2020年の東京オリンピックを見据え、現金主義が根強い日本のキャッシュレス比率を40%に引き上げようという、キャッシュレス・ビジョンが2018年4月に経済産業省から発表されました。

一方、実店舗などでは現金支払いと比較して導入や運用にかかるコスト、資金化までのタイムラグなどの理由によりキャッシュレス支払いが普及しにくいとも言及されており、このような状況の解決手段として決済代行サービスの利用が注目されています。

決済代行サービスの導入は、メリットがある反面デメリットもあります。双方をよく理解し、また特徴を理解し導入に失敗しないよう比較が大切になります。

決済代行サービスの特徴

決済代行サービスの特徴

決済代行サービスとは、様々な決済方法を一括で契約し、一つのシステムで管理・運用ができるサービスです。

決済方法には、クレジットカード決済をはじめ、銀行振込や電子マネー決済、コンビニ決済、キャリア決済、仮想通貨決済などがあります。

決済代行サービスの役割は、消費者の購入機会の損失を回避するために、消費者が希望する決済方法を企業や店舗が手軽に取り扱えるようにすることです。

企業や店舗と決済会社の間に入り、契約や運用などをサポートしてくれるため、消費者と企業や店舗、決済会社の3者間での決済よりスムーズな取り引きが可能になるという特徴があります。

決済代行サービスを導入するメリット

決済代行サービスには、導入することで得られる以下のようなメリットがあります。
一方で、導入によるデメリットもあるため、決済代行サービスのメリットとデメリット両方を把握・理解して比較することが重要です。

【メリット1】複数の決済方法が一括で契約でき、購入機会損失を防げる

決済代行サービスを導入する大きなメリットは、複数の決済方法を一括で契約できることです。

例えば、クレジットカード決済とキャリア決済を導入したい場合、VisaやMasterCard、JCBカードなどのカード会社、NTTドコモやau、ソフトバンクといった携帯会社で個別に審査を受けて契約する必要があります。

その他の決済に関しても同様のことが言え、導入する決済方法の数や種類が多いほど契約までに手間や時間がかかってしまうのです。

ですが、決済代行サービスを導入すれば、各決済会社との審査や契約手続きをまとめて代行してくれるため、導入時の負担が大幅に軽減できます。

そして、一括の契約で決済方法を増やすことは消費者が「希望の決済方法がない」という理由で購入を離脱することを防げます。銀行振込のみのサイトとクレジットカード決済、キャリア決済が可能なサイトどちらが使用しやすいか、消費者目線に立つと一目瞭然です。この点は、決済システム導入の大きなメリットです。

【メリット2】入金処理や管理の手間が省ける

入金処理や管理の手間が省けるという点も、決済代行サービスを導入するメリットの一つです。

決済会社によって締め日や入金日、管理システムが異なるため、各決済会社に合わせた入金処理や管理をミスなくこなすには時間も人手も必要になりますが、業務を兼任していることが多い中小企業や個人事業主にとっては大きな負担がかかってしまいます。

決済代行サービスを導入することで入金日や管理システムを一本化できるため、入金処理や管理業務に時間をかけることなく、効率良く進めることができるのです。

【メリット3】社内でのシステム開発やメンテナンスなどが不要

決済代行サービスを導入するメリットには、社内でのシステム開発やメンテナンスなどが不要という点も挙げられます。

決済会社から提供されるシステムと個別に接続するため、それぞれのデータ形式やルールに対応できる社内システムを開発する必要があり、システムのアップデートも随時社内で対応しなければいけないことから、開発・運用コストがかかってしまいがちです。

決済代行サービスを導入する場合は一つのシステムで複数の決済システムを利用することができ、システムのアップデートも決済代行サービスが対応してくれるため、導入や運用が手軽だと言えます。