ホームページを運営していると、別のサーバーに引っ越しをしたいと思うことがあります。サーバーは、契約する際に色々と比較検討をするものの、実際のところ使ってみてわかることの方が多いのです。そこで、WordPressの引っ越しをテーマに、いくつかの方法を紹介します。

プラグインを使っての引っ越し方法

手軽に機能を拡張できるプラグインは、WordPressの醍醐味の一つと言っても過言ではないでしょう。サイトの引っ越しにおいてもプラグインが存在します。

All-in-One WP Migration

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出典:All-in-One WP Migration

「All-in-One WP Migration」は、簡単にデータの移行ができるので、専門的な知識を持たなくても簡単に操作できるのが特徴です。ユーザーインターフェースが分かりやすく、日本語化されているので、かなり馴染みやすいでしょう。

作業の流れとしては現在使っているWebサイトのデータをエクスポートし、引っ越し先のWordPressにインポートします。そのため、引っ越し先のサーバーにも同じプラグインをインストールしておく必要があります。

このプラグインには、無料版と有料版の2つがあり、料金を支払えば、512MB以上のデータをインポートできるようになり、Webサイト数の制限もなくなるなどのメリットがあります。

プラグインとしてのレビュー評価も高く、200万件以上の有効インストール数を誇りますが、プラグインを使った引っ越しにも、気をつけなければいけないことが多々あります。その一つは、WordPress 3.3より前のバージョンには対応していないので注意が必要ということです。

また、引っ越し先と引っ越し元のPHPのバージョンに差がある場合は、エラーが発生する可能性があります。その他、必ずしもスムーズに引っ越しが完了するとは限らないので、注意をしながら作業するべきでしょう。プラグインは操作としては簡単な分、やってみないとわからない部分もありますので、リスクがあることを理解して行わなければいけません。
参考:All-in-One WP Migration

Duplicator

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出典:Duplicator

WordPressの引っ越しやバックアップ用のプラグインとして有名な「Duplicator」は先述したAll-in-One WP Migrationに近いプラグインです。

作業の流れとしては、Duplicatorで、旧サーバーWordPressデータのパッケージデータを作成し、新サーバーのWordPressにエクスポートします。データベースの設定も必要になりますが、流れに沿って必要な情報を入力できれば進められます。注意点として、引っ越し先のPHPのバージョンが異なると上手くいかない恐れがあります。万一のためにバックアップを取得しておきましょう。

Duplicatorにも有料版があり、データ量が多い場合は有料版にするべきです。クラウドへの自動バックアップや定期バックアップの機能もありますので、リスクヘッジや作業効率を重視する場合は、有料版を検討してもよいでしょう。サイト等の状況によりプラグインが正しく動作しない可能性やトラブルが生じてしまうこともあり得ます。楽な反面リスクがあることも留意しましょう。
参考:Duplicator

プラグインを使わない場合の引っ越し方法

プラグインによって自動化できた作業を自分でするので、それなりに知識も時間も必要です。

引っ越し作業の手順

1.引っ越し元のファイルとデータベースのバックアップをする

まずは、現在使っているサーバーのファイルとデータベースのバックアップを取得しましょう。WordPressのファイル一式をダウンロードする必要がありますが、ファイルの場所がわからない場合は、現在契約しているレンタルサーバー会社に確認して確実に行います。

また、データベースのエクスポートに関しては、『phpMyAdmin』を使いますが、手順もサーバー会社のヘルプに掲載していることが多いので確認しましょう。ファイルとデータベースの両方が揃わなければ、WordPressサイトの引っ越しはできませんのでご注意ください。

2.引っ越し先のサーバーを移す準備をする

次に行うのは新しいサーバーの設定です。サーバーにドメインを追加し、データベースを作成します。このあたりのサーバー設定は、レンタルサーバーごとにガイドがあり、細かく書いているので、その通りに設定しましょう。

引っ越し先のサーバーのデータを移す前にやらなければいけない作業があります。引っ越し元の「wp-config」ファイルの登録内容を新しいサーバーの情報に書き換える作業です。テキストエディタなどで開いて編集し、保存してください。

3.データベースとサイトデータをインポートする

引っ越し先のサーバーにデータをインポートする段階まできました。phpMyAdminにログインし、作成済みのデータベースにファイルをインポートします。そして、FTPを使って、引っ越し元でバックアップしたWordPressのファイルをアップロードしてください。

4.ネームサーバーを変更する

サーバーが変わったので、ドメインのネームサーバーを変更しなければ、Webサイトは表示されません。ネームサーバーの変更は即時反映ではなく、完全に反映するまで時間がかかります。Webサイトが正しく表示されるようになり、引っ越し先のサーバーで問題なく動いていれば完了です。

参考:WordPressの移転について

気をつけること

1.トラブルが起きそうなプラグインを停止しておく

作業を行う前に、セキュリティ、キャッシュ、リンク切れチェックなど、定期的に動くプラグインを停止しておくとトラブル防止になるでしょう。
参考:別のサーバーへWordPressを移行する方法(WordPressの引っ越し)

2.なんとなくで作業しない

システム関係の全ての作業に共通することですが、なんとなくで作業をすると、思わぬトラブルが発生する場合があります。レンタルサーバーのマニュアルに沿って、正確な作業をしましょう。

プロに任せる方法

プラグインを使う方法と使わない方法を紹介しましたが、やはり自分でWordPressサイトの引っ越しをするのは不安だという方も多いでしょう。Webサイトやサーバーの仕様は、人によって異なりますし、それなりに知識を持っていないと、エラーが生じてしまったときに、手詰まりになってしまう恐れもあります。このような状態にならないために、WordPressの引っ越しのプロに依頼するという選択肢もあります。

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出典:サイト引っ越し屋さん

サイト引っ越し屋さんは、1ヶ月で最大160サイトのWordPressの引っ越し経験を持っています。万一の事態にも「サイバーリスク保険」に加入するなど、利用者が安心して依頼できるように配慮している会社です。それだけ、サーバーの引っ越しはリスクを伴うものであり、慎重に進めなければいけません。

リスクヘッジを考えた上で引っ越しをする

引っ越し先のレンタルサーバー会社のホームページには、利用するサーバーにあわせた引っ越し手順が詳細に解説されていることが多くあります。手順に沿って作業すれば、もちろん自力で引っ越し作業を行うことは可能ですが、もしものリスクを考えた慎重な作業が必要です。今回は、プラグインや手動による引っ越し手順をご紹介しましたが、それぞれの環境により何が起こるかわかりませんので、自己責任での作業になります。自分で作業する場合は、万一の表示トラブルが生じた場合に相談できる場所を見つけておくなど、リスクヘッジをきちんと考えておきましょう。

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