スーパーボウルはなぜアメリカであれだけの注目を集めるのか
イベントの集客に苦戦する企業は多く、リピーターとなるファン獲得のハードルはさらに高くなっています。
そんななか、アメリカンフットボールのプロリーグ「NFL」の優勝決定戦であるスーパーボウルは、国内外の観客を多く引きつけ、全米視聴率ランキングを独占。スーパーボウルが開催される2月の第一日曜日は「スーパーサンデー」と呼ばれ、「街に人がいなくなってピザ屋のバイクしか走らなくなる」「ハーフタイムにトイレ休憩の人が殺到して水道管が破裂する」などの都市伝説を中心とした“スーパーボウル現象”が囁かれるほどの人気を誇ります。
さまざまなスポーツがファン獲得に試行錯誤している中、絶大な人気を維持している理由は何でしょうか?スーパーボウルの経済規模や人気の理由を解説し、イベントを成功させる秘訣を分析します。
スーパーボウルの経済規模
スーパーボウルのブランド価値は、2015年のForbesの発表では5億8,000万ドル(約705億円)とされており、夏のオリンピックやサッカーワールドカップ以上の規模です。
NFLのスーパーボウル関連の収入は、NFLのチーム1つ分。人々がスーパーボウルを観戦しながら食べたり飲んだりする飲食費はクリスマス級で、感謝祭に次いで2番目に多いと言われています。さらに細かく経済効果をみていきましょう。
参考:
フォーブス集計「世界で最も高価値なスポーツイベント」10 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
放映権料
スーパーボウルの放映権料は各テレビ局がそれぞれ年間約10億ドルを支払うと言われています。レギュラーシーズンの各試合、プレイオフなども含めた試合の放送に対して、NFLにそれぞれ決められた条件で放映権料を支払っています。テレビ中継の視聴率は、なんと40%以上。どのテレビ局も放映権を獲得したがります。
参考:
スーパーボウル1試合でCM300億円!?放映権料で考えるスポーツの「価値」。 - NFL - Number Web - ナンバー
コマーシャル出稿料金
スーパーボウルのコマーシャルの出稿料金は、30秒当たり400万ドルほど。全米で一億人以上の視聴者を持つスーパーボウルは、立派なブランドです。影響力が大きく多くの人に認知されるきっかけになるうえに、一大イベントをサポートしているという名誉や権威性も得られます。コマーシャルを流すメリットはじゅうぶんにあるため、これだけ莫大な金額を支払う価値があるのです。
参考:
スーパーボウル1試合でCM300億円!?放映権料で考えるスポーツの「価値」。 - NFL - Number Web - ナンバー
開催地(ホテル・レストラン等)
スーパーボウルを開催する都市には、約6憶ドルの経済効果が見込めます。木曜日から日曜日までの4日間は「人生最高の4日間」と呼ばれ、スーパーボウルの開催に合わせてさまざまなイベントが催されるのです。ホテルの宿泊、交通機関の利用費、レストランなどの飲食費、ショッピングなどの購入費を合算すると、莫大な金額が動きます。スーパーボウルの観戦チケットの倍率はかなり高く、約7割の観客が「はじめての観戦」。観戦に行くのは一生に一度のスペシャルな出来事であり、自然と財布の紐はゆるくなるでしょう。
参考:
NFLスーパーボウル 経済効果600億円が生まれる理由(THE PAGE) - Yahoo!ニュース
そもそもなぜアメフトが人気なのか
アメリカは「フットボール・カントリー」と呼ばれるほどアメフト愛が強く、スーパーボウルはワールドカップ以上の存在感を放ちます。実際に米国人が好きなスポーツを調べたところ、フットボール(NFL)と回答したのは34%とダントツの一位。二位のベースボールは16%で、ベースボールの倍の人気があります。なぜアメリカではアメフトが人気なのでしょうか?
