ローソンの「悪魔のおにぎり」はなぜここまでヒットしたのか?
『悪魔のおにぎり』は、コンビニエンスストア「ローソン」から2018年10月に発売されたおにぎりです。白だしで炊いたご飯に天かす・天つゆ・青のり・あおさのシンプルな具材の組み合わせで作られた悪魔のおにぎりは、商品名のインパクトとパッケージに記載の文言通り、まさに「やみつき」になる美味しさで、発売日から大きな話題を呼びました。
そんな悪魔のおにぎりの人気は現在も衰えず、悪魔のおにぎりシリーズは、おにぎりだけに止まらず、『悪魔のコーヒー』や『悪魔のお湯(入浴剤)』など、数々の「やみつき」商品が発売されています。シリーズ累計は7,300万個超(おにぎりのみ、2020年4月時点)。ここまでヒットとなった要因は何なのでしょうか。『悪魔のおにぎり』について、ローソンの担当者に質問を投げてみました。
『悪魔のおにぎり』の開発
ferret:『悪魔のおにぎり』の開発のきっかけは?
ローソン:『悪魔のおにぎり』は、元々は南極観測隊が夜食として食べていたおにぎりです。当時、テレビで紹介されて以降、SNSなどで話題になっていました。巷で話題となったことをきっかけに、ローソンでも作れないか?と独自に開発したものが『悪魔のおにぎり』。*「悪魔的にやみつきになる美味しさ」*が名前の由来です。
**[primary]ferret:[/primary]**商品開発に踏み切った一番の理由は何ですか?
**[primary]ローソン:[/primary]**普段から新商品開発のヒントは、あらゆるメディアやSNS、口コミなどから情報を得ているのですが、そんななかテレビやSNSで『悪魔のおにぎり』が話題になっていることを知り、実際に試作品を作ってみたところ非常に美味しかったため、「これはいける」と思い、すぐに商品化に踏み切りました。
※開発当時の担当者は現在と異なります。
**[primary]ferret:[/primary]**販売までに何か苦労されたエピソードはありますか。
**[primary]ローソン:[/primary]**これまでにないおにぎりのため、「本当に売れるのか?」といった社内の声が多く、理解を得ることに苦労しました。『悪魔のおにぎり』は、「悪魔的にやみつきになる商品であること」にこだわり商品開発を行なっており、これはシリーズ商品を発売する今も変わらないです。純粋に「自分が買ってもいいな」と思うものを開発することは大切にしており、その商品に対する思いが結果的に社内の承認を得ることにも繋がっています。
『悪魔のおにぎり』のPR戦略
**[primary]ferret:[/primary]**ユーチューバーとのコラボレーション施策や、シリーズにおいて扱う商品のジャンルも幅広いので、いち消費者としても「次は何が発売されるんだろう?」と期待を募らせながら、新商品発売を待ち望んでいるのですが、当初から、シリーズ化は戦略の中にあったのでしょうか?
**[primary]ローソン:[/primary]**発売時にシリーズ化は予定していませんでした。お客様のみならず、加盟店からの要望も非常に多くあったため、「おにぎり以外でも楽しんでいただける商品を提供したい」と考え、おにぎり以外のジャンルの商品の発売に至りました。
**[primary]ferret:[/primary]**シリーズ商品を作るにあたり、「悪魔の○○」として販売するための基準はありますか?
ローソン:「悪魔的にやみつきになる」ために、やみつき要素(糖・脂・旨みなど)が入っていることを基準として商品開発を行っています。
**[primary]ferret:[/primary]**PR戦略について、実際に行った施策や狙いは?
**[primary]ローソン:[/primary]**パッケージデザインは一度見たらやみつきになる悪魔感を狙い、クリエイティブジャンプして表現しました。具体的には、薔薇の茎のようなトゲトゲしたロゴや、ブラックを基調とした重たい配色、食べ過ぎて真ん丸になった身で憎めないキャラクター、などです。結果、SNSではパッケージを写真に撮った投稿が多くあがりました。
**[primary]ferret:[/primary]**力を入れたSNS施策はありますでしょうか。
**[primary]ローソン:[/primary]**SNSでは、自ら発信するだけでなく「悪魔のおにぎり」を取り上げていただいた記事のリツイートを積極的に行いました。また、「○○万個突破!」等の投稿をタイミングをみながら実施し、売れ続けていることを伝えたこともポイントです。
『悪魔のおにぎり』の反響
**[primary]ferret:[/primary]**予期せぬ反響などありましたか?
**[primary]ローソン:[/primary]**発売13日目に、それまで少なくとも20年間1度も首位を譲ったことのなかった、おにぎり部門不動の1位「シーチキンマヨネーズ」の販売数を超えたことです。社内でも予想できていなかったほどの売上記録を更新しました。
**[primary]ferret:[/primary]**今や、知らない人はいないほどの大ヒット商品ですが、ヒットの要因はどこにあると考えていますか?
**[primary]ローソン:[/primary]**話題になっている商品をいち早く商品化した点が大きいです。また、『悪魔のおにぎり』というネーミングや商品パッケージのインパクト、クセになる味わい、お買い求めやすい価格帯などもご評価いただいたと考えています。
アンテナを張り巡らせ、時代の流れを読む
ローソンを展開する株式会社ローソンは、最近では新型コロナウイルスによる政府の一斉休校の要請に伴い、「ぬりえの無料印刷」「ホットミルク半額」「おにぎりの無料提供」などをどの企業よりもいち早く企業支援を実施したことは、まだ記憶に新しいです。常にアンテナを張り巡らせているからこそ、ヒットが期待できる商品の開発や、企業としてどのように行動していくべきかなどの社会貢献についても、いち早い行動を取れるのではないでしょうか。
人気の秘密を探る
高級食パンのブームはいつから?人気の秘密を4Pを使って徹底分析
1斤1,000円程度の、相場より高い価格帯の「高級食パン」の専門店が相次いでオープンしています。 「高級食パン」は手を出しやすい食パンに高級感をプラスしたコンセプトがヒットし、認知度を上げている商品の一つ。いまや、SNSやテレビでも話題になるほどの盛り上がりを見せています。 このヒットの背景には緻密なマーケティングがあります。 今回は、この高級食パンがヒットした背景やその秘密をマーケティングの4Pをもとに解説していきます。
- 口コミ
- 「口頭でのコミュニケーション」の略で、消費者の間で製品やサービスの評価が伝達されることです。 一方で、不特定多数の人々に情報が伝達されることをマスコミと使われます。
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