今、日本のみならず世界でもアニメーション広告は活性化しています。例えばYKK株式会社は、ショートアニメ『FASTENING DAYS』を日本だけでなく、英語・スペイン語・フランス語・中国語などの多言語に翻訳し、Youtubeや自社サイトなどで全世界に公開。また、アニメというわかりやすさを活用したサービス紹介動画をアニメで制作する企業も規模の大小を問わず増えています。

こうしたアニメーション広告をマーケターが考える上で知っておきたい特徴と、実際に活用している企業の例を通じてどんな活用法があるかを一緒に考えてみましょう。

参考:YKK株式会社公式サイト

アニメーション広告とは?

なぜ、今注目されているのか

anime1.png
出典:サイバーエージェント株式会社プレスリリース「サイバーエージェント、2019年国内動画広告の市場調査を実施」

アニメーション広告とは、その名の通りアニメーション動画を使って制作される広告です。株式会社サイバーエージェントが株式会社デジタルインファクトと共同で実施した、国内動画広告市場調査によれば、2019年の国内動画広告市場は、前年から141%増となる2,592億円規模に達する見通しと推計されています。また、スマートフォンの普及により、動画広告の視聴デバイスはスマートフォンなどのモバイルがメインとなり、その割合はほぼ9割。今後も動画広告市場は拡大することが予想され、2023年には5,000億円規模の市場となると予想されています。

こうしたなかで、企業の広報担当者として悩ましいのが動画の制作コストです。実際に出演者をアサインし、撮影、編集して動画広告を作成するとなると、それなりのコストも時間もかかります。また、視聴デバイスがモバイル端末となると、音を出さずに(無音状態で)視聴されるシーンも想定しなければなりません。わかりやすさやコスト面でのバランス、そして視聴シーンも想定した親和性の高さを考えたとき、アニメーション広告は非常に優位性の高い広告手段と言えるのです。

参考:サイバーエージェント株式会社 公式サイト

アニメーション広告の事例

具体的に、アニメーション動画とはいったいどんなものなのでしょうか。イメージを掴むために、いくつかの事例を紹介します。

「Payme」のサービス紹介動画

アニメーション動画はわかりやすく仕組みや考え方、商品・サービス内容を伝えやすいことから、サービス紹介で多く活用されています。給与即日払いサービス「Payme」のサービス紹介動画では、パッと目を引くイエローの背景のアニメーションを使ってサービス内容を説明。特徴や、仕組みについてポイントポイントで文字情報も随時入れているため、ミュートで再生している人もスムーズに内容が頭に入ります。

「リノベる。」サービス紹介動画

「Payme」と同様のタイプとして、中古マンションの購入とリノベーションをセットで提供している「リノベる。」でもアニメーション動画を導入しています。こうしたサービス説明動画は、YouTubeなどのWeb媒体での露出だけでなく、イベント会場や実店舗で映像を流すなどの展開も可能です。

「Redbull」翼をさずけるシリーズ

テレビでも放映され、馴染みのあるアニメーション動画といえば、「翼をさずける」のキャッチコピーでお馴染みのレッドブルや、花王のビオレママシリーズ。ブランドイメージにあったイラストで描かれたアニメーションは、ブランドイメージをより強固に消費者に伝える役割を果たしているのです。

エナジードリンクメーカーであるレッドブルは、エナジードリンクシェア率は世界トップクラス。2019年には75億本を全世界で販売し、好調な業績を上げています。

そんなレッドブルが全世界で放映しているのが、特徴的な線画のアニメーション動画です。アニメーションというよりはcartoon(漫画)的なイラストは、レッドブルのイメージとマッチし、私たちにレッドブルのイメージを深く植え付けています。

参考:レッドブル公式サイト
「スタイルを持つ人が強い」レッドブルに学ぶビジネスパーソンの競争戦略