページ単位のデータは、個人情報に基づかない「集約されたデータ」であり、保持期間の設定とは関係がないことに注意が必要です。

参考:
[Google Analytics に新たに導入された「データ保持」の設定に関する誤解と対策 | ニュース・コラム | バーンワークス株式会社] (https://burnworks.com/news/article/350/)

「新しいアクティビティをリセット」

もう1つ確認したいのが、「新しいアクティビティをリセット」という項目。オンオフの設定が可能です(デフォルトではオン)。
先ほど述べたように、データ保持の対象になるのは、ユーザー単位、イベント単位の情報です。

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これらの情報は、「データ保持期間」で設定された期間を過ぎると消去されますが、「新しいアクティビティをリセット」をオンにすることで、再訪(厳密にはイベントが発生)したユーザーに関するデータの保持期間は再びリセットされます。

例えば、デフォルトの26ヶ月の保持期間設定の場合。あるユーザーが最後に訪問した月が今年の5月だとします。このまま26ヶ月後まで1度もユーザーが再び訪問しなかった場合は、データが消去されます。

しかし、翌月である6月に再びそのユーザーが訪問した場合、保持期間はリセットされ、その時点から26ヶ月間データが保持されます。
つまり、保存期間内にユーザーが訪問を繰り返している限りは、そのユーザーのデータが消えることはありません。

具体的な設定手順

以下、データ保持に関する具体的な設定の手順です。

【設定手順】
1. Googleアナリティクスにログイン
2. 画面左の歯車アイコン(管理)をクリック
3. 編集したいプロパティから「トラッキング情報」→「データ保持」の順にクリック
4. 「ユーザーデータとイベントデータの保持」で保持期間を変更
5. 「新しいアクティビティをリセット」をオンまたはオフに