組織内の情報共有やコミュニケーションを円滑にするグループウェアですが、導入を検討されている方の中には、大手グループウェアサービスの「サイボウズ Office」と「kintone(キントーン)」の違いがよくわからないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、サイボウズ Officeとkintoneの違いは何なのか、機能や価格、特長などから分析します。

※記事内で紹介しているサービス内容・価格等は記事執筆時点のものです。最新情報に関しては、各サービスサイトからご確認ください。

サイボウズ Officeとは

サイボウズ Office
サイボウズ Office

サイボウズ Officeとは、日本のビジネスシーンに必要な機能が備わった、国内シェアNo.1のグループウェアです。

サイボウズ Officeは、クラウド型とオンプレミス(パッケージ)型の2種類に分かれており、どちらも導入前に無料で試すことが可能です。

サイボウズ Officeの機能

サイボウズ Officeには、以下のような機能が搭載されています。

  • スケジュール・施設予約
  • メッセージ
  • 掲示板
  • ファイル管理
  • ワークフロー
  • メール
  • カスタムアプリ ※1
  • 電話メモ
  • アドレス帳・ユーザー名簿
  • 報告書
  • プロジェクト
  • ToDoリスト
  • タイムカード
  • Cybozu Desktop ※2

サイボウズ Officeは、クラウド型とオンプレミス型共に、パソコンだけでなくスマートフォンでも利用できます。

ワークフローとカスタムアプリ、報告書、プロジェクト、Cybozu Desktop機能は、クラウド型またはサービスライセンス有効期間中のオンプレミス型で利用できる機能です。

※1…日報や共有タスク管理、商談進捗管理など、業務用アプリケーションの作成が可能な機能
※2…サイボウズ Officeを起動していなくても、新着情報や会議の開始時間などを通知してくれるリマインド機能

サイボウズ Officeの価格

サイボウズ Officeは、スタンダードとプレミアムの2種類のプランに分かれており、クラウド型とオンプレミス型によっても価格が違います。

クラウド型

プラン名 スタンダード プレミアム
初期費用 0円 0円
月額/ユーザー 500円 800円
年額/ユーザー 5,880円 9,405円

サイボウズ Officeのクラウド型は、初期費用が無料、1ユーザーあたり月額500円から利用できます。

最低5ユーザーから、1ユーザー単位での契約となっており、最低契約期間は1ヵ月です。

その他、社外からのアクセスにおいてクライアント証明書をインストールした端末だけがアクセスできる機能が1ユーザーあたり月額250円、10GBのディスク容量の追加が月額1,000円で利用できるオプションも提供されています。

オンプレミス型

プラン名 スタンダード プレミアム
10ユーザー 63,800円 82,800円
20ユーザー 97,800円 128,000円
50ユーザー 189,000円 248,000円
100ユーザー 378,000円 498,000円
150ユーザー 528,000円 680,000円
200ユーザー 684,000円 880,000円
250ユーザー 840,000円 1,080,000円
無制限 1,380,000円 1,680,000円

サイボウズ Officeのオンプレミス型はプランだけでなく、利用ユーザー数によって価格が違います。

導入初年度においては、無償バージョンアップやワークフロー、電話サポートなどが利用できるサービスライセンスが無料です。

また、外出先から安全にアクセスできるリモートサービスがオプションとして提供されており、初年度は年額108,000円(10ユーザー)から利用できます。

サイボウズ Officeの特徴

誰でも簡単に使える操作性

サイボウズ Officeは、誰でも簡単に使える操作性が特長として挙げられます。

多機能なグループウェアの場合、操作が複雑で使いづらく社内に浸透しなかったため、期待していた効果が得られなかったというケースも少なくありません。

しかし、サイボウズ Officeは多機能でありながらシンプルでわかりやすい画面設計が行われており、グループウェアの操作が初めての人でも簡単に使いこなすことができます。

厳重なセキュリティ体制

厳重なセキュリティ体制が整っていることも、サイボウズ Officeの特長です。

具体的には、

  • 複数の認証プロセスを採用
  • 万が一の障害も短時間で自動回復
  • 4重のバックアップ体制
  • 作業の自動化によるヒューマンエラーの防止
  • 日本国内にサーバーを設置

などが挙げられます。

外部からの不正アクセスやログインによる情報漏洩のリスクを低減させるだけでなく、ハードディスクの冗長化や、専用サーバーによる1日1回のバックアップ(14日分の保管)、ミラーリング、遠隔バックアップといったデータ消失防止のためのバックアップ体制も整っています。

特に、グループウェアをクラウド型で導入する場合にはセキュリティ面が不安要素になってしまいがちですが、これらの厳重なセキュリティ体制によって、サイボウズ Officeはクラウド型でもシェアNo.1を獲得するなど、多くの企業から信頼を得ています。

