抜群の認知度のCMフレーズ

ferret:
今回の「伯方の塩 2代目声優オーディション」はどのような狙いから生まれた企画だったのでしょうか?

高瀬氏:
まず、伯方塩業さんの強みや財産は何だろうと考えると、あの「は・か・た・の・しお」のCMのフレーズが出てきたんですね。CMでずっと流れていて、きっと伯方塩業さんの商品を買ったことがない人でも、あのフレーズは知っているじゃないですか。この誰もが知っていることって、とても価値あることなんですよね

例えば、地上波の音楽番組などに出演しているアイドルグループでも、顔と名前が一致する人って全体の数%に過ぎないと思うんです。それくらい、誰もが知っていることって貴重なんですよね。

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ferret:
その認知度を活かしたキャンペーンを考えたということですね。

高瀬氏:
そうですね。やはり人の興味を惹きつけるのに、認知があるという条件は非常に重要です。人は自分の知らないものにはなかなか興味を持ちませんから。

加えて今回のケースで言えば、伯方塩業さんのイメージも企画段階で考えましたね。

ferret:
伯方塩業さんのイメージというと、やはり老舗だったり、ちょっとカタいようなイメージですかね。

高瀬氏:
おっしゃる通りですね。伯方塩業さんってCMのフレーズも相まって、「今風というよりは老舗」「ふざけているというよりは真面目」というイメージがあると思います。このようなイメージのある企業が、ちょっとふざけてみたり、いじられたりするのってTwitterなどのインターネットユーザーは好きそうだなと思っていたんです。そういったパロディなんかもバズったりしますし。

そこで、この認知度抜群のフレーズと、ちょっと砕けたパロディをかけ合わせて、今回の企画を考えつきました。

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ferret:
バズを狙う場としてはやっぱりTwitterがよかったのでしょうか?

高瀬氏:
そうですね。やはりTwitterは拡散力が強いですから、他のSNSだとここまでのバズは起きなかったかもしれません。

また、今回のキャンペーンはターゲットとして声優や、声優に憧れている人を狙っていたんです。そういった方たちはTwitterをよく利用しているイメージもあったので、Twitterを拡散の場として選びました。

二次創作の余白

ferret:
実際にキャンペーンを出してみてからわかった、今回のバズの要因はどのような点でしょうか?

高瀬氏:
まず、伯方の塩のフレーズのシンプルさが良かったですね。フレーズがシンプルなだけに、誰でも応募できる反面、好きなようにもいじれるんです。

人って、好きなようにしていいよって言われるとみんな難しくて何をしていいか分からなくなるんですけど、ある程度のフォーマットがあれば、そこから自由に派生して何かを生み出していけます。しかし、フォーマットが細かく決まっていると、自由にしろと言われても何もできませんよね。このフォーマットの型と余白が良かったんだと思います。

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ferret:
確かにフレーズだけなら誰でも参加できますし、一方でフレーズの域を超えて、曲にしてしまう応募者もいましたね。

高瀬氏:
そうなんです。「バズ」って大喜利みたいになれば勝ちだと思っていたので、そうやって自由なコンテンツが次々に生まれたのはすごく嬉しかったですね。