取り組む企業

さまざまなロボットがRaaSとして活用されているなか、いち早くこうした先端技術を導入している企業も存在します。ここからは、RaaSを導入している企業の事例を見ていきましょう。

Cafe & Deli GGCo.

東京都は港区、虎ノ門にあるオフィスビル「城山トラストタワー」の一階。Cafe & Deli GGCo.はいち早く「注文」「配送」を自動化したお店の1つです。アメリカに本拠地を構えるSavioke社が開発した配送ロボット「Relay」を導入し、店内のホール業務をロボット化したことで注目を集めています。

このRelayは飲食店のホール業務だけでなく、ホテルでも大活躍を果たしているロボットで、国内では品川プリンスホテルNタワーや渋谷ストリームエクセルホテル東急でもフードデリバリーを担当するなど、多くの実績を残しています。

ホテルの内線とRelayを接続すれば、客室へ届ける飲食物を預かったRelayが自分でエレベーターに乗って目的の階へ向かい、客室の前に到着すると自動で客室の内線へ電話をかけることも可能に。RaaSの可能性は工業分野だけでなく、サービス業にも波及するものである、と示した好事例です。

1台あたり、月2000ドル程度で導入できるので、規模によってはRelayを導入したほうがコスト削減につながる事業者も多いのではないでしょうか。

参考:Relay
   品川プリンスホテルNタワー
   渋谷ストリームエクセルホテル

株式会社リンガーハット

先述したYuMiを導入している株式会社リンガーハット。飲食業界大手のリンガーハットで、YuMiが果たしている役割は、なんと餃子の製造です。ロボットを使った餃子の製造工程をお客様に見せることで、楽しんでくれるのではないか、と考えた山崎執行役員は、RaaSという形態でYuMiが導入できることを知り、導入に踏み切りました。

2人で行っていた工程をYuMi一体に任せられるようになり、人件費の削減に繋がったうえ、ロボットが餃子を作る光景を見たいお客様が来店するようになり集客も2割増加。RaaSを活用して新たな価値を創造したリンガーハットの姿は、飲食業や製造業だけでなく、様々な業界でロボットを導入する意味を教えてくれます。

参考:オリックス・レンテック

RaaSのメリットはコスト削減だけではない

RaaSによって業態や業界を問わず様々な場所でロボットを活用できるようになりました。それと同時に、「ロボットは単純作業を肩代わりしてくれるもの」という従来の価値観も塗り替えられていくでしょう。株式会社リンガーハットの事例のように、ロボットが活躍している姿そのものを価値として提供する事例も存在するので、自社の商品やサービスでもRaaSによって別の価値を創出できないか考えてみませんか。

安価でロボットが導入できるRaaS。これから街なかでロボットを見かける機会が増えそうで、どこかわくわくしてきますね。

参考:ロボットは遠隔制御が前提に、RaaS(Robot as a Service)が進めるロボットのソフトウェア化