選び方のポイント

RPAは国内・海外含め、多種多様なソフトが開発されています。また、それぞれのソフトには特色や独自性があるので、自社の業務方針との相性や操作の難しさを見極める必要があります。RPA導入時に注目したい、ソフトを選ぶポイントを3つご紹介します。

1.自動化したい作業が実現可能か?

RPA導入のでも触れたように、まずはRPAを導入する目的を明確にしましょう。そのうえで、具体的にどのような作業を自動化したいのかを洗い出します。データ入力や出退勤時間の管理など、洗い出した作業を自動化してくれる機能がついているRPAを選ぶことで、狙った通りの効果をあげられます。

また、RPAの中には、便利な機能やシステムが大量に組み込まれたソフトもあります。しかし、多機能すぎるソフトを導入すると、従業員が使いこなせず現場で混乱を招く可能性があります。便利だからととにかく機能が豊富なものを選ぶのではなく、自動化したい作業に適した機能がついているかを基準に選ぶとよいでしょう。

また、おすすめの機能として

  • 作業操作の自動記録
  • OCR機能

があります。この2つの機能は業種・導入目的に関わらずについていると便利な機能なので、導入時に検討してみるとよいでしょう。

2.費用は予算に合うか?

RPAは月単位・年単位で利用料が発生するものや、サービス・システムによっては導入後に追加料金が発生するものなど、様々な種類があります。買い切りタイプやリースタイプなど、ニーズに合わせて多様な展開をしているものもあるようです。

価格は要問い合わせとしている会社が多いのですが、大体の相場として年間平均100万円前後の予算を組んで導入している企業が多い傾向があります。規制産業など、高いセキュリティを要する業種は、年間200~300万円ほどするシステムを導入しているところもあります。

ただし、価格が高い=導入・運用が成功しやすい、というわけではありません。例えば50万円程度のRPAを利用して、運用が成功している企業ももちろんあります。限られた予算でRPAを導入したいのであれば、クラウド型のRPAは比較的低価格で導入できるので、検討してみましょう。

安価なRPAの代表例としては、「PINOKIO(ピノキオ)」や「Autoブラウザ名人」があります。また、すべて英語表記にはなりますが、RPA Express(アールピーエーエキスプレス)は完全無料で利用できます。どれも最低限必要な機能は揃っているので、どのくらい作業効率や生産性がアップするかを試してみるのも良いでしょう。

ここで注意したいのは、RPAは導入後も費用がかかるということです。RPAの開発や管理・維持には費用がかかります。初期投資を低価格で抑えても、RPAが定着すると同時に事業を拡大し、利用範囲を増やせばその分費用は発生します。RPAを導入する際は初期費用だけに注目するのではなく、将来的な運用計画を踏まえたソフト選びをしましょう。

3.運用が定着しそうか?

RPA導入において、導入後に定着するのかは最も重要なポイントでもあります。まず、設定に特別な知識や技術はいりませんが、正常に動作するよう設定できなければ導入した意味がありません。操作方法の簡易性や画面の見やすさも重視して選びましょう。

  • 日本語ですべて対応できるもの
  • RPAサポートシステムが充実しているもの
  • コールセンターに問い合わせしなくてもソフト上で問題が解決できるもの
  • デモ操作や例がわかりやすいもの

例えば、人間が作業している場面を自動録画し、その動画からシステムに動作・手順・ルールをインプットできるものや、必要な作業画面をドラッグ&ドロップして図式化できるものもあります。使いやすくシステムの理解がしやすいものは、定着しやすい傾向があるようです。RPAの導入した後の生産性ばかりに注目するのではなく、使いやすさも重視しましょう。

また、RPAを導入するにあたって、PCやシステムの新規導入が得意な人材を社内で集めておき、プロジェクトチームを立ち上げるのもおすすめです。導入に向けてのマニュアルを作成して、社内で共有するのもよいでしょう。RPAのベンダーには、デモ版を配布しているところもあります。実際にプロジェクトチームでデモ版を体験してみて、最も使いやすいものを導入すると、定着率のアップにもつながるでしょう。