60,000社の導入実績あり

サイボウズ Officeは、60,000社もの導入実績をもつグループウェアです。

1997年の発売以降、10,000件以上の要望を製品に反映し、様々なビジネスニーズに応えてきたことが多くの企業に選ばれている理由の一つとして挙げられます。

その他にも、選べるプランや購入方法、導入前だけでなく導入後も安心して利用できるフォロー体制などが、サイボウズ Officeの導入を後押ししているのではないでしょうか。

kintoneとは

kintone(キントーン)
kintone(キントーン)

kintone(キントーン)とは、業務アプリを簡単に作成できるクラウド型のグループウェアです。

kintoneを導入することで、開発知識がなくても自社の業務に合わせた業務アプリを作成し、業務改善に役立てることができます。

業務用だけでなく、社内コミュニケーションをスムーズにする機能も備えているため、スムーズな情報共有が可能です。

kintoneも、サイボウズ株式会社が提供しており、無料で試した後に導入できます。

kintoneの機能

kintoneには、以下のような機能が搭載されています。

  • アプリ作成
  • 一覧ビュー
  • コメント
  • 通知
  • グラフ作成
  • プロセス管理
  • ルックアップ ※1
  • CSV出力
  • 全文検索
  • スペース ※2
  • ゲストスペース ※3
  • ピープル ※4
  • アクセス権管理
  • ユーザー管理
  • 変更履歴
  • 監査ログ

kintoneはクラウド型のグループウェアのため、パソコンやタブレット、スマートフォンで利用可能です。

スマートフォン用のkintoneアプリを利用することで、より快適な運用が期待できます。

※1…他のアプリのデータを取得できる機能
※2…プロジェクトやタスクに関するデータ共有やコミュニケーションが可能な機能
※3…社外へ安全に情報共有ができる機能
※4…マイページやタイムライン、メッセージでコミュニケーションがとれる機能

kintoneの価格

プラン名 ライト スタンダード
初期費用 0円 0円
月額/ユーザー 780円 1,500円
年額/ユーザー 9,170円 17,640円

kintoneは、初期費用が無料、1ユーザーあたり月額780円から利用できます。

1ユーザー単位での契約が可能(最低5ユーザーから)で、最低契約期間は1ヵ月です。

その他、オプションも提供されており、社外の方を招待できるゲストスペースが1ユーザーあたり月額580円から、アクセスする端末を制限できる機能が月額250円、10GBのディスク増設が月額1,000円で利用できます。

kintoneの特長

コミュニケーション機能が豊富

kintoneの特長として、コミュニケーション機能が豊富であることが挙げられます。

kintoneに搭載されているコメント機能は、個々のデータに対してコメントを書き込むことができるため、指示やアドバイスにかける時間の短縮に効果的です。

また、テーマごとに掲示板を作成したり、情報を蓄積したりできるスペース機能、社外との情報共有の場として使えるゲストスペース機能、社内で気軽にアイディアを投稿したり、メッセージを送ったりできるピープル機能が搭載されており、社内コミュニケーションの円滑化を加速させます。

高度なカスタマイズが可能

高度なカスタマイズが可能な点も、kintoneの特長のひとつです。

API連携やJavaScriptプラグインを使用することによって、高度なカスタマイズが可能になります。

その他、CSSによるデザインのカスタマイズなども可能なため、より自社に合ったグループウェアを構築できます。

また、開発パートナーがいるため、専門家に構築をサポートしてもらうことも可能です。

【カスタマイズ例】
・API連携…他のシステムやWebサービス、スマートフォンアプリとのデータ連携/API経由でのレコードデータ更新/複合機などの機器との連携
JavaScript…地図との連携/ToDoをガントチャートで表示/条件書式・ダイアログ表示
プラグイン…いいね!プラグイン/ガントチャートプラグイン/条件書式プラグイン

充実のサポート体制

kintoneは、サポート体制が整っているグループウェアです。

導入後、kintoneをうまく活用できるように、自分で学べる学習コンテンツを数多く提供しています。

例えば、「kintoneとは何?」という概念の理解から運用まで、各段階に合ったお役立ち情報の提供、セミナーの開催、導入相談、テクニカルサポート、連携サービスの紹介などです。

また、オフィシャルパートナーが300社以上もいるため、アドバイザーの派遣や研修、コンサルティングによるスキル習得、開発依頼などもできます。

サイボウズ Officeとkintoneの違い

サイボウズ Officeとkintoneの大きな違いは、柔軟なカスタマイズ性です。

サイボウズ Officeでは基本的に標準搭載された機能を使い、状況に合わせてJavaScriptやカスタムアプリでのカスタマイズできますが、利用できる提供方法(クラウド・オンプレミス型)やプランが限定されています。

kintoneもサイボウズ Officeと同じくカスタマイズが可能ですが、社内で必要な機能をアプリとして作成して構築するタイプのグループウェアで、Excelの取り込みやサンプルアプリからの選択、一から作るなど、アプリの作成手段も豊富なため、カスタマイズ性に長けていると言えます。

また、他のシステムとの連携やJavaScriptプラグインを使った高度なカスタマイズも可能です。

サイボウズ Officeとkintoneの比較表

サービス名 サイボウズ Office kintone
初期費用 0円~ 0円~
月額/ユーザー 500円~ 780円~
提供方法 クラウド・オンプレミス クラウド
対応言語 日本語 日本語・英語・中国語
カスタマイズ
※クラウド型のみ
対応端末 PC、タブレット、スマートフォン PC、タブレット、スマートフォン
トライアル

まとめ

今回は、サイボウズ Officeとkintoneの違いとしてカスタマイズ性を挙げました。価格や提供方法などにも多少の違いがあるため、どちらを選べば良いのか迷ってしまうかもしれません。

できるだけ費用を抑えたい、よりセキュアな環境で運用したいならサイボウズ Office、海外の拠点でも利用したい、自由にカスタマイズしたいならkintoneというように、何を優先するかで選択が違います。

スムーズに導入するためにも、優先すべき条件を明確にしてから検討しましょう。