Office 365にみるマーケティング戦略

ファンで居続けてもらうための継続利用価値を提供

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Officeは数年に1度アップデートされています。ユーザーには、その都度新しいバージョンのOfficeに買い換えるか、現状のまま使うのかの選択が求められます。買い換える場合は、新たな費用もかかりますし、再度設定も必要になるでしょう。「Office 365」であれば、継続利用している限りは常に最新バージョンが利用できます。また、サービスを継続している限りは、専門家が疑問・質問に答えてくれるサポート制度も利用し放題です。

このように「Office 365」は、継続することで得られる価値をユーザーに提供しています。サブスクリプションモデルのサービスには、1度満足すれば不要になる価値ではなく、継続することで得られる価値の提供が必要になるのです。

買い切り型との差別化

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「Office 365」はオンラインストレージやSkypeから固定電話への無料通話サービスを提供しています。これらのサービスは買い切り型にはないサービスです。サブスクリプション独自の付加価値を提供して、買い切り型との差別化を測っています。

このように、サブスクリプションモデルにのみ特典をつけることで、ユーザーのサービス購入・継続を後押ししています。

購入ハードルを下げて、継続しやすい体制を

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引用:Microsoft Office 製品の購入と比較 | Office

家庭向けのサブスクリプションモデル「Office 365 Solo」は、1ヶ月の無料お試し期間があり、月額費用1,274円で利用できるサービスです。一方、買い切り型の「Office Personal 2016」は、32,184円で購入できます。

数年単位で利用する場合「Office 2016」の方が費用が安くなりますが、サービスを利用し始めるハードルは「Office 365」の方が圧倒的に低いでしょう。

このようにサブスクリプションモデルは、サービスをお試し感覚で始められることもメリットの1つといえます。実際に、音楽配信サービスや映像配信サービスでも「初月無料」などのお試しスタートプランが用意されている場合が多いです。

お試し感覚利用し始めたユーザーに対して価値のあるサービスを提供することで、継続利用を促します。

顧客満足度を上げることで収益が生まれる

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サブスクリプションモデルは、顧客に継続利用してもらうことで収益が生まれるモデルです。既存顧客にどれだけ長く利用してもらえるかが重要であり、継続して使いたくなるような戦略が必要となります。

ユーザーにファンであり続けてもらえるような継続価値のあるサービスを提供できれば、安定した売り上げが見込めるでしょう。