ベータ版で自分たちの常識を覆す

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ferret:
toasterは先日ベータ版を提供開始されましたが、その後の反響はいかがですか?

堀辺氏:
ありがたいことに、提供開始から1週間で東証一部上場企業さんからスタートアップ、士業の皆様はじめ350社以上の企業さんに導入していただいており、想像以上の反響です。

ferret:
このベータ版はどういった目的があって提供を開始されたのでしょう?

堀辺氏:
1つは純粋にこのプロダクトがどう評価されるのかお客さまの反応を見てみたかったんです。

リリース前に100社ほどサービスの事前ヒアリングを行ないましたが、知人つながりなのでどうしても一定のバイアスがかかってしまう。正しい評価もあれば優しい評価もかなりあったんじゃないかと。そのため一度、世の中に出してみて、このサービスが実際どのように映るのか評価をあおぎました。

もう1つはUIと操作性の検証です。

開発をしているとある種の罠に陥りがちで、自分たちは当たり前のようにサービスに慣れ親しんでしまう。しかし、初見のユーザーさんからすると「このボタンを押すとどうなるかが分からない」といったことがよく起こるんです。こうした自分たちの慣れや常識としていた感性をリセットし、正しいユーザーさんの反応を理解するためにベータ版を提供し、使用感の向上やUIの改善に活かしています。

顧客の声は聞き続けることが重要

ferret:
先ほど100社程度にヒアリングを行なった、と仰りましたが、具体的にはどのようなヒアリングをされているのですか?

堀辺氏:
まず、プロダクトのコンセプトが決まった段階で構想を伝えてみるんです。ただプロダクトがない状態だと、大抵「いいよね」というリアクションで終わってしまうので、次はアルファ版ができた段階、つまり何となく画面がある状態でヒアリングをすると、プロダクトの解像度が高まっているので、フィードバックがより濃くなっていくんです。

ただ、ヒアリングの件数の多さではなく、大切なのはお客さまの声に傾聴し続けることと、一件一件お聞きしたお客さまの声の意図を読むことが大切だと思っています。何故その反応だったのか、何故その声が挙がったのか。実は違うことを求めていたり、他のことを期待されていることがあるので、背景と理由をつぶさに考えるようにしています。

ferret:
それは堀辺さんご自身の経験から、そう考えられているのですか?

堀辺氏:
私のキャリアは営業マンからスタートしたのですが、その時からお客さんの反応や声を聞くことが好きだったんです。それこそ先輩や同僚と飲みに行くくらいなら、お客さんと飲みに行くほうが良いくらいに考えていたので、社内飲みには殆ど行かず、ひたすらお客さんと飲んでいた時期がありました(笑)

発注してくれるお客さんがいらっしゃる一方で、失注したお客さんに理由を訪ねてみたところ「失注の理由は時期が悪かった。タイミングだけだった」と言われたことがあったんですね。その時に「すべての答えをお客さまが持っているわけではない。しかし、あらゆるニーズはお客さんが持っている」と気づいたんですね。

営業時代にお客様が欲している事象を一時的なウォントなのか相対的に潜んでいるニーズなのか察知し、提案を続けた経験やキャリアを経たからこそ、開発するプロダクトを通じて、お客さんの反応をつぶさに見たい、感じたいと思いますし、ニーズや期待を上回るものを作れた時の喜びを感じていたいと思っています。アプローチは、営業時代と何も変わっていないですね(笑)