Googleは米国版の検索エンジンに、ユーザーの長期にわたる検索行動を助けてくれる機能「アクティビティカード」を追加しました。

今回はアクティビティカードの検索関連機能について解説し、もしも今後日本で導入された場合の影響を考察します。

参考:
Pick up where you left off on Search
Google、Activity Cardの導入を開始。モバイル検索とアプリで利用可。まず、米国の英語検索から

Google「アクティビティカード」とは

アクティビティカードとは、Googleで検索を行ったとき、ユーザーの過去の検索履歴や閲覧履歴に応じて、検索結果の上部に訪問済みのWebサイトが表示される機能です。

アクティビティカードは2019年1月9日に米国版Googleでの導入を開始しました。現在利用できるデバイスはモバイル版とスマホアプリ版のみとなっています。

アクティビティカードの表示場所

アクティビティカードは、ユーザーが最後に検索したキーワードや訪問したページなどをもとに自動生成されます。

activitycard_-_2.jpg
引用:Helping you along your Search journeys

スマートフォンの表示だと、上記の赤枠内がアクティビティカードです。
アクティビティカードには、検索したキーワードを元に過去に訪問したページや何度も訪問したページが表示されているため、ユーザーは再度同じページに訪問するのが容易になります。

アクティビティカードの表示が不要な場合は、設定すれば非表示にもできます。

残しておきたいページはコレクションに保存

検索でたどり着いたページを「後でまた確認するから残しておきたい」という場合、コレクションに保存しておくことも可能です。

さらにコレクションに保存したページをもとに、関連するページの提案してくれる機能もあります。

次に何を検索すればいいかもわかる

アクティビティカードには、特定のキーワードに関するカテゴリ分けのタブもあります。

例えば「パグ」と検索した場合、「名前」「健康」「しつけ」などのタブで分かれており、関連情報ではあるもののカテゴリーごとに詳しく検索できます。

この機能があることでユーザーが「次に何を検索すればいいのか」を知ることができます。

アクティビティカードはSearch Journeyの手助けをしてくれる

ユーザーは調べ物をするとき、検索エンジンにキーワードを入力して自分が必要とする情報を探していきます。ときには思うような情報が得られず、2回、3回とクエリを変えて検索することもよくあるでしょう。

また、1ページ目のみならず2ページ目以降まで目を通し、いくつものサイトに訪問することもあります。

こういった一連の検索行動をGoogleは*「Search Journey(サーチジャーニー)」*と呼びます。

Search Journeyは数分で終わることもありますが、家電の買い替えや旅行の計画などをする際には、何日もかけてユーザーは検索行動をします。

例えば旅行の計画をするとき、飛行機の相場からホテルの比較、観光地のルートまで検索する人も多いでしょう。何回もキーワードを変更して情報を集め、何日もかけてしっかりと旅行の準備をします。

こういった検索行動をしているうちに「あのページがもう一度見たい」「どんな言葉で検索していたんだっけ?」と忘れてしまうこともあるでしょう。

そんなSearch Journeyを手助けするために追加された機能が「アクティビティカード」です。

アクティビティカードの導入で考えられる影響

2019年2月現在、アクティビティカードは米国版のGoogleのモバイルとアプリにのみ導入されています。日本ではまだ利用できませんが、今後日本を含め世界に順次導入されていく可能性はあるでしょう。

アクティビティカードが導入されることで、過去に検索したページやキーワードを保存してくれるため、ユーザーは見たいページに素早くアクセスできるようになります。

一方で、通常の検索結果はアクティビティカードの下に表示されます。
ユーザーにはまずアクティビティカードが表示され、その次に必要な場合に限り検索結果を見るようになるのです。

検索で一番上位に表示されているWebサイトであってもアクティビティカードの下に表示されるようになるため、場合によってはアクセス数が減少することも考えられます。Webサイトを運営している人は、アクティビティカードに追加されるようなコンテンツ、つまりユーザーが何度も訪問してくれるようなコンテンツ作りを今以上に意識していく必要があると言えるでしょう。

よりユーザー目線に立ったコンテンツ作りがカギ

ユーザーの利便性を向上させるため、Googleはアクティビティカードを導入しました。

これにより、コンテンツ制作者には、ユーザーが何度も閲覧したくなるような良質なコンテンツが今以上に求められるようになるでしょう。

本当にユーザーが必要とする情報は何なのか、よりユーザー目線に立ったコンテンツ作りが必要です。