新型コロナウイルスの流行拡大に伴い、在宅勤務やリモートワークが加速しています。こうした世情を受けてGoogleから発表されたGmailの大幅刷新。SlackやTeamsなどに替わる存在となり得るのか、気になっている方も多いかもしれません。そこで、今記事では、もともとビジネス向けGmailである「G Suite」を提供していたGoogleが、今回どのような機能を集約させたのでしょうか。進化したGmailに搭載された機能から、同社の狙いを探ってみましょう。

参考:Introducing your new home for work in G Suite

Gmailが「統合ビジネスコミュニケーション環境」へ

メール機能の拡充に重点が置かれたこれまでのアップデートとは異なり、今回の大幅刷新では、Gmail上でチャット「Google Chat」やビデオ会議「Google Meet」、タスク管理といった機能を集約。Gmailは統合ビジネス環境へと変貌を遂げようとしています。スマートフォンアプリでも適用されるため、より使い勝手が良くなりそうな予感のGmail。具体的にはどんなアップデートがなされるのでしょうか?

「better home for work」なUIへ

今回のGmail刷新によって、大きく変わるのがGmailのデザインです。Slackのようなコラボレーションアプリとしての機能を持つ「Rooms」やビデオ通話、チャット、タスク管理などへのアクセスがGmailから簡単にできるようになります。

新しいインターフェイスでは同じページでチャットやタスク管理、ドキュメントへも1つの画面で素早くアクセスできます。

現時点ではG Suiteユーザー向けとして発表されているため、一般ユーザーの場合、どの程度利用できるようになるかは未確定。いずれにせよ、業務効率を高め、よりフレキシブルにコミュニケーションが取れるようになる刷新と言えるでしょう。

チャット機能

中でも、リアルタイムチャットは、Slackなどのアプリに代わる存在になりそうな予感。
チャット中に必要があればビデオ会議に切り替えることもできますし、Googleドキュメントのファイルをすぐに共有することも可能です。チャットメッセージをメールの受信トレイに転送したり、タスクを新たに追加・作成したりすることも同じ画面上で完結させられます。

他のコラボレーションアプリだと、いちいち画面を新たに開いてやりとりをしなければならなかったという方にとっては、その煩わしさから解放されるアップデートとなるでしょう。

image1.png

画像出典:Google

検索も一元化

例えば過去にやりとりしたメールやチャットを確認するとき。Gmail上で送信者やキーワードを検索、チャットでも同様の作業を…ということもあったかもしれません。過去のやり取りの中から、該当するものを見つけるのに時間がかかっていたという方もいるのではないでしょうか?

アップデートされたGmailであれば、これらは1回の検索で完結できます。
地味かもしれませんが、こうした一括検索ができるようになるのも、Gmail刷新の恩恵と言えるでしょう。

スマホアプリでも「タブ」で一元化

また、今回のアップデートでは、スマホアプリ上でもメール・チャット・Rooms・ビデオ会議をタブですぐに切り替えられるようになります。
スマートフォンからも、異なる手段のコミュニケーションを簡単に切り替えられる点は、リモートワークが進んだ今、まさに嬉しい変化。

ただし、スマホアプリではパソコン版の機能からある程度制限がある可能性もゼロではありません。

image3.png

画像出典:Google

サードパーティーアプリとの連携も

画像出典:Google

電子署名サービスDocuSignやCRM管理システムのSalesforce、プロジェクト管理のTrelloといったサードパーティーアプリとも、新・ワークスペースでは連携が可能です。Gmailやチャットをしながら、これらのサードパーティーアプリの更新などもできれば、より業務効率も高まるでしょう。

Gmailの狙いはどこにあるのか

今回の刷新の背景には、新型コロナウイルス流行によって世界的にリモートワーク・在宅勤務をする人が増加していることが挙げられます。
現に、ビデオ会議の「Meet」は、1日あたりの新規ユーザー数が2020年に入って増加。それを受けて、これまでG SuiteユーザーのみだったMeet機能を全ユーザーに解放しています。このように、ユーザーの動向を見ながら随時機能を追加・アップデートしてきたGmail。

これからは、単なるメールを超えた、ワークスペースとしての機能を拡大する方向に舵を切っているのかもしれません。

今回のアップデートに注目!

Gmailの今回のアップデートは、私たちのビジネス上のコミュニケーションをよりスムーズに・フラットにしてくれる可能性を秘めています。

スマートフォンからどの程度サービスを利用できるかは未知数ではありますが、5G環境が整えば、ビデオ通話などもしやすくなり、さらに利便性が高まることは確実。是非みなさんも、注目してみましょう。

関連記事

企業版Google+が完全終了に。後継の社内SNS「Google Currents」とは

企業版Google+が完全終了に。後継の社内SNS「Google Currents」とは

2020年7月6日、G Suite向けに公開されていた「Google+」が完全終了しました。Google+の終了に伴い、新たに代わりとなるサービス「Google Currents」が注目されています。しかし、そもそもGoogle+を利用したことがないという方や、Google Currentsについてわからないという方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、Google+についてのご紹介と、後継と言われているGoogle Currentsについて解説していきます。