機能の選定基準は「自分がワクワクするか」

ferret:
社内情報の共有ツールを開発する、と決めた後はどのようなことから取り組まれるのでしょう?

堀辺氏:
プロダクトのアイデアを考える時に、実はそのプロダクトのUIまで思い浮かべているんですよね。

ferret:
それはもう機能なども決まっている、ということですか?

堀辺氏:
そうですね機能をあまねく想起して、ざっくりUIを考えちゃう。絵にして考えたほうが機能がどう働き、利用するユーザーさんが利用して楽しいのか楽しくないのか、何が得られるのかなどわかりやすいんですよね。

たとえば、足が遅い人を速くするために必要なプロセスにどんなことがあるのかなと考えると、トレーニング法やフォーム、適切な食事などが思いつくのと同じように、今の課題を解決するのに必要なプロダクトはどのようなものか、どのような機能でどのようなデザイン、インターフェースがあるべきかを思い浮かべて絵にしているんです。

その後はそのUIや機能を実現するために必要なインフラや技術、ざっくり開発工数などを考えながらプロトタイプのようなものをつくっていますね。

辞書機能2.png

専門用語や社内用語を登録すると表示される辞書機能も過去の原体験から生まれた機能

ferret:
そのUIや機能を考える時にはどのような視点で考えているのですか?

堀辺氏:
もっとも優先しているのは「自分がワクワクするか」ですね。言い換えれば「自分が使いたいと思うか」です。先ほども申し上げたように、私自身は原体験主義なんで、自分で熱量や思い入れが持てるものでないと、自分が開発する意味はない、と思ってしまうので、ここが重要ですね。楽しくないと続かないですし、この機能欲しいと心から思えるから作れるわけです。

ferret:
先ほど説明いただいた「イメージエディタ機能」のような細やかな機能もそういった考え方で決めているのですか?

堀辺氏:
そうですね。マニュアルや手順書を作成する時、いつもSkitchやAdobeの描写ソフトを使って画像編集して、それをファイル保存して、またそれを別のサービスでアップロードするということが経験にありまして、これは果てしなく面倒くさいなと(笑)。画像をアップロードして、そのまま編集ボタンをポチッと押すと編集できると楽なわけです。しかも再編集できるとさらに嬉しいわけで。自分の「面倒くさい」「手間」ってだいたい多くの人の「面倒くさい」「手間」に共通するんですよね。自分の原体験といっても、その手間暇をペインとして捉えて、そのペインがどれだけの人たちに共通したものなのかは考えるようにしています。

また、機能のプライオリティや取捨選択を迫られることもあるので、その際には「どの機能を付けることが、ご利用されるユーザーさんにとって快適且つプロダクト全体としてユニークでオンリーな存在になるか」を考えるようにしています。

その際にも、基本的には自分たちがどれだけワクワクするか、が1つの判断基準ですね。というのも、こうしたある種の「ワガママ」がプロダクトのユニークさやアイデンティティにも繋がっていくのではと考えるからです。

ferret:
基本的には自分の原体験が中心なんですね。

堀辺氏:
もちろんお客様の声には傾聴し、プライオリティを検討することはありますが、食堂のようにお客さまからご注文を頂いて作るわけではなく、僕の開発スタンス的には、こういうものを調理してみたんですが、おひとくちいかがでしょうか?とお客さまにお料理を提案してみたいんですよね。そしてご提供したお料理を食べてるお客さまの反応見て喜んだり、あー違うかーと思ったり、ここが事業を作る面白さと難しさ、そしてプロジェクトに関わっている醍醐味だと思うんですよね。