マーケティングに何が起こるのか

前項では、ニュー・リテールの概念について、具体的な事例とともに解説をしました。では、具体的にマーケティングにはどのようなことが起こるのでしょうか。

考えられるのは、Webマーケティングという職種の役割の拡張です。

よく使われるマーケティングフレームワークAIDMAに沿って言えば、マーケティングはAction、つまり商品購入をゴールとして施策を考え、実行していきます。

一方でニュー・リテールの概念が実現された場合、Action自体の体験価値もマーケティングの一貫として設計する必要があるのです。つまり、店舗で購入する消費者の体験価値をどのように向上させることができるのか、店舗に来店した消費者が次回にWebから購入してくれるような体験をどうすれば構築することができるのか。そこまで考える必要が出てきます。

まとめ:ニュー・リテールは体験価値の向上を考える

アリババやテンセントでは来店した客が食材を購入し、店舗で調理してもらった経験を元にWeb上への購入に移行するといったことも考えられます。一方でWebでの購入を繰り返した後に再度、店舗へ行って新たな調理方法や食材を吟味することも考えられるでしょう。

Webからリアルへ、そしてリアルからWebへ。
その双方向の導線をうまく設計しながら、消費者の体験価値を向上させる必要があります。

前述の通り、ニュー・リテールの概念が実現される場合、サービスの体験価値の向上というテーマをWebとリアルで考えなければいけません。そう考えると、消費者を連れてくるだけでなく、サービスの体験自体を考える必要があります。時には、ロジスティクス戦略を立案し実行に移していくことや、それ以外のこれまでのマーケティング施策とは異なった施策が必要になってくるでしょう。