戦力を均衡化して、より熾烈なゲームに
まず、戦力の均衡化。NFLは各チームの格差をなるべく排除し、それぞれのチームの実力が均衡化するようにコントロールしています。コントロールの手段は、リーグ利益を均等に分配する「レベニュー・シェアリング」、選手獲得に使う金額を制限する「サラリーキャップ」、下位チームが優先して指名する「ウェイパー制ドラフト」の3つ。
これによって特定のチームだけが強くならないように調整でき、実力が均衡して激しく盛り上がるゲームが展開できます。
休日に開催し、テレビ放送して「家族行事」に
試合の開催日を休日にして、人々が観やすい環境を整えたことも人気の秘訣です。感謝祭やクリスマスにスーパーボウルを開催することで、家族が集まってテレビ観戦するようになり、毎年恒例の家族行事として定着させました。
スーパーボウルが家族のコミュニケーションのきっかけになり、大切な思い出となることでブランディングにも貢献します。
エリア放送のルールでチケット販売を促進
最近はスマートフォンなどネット環境が整い、自宅からでもリアルタイム視聴しやすくなりました。テレビ放送を見て満足する人も多いため「わざわざ足を運んで観戦しなくてもいい」と考える生活者が増えています。
そこで、NFLは「試合開始72時間(3日)前までにチケットが完売できない場合、スタジアムから75マイル(約120km)以内のエリアでは試合が放送されない」というルールを設けました。これによってチケットが完売するようになったのです。
スーパーボウルがこれだけの規模になった理由
通常のNFLだけでなく、スーパーボウルを盛り上げるための工夫にも余念がありません。さまざまな取り組みがありますが、特に効果的な理由は以下の2つでしょう。
試合当日までの1週間にイベントが開催
スーパーボウルの試合当日までの1週間は「スーパーボウルウィーク」と呼ばれ、街中はチームカラーに染まり、とても華やかになります。開催都市では多くのイベントが開催され、アメフトに興味がない人でも自然と期待感が高まり、盛り上がりに拍車をかけるのです。
2020年にマイアミで開催されたスーパーボウルウィークでは、多くのミュージシャンが圧巻のパフォーマンスを披露しました。前夜祭イベントでは、2017年のスーパーボウルのハーフタイムショーでもメインアクトを行ったレディーガガが出演。ほかにもグラミー賞で注目を集めたリゾがイベントに登場しました。
観客を飽きさせない豪華すぎるハーフタイムショー
スーパーボウルはハーフタイムショーがとても豪華なことも知られています。一流アーティストによる魅力的なパフォーマンスが繰り広げられ、休憩中も観客を飽きさせません。今までもザ・ローリング・ストーンズ、プリンス、レディーガガ、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、ケイティ・ペリー、マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロス……と錚々たる面々が参加してきました。
2020年2月にマイアミのハードロック・スタジアムで開催されたスーパーボウルでハーフタイムショーのメインを務めたのはジェニファー・ロペスとシャキーラ。「多様性があり政治的なメッセージにあふれたパフォーマンス」と話題を集めました。ハーフタイムショーがスーパーボウルのスペシャル感を高め、ブランドの価値を上げているのは間違いありません。
フットボールの人気は計算の上に成り立っている
どんなメジャースポーツも、緻密な計算をしなければ人気は維持できません。人の心理を踏まえた的確なプロモーションによって大きな人気を獲得しているのです。一般的なイベントにおいても「どうすれば人々の興味を引きつけ熱狂させられるか」考えれば、人気を集められるでしょう。スーパーボウルを参考にしてマーケティングプランを練ってはいかがでしょうか。
- リピーター
- リピーターとは、商品やサービスに愛着を持ち、繰り返し利用してくれるお客様のことです。 リピーターを獲得することは、ホームページを使って売上を上げるためにも重要な指標の一つと言えます。
- シェア
- シェアとは、インターネット上で自分が見つけて気に入ったホームページやブログ、あるいは、Facebookなど自分自身が会員登録しているSNSで自分以外の友達が投稿した写真、動画、リンクなどのコンテンツを自分の友達にも共有して広めたいという目的をもって、SNSで自分自身の投稿としてコンテンツを引用し、拡散していくことをいいます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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