Web担当者様は「ミラーサイト」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ミラーサイトとは、すでにあるページを鏡のように同じの状態で作られたWebサイトを指します。

このようなページは全く同じページになるため品質が低いページと判断され、パンダアップデート以降はGoogleからの評価を著しく下げる要因になりました。しかし、ミラーサイトを悪用するのではなく、健全な意図で使う場合もあるようです。

今回は、ミラーサイトとの上手な使い方を解説します。

ミラーサイトがSEO対策に使われていた時代

パンダアップデート以前は、検索エンジンの精度が低くコピーコンテンツでも上位に表示されてしまうことがありました。また、ミラーサイトも上位に表示されることがあり、ミラーサイトが大量に生成されていました。

Googleの理想と大きくかけ離れたこの状況を打破すべく、日本語圏でもパンダアップデートが導入され、大量にあったミラーサイトは次々に順位を下げ、ミラーサイトからの被リンクが多いWebサイトもペナルティを受ける事態となりました。

ちなみに、検索結果の上位に表示させるためにすでに公開されているページをコピーする行為をスクレイピングと呼ぶ場合もあります。

自分に非がなくても被害を受けることも…

SEO目的でミラーサイトが使われることはほとんど無くなったものの、自社とは全く関係の無い他ユーザーが勝手にミラーサイトを作成するという事例は後を絶ちません。

会員登録サービスやネットショップ等、個人情報を入力する必要のあるWebサイトをコピーし、入力されたメールアドレスや住所の情報を抜き取ることが目的です。

ほぼそのままの内容をコピーしている場合がほとんどなので、自社サイトのページタイトルを検索にかけてみると良いでしょう。
もしミラーサイトが見つかった場合は、GoogleのDMCAに著作権侵害を申告しましょう。後から作られたミラーサイトが本サイトと認識されてしまう場合もあるため、早めの対策が吉です。

申告は下記ページから行えます。

著作権侵害の報告: ウェブ検索
https://www.google.com/webmasters/tools/dmca-notice?pli=1&hl=ja

ferretでも、2015年7月30日にミラーサイトの存在が確認されましたが、DMCAに申請を行いインデックスから削除されました。

ミラーサイトが有用なケース

ミラーサイトは悪い面にばかり焦点が当てられがちですが、使い方によっては非常に有用な場合があります。

何かしらの原因でWebサイトの同時アクセスが瞬間的に増えた場合、許容量を超えてサーバーがダウンし、Webサイトが見れなくなってしまった時に、ミラーサイトを設置していればコンテンツを閲覧できない状態を回避することができます。

県や市などの自治体のWebサイトは、災害発生時や選挙など、アクセスが集中しやすい時期に備えて公式Webサイトへのアクセスをミラーサイトに誘導させて負担を軽減させるための措置をとっています。総務省も有事に備える意味でのミラーサイト運用を推奨しています。

参考:
自治体の公式Webサイト等の負担軽減

ただし、そのような目的でミラーサイトを作成する場合は、canonicalやnoindexをつけてコピーコンテンツと判断されないようにしておきましょう。