今さら聞けない「リスティング広告の代理店」の選び方
リスティング広告の運用は非常に複雑です。
リスティング広告は、アカウント設計からクリエイティブ、広告ランク、予算設定など様々な要素の中で戦略的に運用する広告です。それゆえ、専任の担当者がいない環境では運用が難しい場合もあるでしょう。
そういったリソースが確保できない企業であれば、「代理店に運用代行を依頼する」という方法が解決策の1つとして挙げられます。
今回は、リスティング広告を代理店に依頼する時に押さえておくべきポイントを解説していきます。
リスティング広告運用を代理店に任せるという手段
まず始めに、リスティング広告の運用を代理店に依頼するメリット・デメリットを確認してみましょう。
メリット:リスティング広告専業のプロに依頼できる
リスティング広告は商材の性質や市場の変化に応じて運用が必要になるため、自社で専業の担当者を育成できることが最も効果的です。
しかし、一朝一夕で運用方法を身に付けられるものではないため、即時的にリスティング広告の必要性を感じているのであれば、まずは代理店に依頼するメリットが大きいと言えます。
なぜなら、リスティング広告の代理店はその名の通り、専業のプロフェッショナルだからです。
自社で広告を管理するためのリソースをまるごと請け負ってもらえるだけでなく、ノウハウを持った専業担当者が運用します。
人的リソースの削減だけでなく成果の向上を見込めます。もちろん、100%成果が出せるわけではないというのは当然ですが、「素人担当者」が運用するのと比べて成功確率は確実に上がるでしょう。
デメリット:自社での運用ノウハウの蓄積が難しい
では、代理店に運用代行を依頼すれば全て問題は解決するのでしょうか。必ずしも「Yes」とは言えません。代理店に頼り切ってしまうことで発生するデメリットも存在します。
それは、リスティング運用を続ければ蓄積されるはずのユーザーのインサイト、検索キーワードの傾向、効果的なアカウント設計などを自社に蓄積できないという点です。もちろん、運用担当者が作成する配信レポートなどを参照することで把握できる情報も多くあります。ただし、実際に運用して得たノウハウにはなり難いのが現実です。
代理店の種類や、依頼する運用プランによっては、運用担当者が単独で運用するだけでなく、自社の担当者と併走する形で運用できることもあります。そういった場合、メインの運用は代理店の担当者に任せ、そこで得た知見を自社のノウハウとして落とし込むといったことも可能です。
リスティング広告の代理店はどれも一緒ではない
リスティング広告など運用型広告を専業とする代理店は多く存在します。どの代理店に依頼しても同じような運用を行ってもらえるわけではなく、当然ながら代理店によって運用方法が異なります。
詳細は後ほど解説しますが、アカウントに付随する管理画面を代理店が管理し、自社ではリアルタイムで運用状況を把握できない場合もあれば、数百人規模の大規模な代理店であれば、新人からベテランまで担当者の運用スキルにばらつきを感じる場合もあります。
リスティング広告にはGoogleとYahoo!それぞれに認定パートナー資格というものが存在します。リスティング広告の知識や運用スキルを認定する資格で信頼性の担保にも繋がるものです。これは、必須の資格というわけではないため、全ての代理店が保有しているわけではないのです。
また、ECを得意とする代理店から、Webサービスのような無形商材を得意とする代理店まで代理店によって特色がことなるため、代理店の強みや自社の商材の傾向によって慎重に選定しましょう。
リスティング広告代理店選びのポイント
リスティング広告の認定資格を保有しているか
画像引用:リスティング広告改善で圧倒的な実績|リスティングプラス
リスティング広告の認定パートナー資格は2つあります。それが、「Google AdWords 認定パートナー」と「Yahoo!マーケティングソリューション パートナー」です。これらを保有している企業は、GoogleとYahoo!から公式に実績や運用スキルを認められていることを示すものです。
先の項目で述べたとおり、この認定パートナー資格は代理店経営に必須ではありません。また、認定パートナー資格を保有しているからといって、必ず優秀な運用担当者が就くとも限らないのですが、代理店への依頼で失敗をしないためのリスクヘッジとして有効です。
運用担当者とコミュニケーション可能かどうか
代理店によっては、自社とコミュニケーションを取るのはフロントに立つ営業担当者ということもあります。営業担当者は直接的に運用に関わっているわけではありません。
相談しながら戦略的にリスティング広告を運用したいと考えているのであれば、運用担当者と直接コミュニケーションを取れる代理店かどうかというのも選定のポイントになります。
運用アカウントないし施策の詳細レポートの共有が可能かどうか
リスティング広告の代理店によっては、運用アカウントを代理店側が保有し、自社で管理画面をチェックできない場合もあります。代理店が独自に開発した入札ツールや広告管理ツールを使っていることもあるでしょう。
すると、自社で確認できるのは代理店が作成した運用レポートのみ。クリック率、CVR、CPAなど各指標のレポートは提示されるものの、運用方法による改善要因などレポートだけでは把握が難しいこともあるでしょう。
なぜ成功したのか、なぜ失敗したのか。これらを知ることで自社のノウハウとしても蓄積できます。代理店に依頼する前に、管理画面の共有が受けられるのか、詳細なレポートを受けられるのかなどを確認してみましょう。
1人の担当者あたり数十社のアカウントを運用していないかどうか
運用担当者1人あたり、数十社のアカウントを並行して運用していることがあります。一方で、担当者1人あたり1社のアカウントを運用する代理店が存在するのも事実です。これらは、代理店の経営スタイルによるものです。
注意しなければならないのが数十社など多くのアカウントを並行運用する代理店です。株式会社リスティングプラス代表の長橋真吾 氏の著書『なぜ8割の企業がリスティング広告で失敗するのか?』によると、1人あたり30社以上のアカウントを運用していないかどうかが、代理店選定の目安となるそうです。
もちろん、独自の運用ツールを用いることで計画的かつ効率的に運用している場合もあるため一概に否定することはできませんが、担当アカウント数が増えるほど1社あたりに割ける時間が限られてしまうのは明白です。初回の打ち合わせの時点で、何社を担当しているのか、どういった方法で運用しているのかを含めて確認することをおすすめします。
参考:
長橋真吾 著(2014年)『なぜ8割の企業がリスティング広告で失敗するのか?』海拓舎出版
まとめ:代理店選びで失敗しないために
リスティング広告の運用を自社で開始したものの失敗してしまった。もしくは、社内リソースが不足しており(集客や顧客の獲得など)思うような成果が出せなかったのであれば、代理店に依頼するメリットは大きいと言えます。
ただし、「リスティング広告の代理店」は一括りにできないほど多種多様です。
- リスティング広告の認定資格を保有しているか
- 運用担当者とコミュニケーション可能かどうか
- 運用アカウントないし施策の詳細レポートの共有が可能かどうか
- 1人の担当者あたり数十社のアカウントを運用していないかどうか
この記事で紹介してきた上記のポイントを踏まえて代理店を選定してみましょう。
- リスティング広告
- リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を、有料で表示するサービスのことです。ユーザーの検索結果に連動した形で広告が表示されるため「キーワード連動型広告」「検索連動型広告」とも呼ばれます。
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- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- リスティング広告
- リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を、有料で表示するサービスのことです。ユーザーの検索結果に連動した形で広告が表示されるため「キーワード連動型広告」「検索連動型広告」とも呼ばれます。
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- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
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- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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- アカウント
- アカウントとは、コンピューターやある会員システムなどサービスを使うときに、その人を認識する最低必要な情報として、パスワードと対をなして使う、任意で決めるつづりです。ユーザー、ID、などとも言います。
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