外に出ると目に入る「OOH広告」。OOHとは「Out of Home」の略で、街頭ビジョンやラッピングカー、電車内の広告など、自宅以外で目にする不特定多数を対象にした広告全般のことです。OOHはこれまで、決まった動画や画像をただ流すことしかできないものでした。しかし最近では技術の進化と共に「DOOH」(Digital Out of Home)が登場し、新たな広告手法が生まれています。

目次

  1. LIVE BOARDが提供する視聴者参加型広告
  2. サッポロビールは乗客の属性によって広告を出し分ける技術を展開
  3. DOOHを活用すれば広告効果の可視化も可能に

LIVE BOARDが提供する視聴者参加型広告

街頭ビジョン大手の「LIVE BOARD」は、2024年3月27日から「インタラクティブ配信パッケージ」の販売を開始しました。この機能は、ユーザーが屋外広告に表示されるQRコードを読み取り、メッセージやイニシャル、キャラクターなどを選んでオブジェクトを作成するというもの。作成したオブジェクトをスワイプすれば、その内容が屋外広告に反映されます。「インタラクティブ」とは「双方向」や「対話型」を意味し、インタラクティブ配信を利用すれば、モバイルと屋外スクリーンを連動させたキャンペーンが可能です。

インタラクティブ配信パッケージの図
出典:話題のDOOHインタラクティブ配信パッケージの販売を開始 リアルタイムに双方向でのコミュニケーションを実現

パッケージの販売に先駆けて2023年12月に期間限定で行なわれたキャンペーンでは、頑張って働く自分や同じ環境の人たちにエールを送る企画が実施されました。これはサラリーマンが主役のラジオドラマ『NISSAN あ、安部礼司 ~BEYOND THE AVERAGE~』とコラボレーションした企画。

LIVE BOARDキャンペーンの図
出典:屋外ビジョンによるインタラクティブ配信キャンペーンを実施 ~年末繁忙期に頑張って働く自分達へ応援するメッセージを~ スマホからメッセージを飛ばして、全国11カ所の屋外ビジョンに共有しよう!

屋外ビジョンに映るQRコードを読み込むと、ドラマでお馴染みのキャラクターのセリフを交えた応援メッセージが選択できます。そしてメッセージを届ける番組キャラクターを選び、自身のイニシャルを入力すると、全国11カ所の屋外ビジョンへリアルタイムに掲示されるというもの。年末の繁忙期を乗り切るための、「みんなで作る応援ボードキャンペーン」としてインタラクティブ配信が利用されました。

またLIVE BOARDではドコモのモバイルデータなどを使って、広告に接触可能な人数の推計や、実際に広告を目にしたと想定できる「視認率」から広告視認者数を導き出すことが可能です。広告掲出後、対象エリアや時間に実際に滞在していた人へアンケートを配信し効果測定も行えるなど、ただ掲出するだけだった従来の街頭広告とは一線を画した施策が実施できます。

サッポロビールは乗客の属性によって広告を出し分ける技術を展開

AIの分野では、2020年にサッポロビールが世界初の「電車内ダイナミックDOOH」を展開しました。「ダイナミックDOOH」とは、外部のデータとDOOHを連動させること。AIカメラが乗客の属性を分析し

電車内ダイナミックDOOHの図

HITウェザーの図

Logicad DOOHの図