初頭効果と親近効果の違いとは?使い分けてしっかり効果的に伝えよう
初頭効果と親近効果の使い分け
一番印象に残したいことを最初に伝える初頭効果と最後に伝える親近効果は、真逆の心理効果です。それでは、結局大事なことを「いつ」伝えるべきなのでしょうか。
それぞれを効果的に使い分けは、聞き手が自分(自社、商品やサービスなど)に対してどの程度関心を持っているかで変化します。どのように使い分けたらよいのか悩んだ場合は、以下ような使い分けがおすすめです。
関心レベルの低い相手:初頭効果
(例)
この商品は他者のモデルに比べて処理速度や画質などのスペックが一回り優れていることが特徴です。他には……
自分の話に対して関心が低い相手にプレゼンテーションをする場合、相手はこちらの話を最後まで聞いてくれるとは限りません。
そのため、最も相手にとって重要な話題やキャッチーな情報などをはじめに持ってくることで、相手の関心を引きつける初頭効果の活用が有効です。
そして初頭効果は、観察力に自信のある人に起こりやすい傾向があります。自分の観察力に自信があるので、最初に抱いた印象が間違っているとは感じにくいためです。
もう一方の観察力に自信のない人は、最新の情報に影響を受けやすい傾向があります。最初に抱いた印象が間違っている可能性を感じるために、常に最新の情報で印象を更新しようとするためです。
関心レベルの高い相手:親近効果
(例)
この商品は、従来の商品に比べ3,000円ほど値上げしています。しかし、権威あるコンテストで賞を受賞していることから品質は保証されています。
相手が自分の話に関心を持っている場合、余裕をもって話を進めることができます。
より確実に相手を説得するために、前半部分に重要度の低い情報、後半部分に重要度の高い情報を持ってくるという構成を意識してください。
相手の判断を後押しする情報を小出しに提示し、最後に最も強みとなる情報を伝える親近効果の活用が有効です。
それぞれの特性を使い分けることで、対人関係や、セールス、コピーライティングに活かすことができます。
初頭効果が起こりやすい場面 | 親近効果が起こりやすい場面 |
---|---|
並列に情報を扱った場合 | 反対の情報を主張した場合 |
一人からの情報の場合 | 大勢の人からの情報の場合 |
観察力に自信のある人 | 観察力に自信のない人 |
関連する心理効果
初頭効果と親近効果は、他の心理効果と組み合わせて使用することで効果がアップします。
ビジネスで使用される心理効果は他のものとリンクしていることが多く、初頭効果と親近効果も例外ではありません。
ここでは組み合わせて利用したい心理効果について紹介します。
1.ハロー効果
ハロー効果とは、対象に権威を感じると評価が変化するという心理効果です。
例えば、書籍の帯に「〇〇推薦!」というコピーが入っているのを目にしたことはないでしょうか。これは「著名な人が推薦している」という情報を一面でアピールすることで、「この本は素晴らしい内容に違いない」と消費者に思わせる効果があります。
このように、何かしらの権威ある人や組織からの推薦、実証などがあれば、それを全面的に押し出すことで初頭効果や親近効果との相乗効果を狙えます。
ハロー効果については、ferretの記事で紹介していますので参考にしてください。
参考:
ハロー効果とは〜あらゆる行動に影響のある心理効果を理解しよう|ferret [フェレット]
2.アンカリング効果
アンカリング効果とは、ユーザーは最初に提示した数字や特徴を元にその後の意思決定をする傾向にあるという心理効果です。
アンカリング効果は、初頭効果の一部であるともみなせます。
特に、自社商材がスペックや価格などで競合にはない強みを持っている場合、まず最初にユーザーに伝えると好印象を得やすくなります。
アンカリング効果については、ferretの記事で紹介していますので参考にしてください。
参考:
営業マンなら知っておいて損はなし!「アンカリング効果」の基本と活用方法を解説|ferret [フェレット]
3.ピーク・エンドの法則
親近効果と似ている「去り際が大切」な心理現象に、ピーク・エンドの法則があります。
人が記憶している経験のほぼすべては、時間的な長さではなく、クライマックスに当たる場面と、終わり際の2つの印象で判断しているという理論です。
例えば、昔見た映画をひとつ思い出してみてください。
ストーリーが一番盛り上がったシーンと、ラストのシーンを思い出しませんでしたか?とくにラストシーンが哀しい終わり方なら哀しい映画、ラストシーンがハッピーエンドならその映画は楽しい映画として記憶していると思います。
2つのシーンで全体の印象が決まるというのが、ピーク・エンドの法則です。
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