認知拡大や販売促進、ユーザーとのコミュニケーションのために、ブランドのSNSアカウントを持つ企業が増えています。なかには、忙しい日々の業務にプラスして、SNS投稿をしている方も多いでしょう。

なかなか投稿内容について考えず時間が確保できず、ついつい機械的な投稿ばかりしてしまうこともあるのではないでしょうか。

せっかくSNSを使っているのに、「お知らせ」「商品入荷」「混雑状況の案内」などの業務連絡のような投稿ばかりでは、興味を持ってもらえません。

SNSの「フォロワー」を「ファン」にするために、フォロワーが見て喜ぶ、楽しめる、もっと人間くさい書き方を目指してみましょう。

今回はブランドのファンを増やし、もっと身近な存在になれる共感ライティングのやり方を解説します。

SNSで最も重要な感情は「共感」である

SNSはなぜここまで私たちの生活には欠かせないツールになったのでしょうか?

その秘密は「共感」にあります。

人は1人ぼっちだと孤独を感じ「誰も私を理解してくれない」と悩んでしまうもの。しかしSNSでは自分の気持ちや考えを発信することで「私も同じです」「その気持ちわかるよ」と共感する人が現れるのです。

SNSを使えば誰かと繋がれる、共感できる、共感してもらえる。その感情がSNSをここまで大きく育てあげました。

SNSに求められるのは「共感」である

若い世代を中心に、調べものをするときは検索エンジンで「ググる」だったものが、SNSのハッシュタグを使った「タグる」に変わりつつあります。

確かに検索すれば豊富な情報がヒットしますが、それは企業やアフィリエイターがSEOを狙ったWeb記事であることが多いのも事実です。

一方でSNSを使って「タグる」ことで、実際に体験した人のリアルな生の声を拾うことができます。「ググった機械的な記事よりも、タグった生の声の方が共感を覚えやすい」とも言えるでしょう。

そんなSNS時代だからこそ、ブランドに求められていることは「共感」です。ユーザーの思いに共感し、ブランドの人間らしさに共感してもらうことが重要となります。

参考:
ゆうこす流、共感されるSNSの作り方

共感ライティングとは

共感はふとした瞬間に生まれるものであり、普段から「共感を生む発言」を意図的にしている人は少ないでしょう。

それでは、どうしたらSNSで共感を生む投稿ができるのでしょうか。

個人ユーザーなら人間らしい悩みやつぶやきを発信することで共感を得られかもしれません。ですが、企業の場合「人間らしさ」を表すのは大変です。

そこで必要となるのが、共感ライティング。企業アカウントであっても、人間らしさやユーザーに身近に感じてもらえるような投稿をするように心がけなければなりません。

共感ライティングのやり方

共感ライティングのやり方を、企業アカウントの事例を参考に紹介します。

文章のうまさは関係ない

いざ文章を書こうとすると「うまい文章を書こう」と意識しがちですが、その必要はありません。

大切なのは「上手な言い回しよりもわかりやすいかどうか」です。その投稿に、難しい単語や専門用語は必要ありません。

とはいえ、自社が対象としているターゲットが専門用語の方を好む場合は、あえて難しい用語を使う場合もあります。

少しゆるくて良い

「いつもより少し砕けた口調」や「ちょっとゆるい感じ」を意識して書いてみましょう。

Twitterの企業アカウントの中にはゆるいキャラ性でユーザーから愛されているブランドもあります。

参考:
面白くてゆるいTwitter企業アカ

共通の話題を見つける

心理学に「類似性の法則」というものがありますが、人は自分と共通している相手に好感を持ちやすいです。

そのためフォロワーとの共通の話題を見つけることが共感ライティングの近道。

世界的に有名なスポーツ選手や歌手の話、最近多い震災についてなどタイムリーな話題に触れるといいでしょう。

実際に、オリンピックなどのビッグイベントの際には、特定の話題に関する投稿がたくさん集まります。自社のターゲットユーザーが話題にしそうなことであれば、積極的に投稿してみましょう。

参考:
SNSの“金メダル”は誰だ?「平昌オリンピック」の17日間の投稿を分析してみた

オリジナルの要素

共感する話題と組み合わせてブランドオリジナルの要素を入れると良いでしょう。

天気が悪くて外に洗濯物が干せないなどの悩みがあったとき、シャープ株式会社はドラム式洗濯機についてツイートしています。

時事性のあるネタと絡めて自社商品をすすめるのも、マーケティングに有効な手法です。

コメントにも反応する

企業アカウントの投稿に、コメントをもらうこともあるでしょう。そのコメントを放置してはいけません。

返信をしたり、コメントから発想を得てまた投稿するなどの反応をすれば、フォロワー自身が取り上げられたことを喜んでくれます。