第5世代の通信システム「5G」の実用化など、人々が扱う情報量は技術の発展に伴って増加しています。

特に動画サービスはYouTubeやTikTokなどのSNSの普及により、人々の生活の一部となってきています。企業のマーケティングもこの変化に伴い、マーケティングの手段としての動画活用が普及してきました。

動画は制作に時間と費用のコストがかかるものですが、最近ではユーザーが作成したUGCを利用した動画を活用して成果を出している企業も増えています。

今回はそんなUGCの活用をサポートする、ダイレクトマーケティング特化型UGC活用ソリューション「Letro」を提供するアライドアーキテクツ株式会社の村岡弥真人氏に、UGCを利用した動画クリエイティブの活用法について伺いました。

動画の訴求力

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ferret:
そもそも、なぜ動画は訴求力が高いと言われているのでしょう?

村岡氏:
動物って本能的に動くものに目を向けてしまうんです。人間もその例外ではないので、動きのある動画は、テキストや静止画と比べて視線を集めやすいんです。

さらに、動画は静止画と違って「長さ」と「音」が情報として詰め込めるため、静止画以上の表現が可能となります。

ferret:
アテンションを集めつつ、訴求の幅も広がるのですね。

具体的にはどのような訴求が可能となるのでしょう?

村岡氏:
1つはストーリー性ですね。実際に商品を使用している様子や、商品が入っている箱を開ける様子など、見る人の体験に寄り添った表現が可能となります。

もう1つが、*本来五感で感じる質感などの表現が豊かになります。*例えばトロトロとした粘度の高い質感がウリの美容液などは、静止画よりも動画の方がその質感が伝わりやすいですよね。

ferret:
確かに静止画より質感がイメージしやすいですね。

購入前の最後の後押しをするUGC動画

ferret:
アライドアーキテクツさんではUGC動画の活用支援をされていますが、そもそもUGC動画とはどのようなものなのでしょう?

村岡氏:
このような、商品のユーザーがSNSなどに投稿した動画です。商品の使用感や使い方が伝わりやすく、この動画を活用することでユーザーへの訴求力が高くなります。

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ferret:
このようなUGC動画と、UGCを活用せずに制作した動画に違いはあるのでしょうか?

村岡氏:
そもそもの役割とコストが大きく異なりますね。

UGCを活用しない動画は、ブランドの世界観を伝えることや、商品を認知してもらうことが目的となることが多いです。

そのためタレントを起用したり、構成を練ったりとなるべく記憶に残るような工夫を凝らすため費用と工数がかかってしまいます。

ferret:
確かにTVCMのような規模になると、広告代理店と共に制作することもありますね。

UGCを活用した動画はどのような目的なのでしょうか?

村岡氏:
UGCを活用した動画はLPに挿入するような使われ方が多く、*検討段階のユーザーの最後のひと押しとなるような目的で使用されることが多いですね。*ユーザーが制作した動画を利用するためコストも抑えられます。

ferret:
それだけそもそもの役割が違うのですね。
UGC動画では構成を考える必要はないのでしょうか?

村岡氏:
考えなくてよいわけではないですが、そもそもユーザーが動画コンテンツとして成立するように考えて制作していますので、構成はある程度練られているんです。

ferret:
確かにテロップなど、すでに編集されている動画もありますね。

村岡氏:
そうなんです。こうした構成がある程度考えられた動画がユーザーによって投稿されるので、1つ1つの動画をゼロから制作必要する必要がなく、訴求をパターン分けしながら効果検証を行うことも可能となります。
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ferret:
UGCが生まれていない場合はどのようにUGC動画を制作すればよいのでしょう?

村岡氏:
インフルエンサーの方に依頼したり、キャンペーンとしてサンプルを配布してその使用感を投稿してもらうなどすれば解決できますね。それでもかかるコストは比較的安価で済みますし、キャンペーン自体がSNS上での認知獲得につながる場合もあるので*「一粒で二度美味しい」*施策になります。

UGC動画の効果

ferret:
UGCを活用した動画はどのように活用されることが多いのでしょう?

村岡氏:
先程お伝えしたように、広告のLPで利用されることが多いですね。よくある「利用者の声」のようなパートに挿入することで、よりユーザーが利用シーンを想起できる、という狙いで利用されることが多いです。

ferret:
やはり静止画よりも効果が高いのですか?

村岡氏:
そうですね。動画ならではの訴求により、CVRやCPAが改善される傾向にあります。

例えば、Primo Ordine(プリモディーネ)という化粧水は、動画UGCを活用することでCVRが1.6倍に、CPAが41%減に、という効果がでています。

実際にLPに挿入されている動画

ferret:
確かに質感や使用感などが想起されますね。

村岡氏:
そうですね。UGC動画はこのような*「ユーザーならでは」の視点*から制作される動画なので、実際に使用する様子などがCVの最後のひと押しになりやすいですし、「使い方」という形で掲載することで自然と注目を集めることもできます。

特に肌に付けるような商品はその質感が重要になってくることが多いので、このようなUGC動画は特に有効ですね。

先程紹介したこちらの「鈴木ハーブ研究所」さんのムダ毛対策ローションも動画UGCを活用することで、CVRが1.2倍に向上しています。

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ferret:
たしかに自分が買ったときのイメージがつきやすいですね。

ポイント

ferret:
このUGCを用いた動画を利用する際のポイントなどはありますか?

村岡氏:
UGC動画はコストが抑えられる分、クオリティが高い動画ではないので、ブランドの世界観を毀損してしまう恐れがあり、使い方には注意が必要ですね。

1つの解決手段としてはこちらの動画のようにブランドのロゴを動画内に挿入する方法です。

ferret:
確かにこれだとユーザーの動画をそのまま、という感じはせず、企業の動画のような雰囲気になりますね。

村岡氏:
そうですね。ただ、あくまで*「ユーザーの購入を最後に後押しするもの」*という役割をきちんと理解しておくことが重要ですね。

また、さまざまなマーケティングにおいて共通することですが、この施策を行えばすべてが上手くいく、というわけではないので、ファネル全体を最適化する視点が必要です。

ferret:
あくまで特別なものではなく、マーケティング活動の1つの手段であることに変わりないということですね。

村岡氏:
そうですね。制作の方法こそ違えど、静止画のクリエイティブを活用するのと同じように捉えてもらえればと思います。

ferret:
あくまで他の施策と比べて、検証方法などに大きな違いはないということですね。
本日はありがとうございました!

プロフィール

村岡弥真人氏 
アライドアーキテクツ株式会社 CPO兼プロダクトカンパニー長
大手ガラスメーカーを勤務を経て2012年にアライドアーキテクツ入社。2014年よりSNS広告に特化した広告代理事業を立ち上げ、自社最大の事業まで事業拡大を行う。2016年にUGC Centric Creative Platform "Letro"の提供を開始、Facebook及びInstagramのオフィシャルパートナーに。2017年より自社プロダクト事業全体の統括を行い、ベトナムの開発子会社2社の経営も兼任。2018年CPOに就任。アジア市場全体での事業展開を担当。